地平線から来た男は、1971年公開のアメリカ合衆国の映画。そのヌーボーとした風采によって凄腕のガンマンと勘違いされ、思わぬ事態が次々と起こる。映画『用心棒』とそのリメイク『荒野の用心棒』をパロディ化し、コメディとして描いた作品。出演はジェームズ・ガーナーなど。多くのスタッフやキャストが共通する映画『夕陽に立つ保安官』の姉妹編と呼べる作品である。
地平線から来た男 映画批評・評価・考察
地平線から来た男(Support Your Local Gunfighter、もしくはLatigo)
脚本:30点
演技・演出:17点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計77点
ジェームズ・ガーナー主演、名匠バート・ケネディ監督のコメディー西部劇。酔ったあげく結婚の約束をした婚約者から逃れようと、こっそり列車から途中下車をしたラティゴ・スミス。降りた町パガトリーでは2人の鉱山主が対立していた。ラティゴは鉱山主バートンからすご腕のガンマンと勘違いされ、連れの男を偽者ガンマンに仕立て、用心棒代をいただこうとする。ところが、そこへ本物のすご腕ガンマンがやって来て…。
地平線から来た男 あらすじ(ネタバレ)
ラティゴ・スミス(ジェームズ・ガーナー)は今や風前の灯。ゴールディ姐御(マリー・ウィンザー)と酔ったあげく結婚の約束をし、今は婚前ハネムーンの列車の中である。何とかしなきゃゴールインだ。ラティゴは姐御がお寝み中にこっそり途中下車した。
この町パーガトリーは、ダイナマイトが爆発し、女の子が拳銃をぶっ放しているという殺伐たる光景である。ラティゴが悠々とホテルに投宿すると、ただちに町の有力者テイラー・バートン(ハリー・モーガン)、その息子、駅長のイズ(ヘンリー・ジョーンズ)などのお歴々の大歓迎を受けた。この町の勢力分布は真二つ、バートン一派とエームズ大佐(ジョン・デナー)一派で、鉱山主同志の争いの渦が巻いている。ラティゴはバートン派の用心棒というわけだが、バートンの娘ペイシャンス(スザンヌ・プレシェット)は、この馬鹿げた争いにうんざりして、ニューヨークへ行きたいと荒れ狂っている。しかも、エームズ大佐の用心棒を自分で片づけ、それを恩にきせてニューヨーク行きをOKさせようとやっきである。
ようやく状勢を呑み込んだラティゴは、せっかく凄腕ガンマンと誤解されたからにはと5000ドルでバートンと契約した。その5000ドルもルーレットでスッテンテン。その負けっぷりの良さに惚れ込んだ酒場のマダム・ジェニー(ジョーン・ブロンデル)は、豪華な寝室を提供して用心棒も兼ねさせたが、そそっかしいペイシャンスは、さては裏切ったなと彼の寝室に乗り込んだ。が、手もなくひねられ、すっかり毒気を抜かれてしまった。エームズ大佐が自分の用心棒とマネージャーと思っていたのが実はニセ物、スウィフティに呑んべえのジャグ・メイ(ジャック・エラム)を仕立て上げたのがラティゴで、自分はマネージャーになりすましている。が、本物のスウィフティ(チャック・コナーズ)が現れるにおよんで事態は一変したのだ。
両派の抗争は熱を帯び、とうとうスウィフティとラティゴの対決となった。ベテラン・ガンマン、スウィフティは相手を見て息を呑んだ。捨て身のラティゴはダイナマイトを抱え込み、ロバに乗ってきたのだ。すっかり怖じ気づいたスウィフティは、簡単にまいってしまった。鉱山問題はバートンとエームズ大佐の妹とのロマンスによって解決し、ラティゴの傍らには急に女らしくなったペイシャンスが寄り添っていた。
地平線から来た男 スタッフ
