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ワルキューレ|評価・考察・あらすじ(ネタバレ)詳細情報

映画 ワルキューレ
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ワルキューレは、2008年公開のアメリカ・ドイツ合作映画。第二次世界大戦時に実際にあったヒトラー暗殺計画を題材に、トム・クルーズがその計画の中心的人物であったシュタウフェンベルク大佐を演じたサスペンス。ヒトラーの独裁政権に屈する者と世界を変えようとする者、そして両者の裏で陰謀をたくらむ者が、戦争の混乱の中で繰り広げる駆け引きを描く。シンガー監督のこだわりにより、撮影の多くは実際に事件の起こった現場・史跡においてロケを行い、登場する建物や車輌も極力当時の本物が使われている。ただし、ヒトラーの住居兼大本営であったベルクホーフ・ハウスは既に破壊されていたため、ヒトラーの恋人エーファ・ブラウンの撮影したホームムービーを資料にセット撮影とCGで再現された。このベルクホーフ外観のCGや、トム・クルーズ演じる主人公の指の失われた左手の再現などのVFXは、ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスが担当している。

ワルキューレ 映画批評・備忘録


ワルキューレ(原題: Valkyrie)

脚本:31点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点

いわゆるクーデーターものの戦争映画ですが、華のあるトム・クルーズが演じることで抑揚のある作品に仕上がっています。ものすごく重い内容なのですが、トムが演じた英雄のその姿は魅力的に思えました。

サイエントロジーの信者ということもあり、トム・クルーズが演じることへの反感・反発がドイツ国内や当時の関係者から反感がありましたが、それはトム・クルーズが演じた反ナチの英雄でもあるシュタウフェンベルク大佐が敬虔なカトリック教徒だったことがあげられます。また、サイエントロジーは悪質なカルトと見られていることやドイツ人の半分程がキリスト教信者ということにもありました。

しかし、トム・クルーズが関係者や親族と会い、彼のプロフェッショナルな仕事をする姿勢を見せた後、態度を一変させました。シュタウフェンベルク大佐の孫は「ストーリーの正義がうまくいかないと思う家族もいれば、キャスティングが理想的だと思わない家族もいます。特にトムに会い、トムがそのような役割にどのように取り組んでいるかを見た後は、まったく同意しません。彼のプロフェッショナリズム。家族のほとんどが完成した映画を見て興味を持っていると思います。」と述べています。

ドイツ国内では有名な存在でも、海外では知らない人が多い、この英雄と出来事についてハリウッドが改変することなく製作したことへの感謝があったことも触れておきたいです。これは史実がとても不幸な状況で終焉し、多くの英雄が処刑された内容をエンタメを好むハリウッドが真摯に取り組んだことにあります。

 

ヴァルキューレ作戦について

ヴァルキューレ作戦は1941年冬に国内予備軍を結集する方法として立案されました。国内予備軍は前線へ送る将兵の訓練を行い、また新たな部隊を編成する軍でした。その国内予備軍を沿岸防衛や敵の空挺部隊上陸阻止などの任務に動員するための作戦がヴァルキューレ作戦でした。ヴァルキューレ作戦については国防軍以外の組織に洩らしてはならないとされていました。国内予備軍司令官、軍管区司令官、占領地域軍政長官などの金庫に封印されていました。このヴァルキューレ作戦をヒトラー暗殺後のクーデターに利用できると踏んだ反ヒトラー派は、内乱鎮圧用の作戦へと修正していきました。1943年7月31日に反ヒトラーグループのメンバーで国内予備軍一般軍務局長のフリードリヒ・オルブリヒト中将は「国内暴動」が発生した場合、国内予備軍と訓練部隊の一部を動員して新たな戦闘部隊を立ち上げるという修正を加えました。この命令が発動された時、各軍管区はただちに橋、発電所、通信施設といった重要施設を確保するための措置を取らねばならないとされた。表向きはドイツで強制労働させられている外国人労働者たちによる反乱に備えたものでした。その後も国内予備軍参謀長になったクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐がクーデターに利用しやすいように適時修正を行っていきました。ヴァルキューレ作戦の発動権限は国内予備軍司令官にのみありました。

今作品はU-NEXT で見ました。

ワルキューレ あらすじ(ネタバレ)

1943年3月、ドイツは全ての戦線で敗退を続け、ドイツの敗色は誰の目にも明らかだった。しかし、ヒトラー総統は、あくまで最後の勝利を目指して戦争を続けようとする。ドイツ国防軍の反ヒトラー派将校トレスコウ将軍は前線視察に訪れたヒトラーの暗殺を企図するが、爆弾の不具合により失敗する。ベルリンに帰還したトレスコウは爆弾の回収に成功するが、同志のオルブリヒト将軍から、中心メンバーのオスター大佐がゲシュタポに逮捕されたことを知らされ、後任の人選を急ぐ。同じ頃、北アフリカ戦線で左目・右手・左手の薬指と小指を失う重傷を負ったシュタウフェンベルク大佐がドイツに帰国し、ベルリンの国内予備軍司令部に転属となる。上官となったオルブリヒトは、シュタウフェンベルクをヒトラー暗殺計画に加わるよう求める。しかし、会合に参加したシュタウフェンベルクは、ゲルデラーたち文官がヒトラー打倒後の明確なビジョンを持っていないことを知り、一度は参加を断るが、ドイツを完全な破壊から救うにはヒトラーを倒すしかないと考え直し、メンバーに加わる。

トレスコウが前線勤務に戻った後、メンバーの中心人物となったシュタウフェンベルクは暗殺を渋るゲルデラーたちを説得し、ヒトラーを暗殺した後に「SSの反乱を鎮圧するため」と称してワルキューレ作戦を発動しベルリンを制圧する計画を策定する。シュタウフェンベルクは、計画に日和見な態度をとるフロム国内予備軍司令官と共にベルクホーフ山荘での会議に出席し、ヒトラーにワルキューレ作戦の修正案を承認させる。その後、シュタウフェンベルクは国内予備軍参謀長に任命され、ヒトラー臨席の会議に出席する機会を得る。

1944年7月15日、ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)での作戦会議に出席したシュタウフェンベルクはヒトラー暗殺を試みるが、会議にヒトラーが出席していなかったため、ベルリンのオルブリヒトやゲルデラー、ベック退役将軍から作戦中止を指示される。しかし、シュタウフェンベルクはクイルンハイム大佐と共に暗殺の決行を決め、クイルンハイムはオルブリヒトを説得しワルキューレ作戦を発動させる。しかし、シュタウフェンベルクがベルリンに連絡をとっている間に会議は終了してしまい、勝手に部隊を動員されたフロムはオルブリヒトを叱責する。シュタウフェンベルクは「政治家の優柔不断さが計画を狂わせる」と主張し、今後は自分たちの判断で暗殺を決行すると宣言する。

1944年7月20日、再び狼の巣での会議に出席したシュタウフェンベルクは暗殺を決行する。会議室に仕掛けた爆弾が爆発するのを確認した後、副官のヘフテン中尉と共にベルリンへの帰途に着く。同志のフェルギーベル将軍は狼の巣とベルリンの通信回線を断絶させるが、ベルリンに「ヒトラー死亡」の情報が届かなかったため、オルブリヒトはワルキューレ作戦の発動を保留し、しびれを切らせたクイルンハイムは独断で部隊に動員を命令する。3時間後、ベルリンに戻ったシュタウフェンベルクは作戦が開始されていないことに激怒し、オルブリヒトを説得して計画に反対するフロムを拘束し、ワルキューレ作戦を発動させる。計画は順調に進み、部隊はベルリン一帯を制圧していくが、ゲッベルス逮捕に向かったレーマー少佐は、ヒトラーからの電話をゲッベルスから受け取り、シュタウフェンベルクの逮捕を命令される。ヒトラーの生存情報が伝えられると部隊は撤退を始め、シュタウフェンベルクたちは拘束される。解放されたフロムは口封じのためにシュタウフェンベルクたちの処刑を命令し、シュタウフェンベルクは国内予備軍司令部の中庭で銃殺される。シュタウフェンベルクの死から9か月後、ナチス・ドイツは崩壊し、ドイツはヒトラーの支配から解放される。

ワルキューレ スタッフ

監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー,ネイサン・アレクサンダー
製作:ブライアン・シンガー,ギルバート・アドラー,クリストファー・マッカリー
製作総指揮:トム・クルーズ,ポーラ・ワグナー,クリス・リー
音楽:ジョン・オットマン
撮影:ニュートン・トーマス・シーゲル
編集:ジョン・オットマン
製作会社:ユナイテッド・アーティスツ,バッド・ハット・ハリー・プロダクションズ,クルーズ/ワグナー・プロダクションズ,バーベルスベルク・スタジオ
配給:MGM,20世紀フォックス,東宝東和

ワルキューレ キャスト

クラウス・フォン・シュタウフェンベルク:トム・クルーズ
ヘニング・フォン・トレスコウ:ケネス・ブラナー
ニーナ・フォン・シュタウフェンベルク:カリス・ファン・ハウテン
フリードリヒ・オルブリヒト:ビル・ナイ
ヴェルナー・フォン・ヘフテン:ジェイミー・パーカー
アルブレヒト・メルツ・フォン・クイルンハイム:クリスチャン・ベルケル
ルートヴィヒ・ベック:テレンス・スタンプ
カール・ゲルデラー:ケヴィン・マクナリー
エーリッヒ・フェルギーベル:エディー・イザード
エルヴィン・フォン・ヴィッツレーベン:デヴィッド・スコフィールド
フリードリヒ・フロム:トム・ウィルキンソン
オットー・エルンスト・レーマー:トーマス・クレッチマン
アドルフ・ヒトラー:デヴィッド・バンバー
ハインツ・ブラント:トム・ホランダー
ヴィルヘルム・カイテル:ケネス・クラナム
ハインリヒ・ヒムラー:マティアス・フライホフ
ヨーゼフ・ゲッベルス:ハーヴェイ・フリードマン

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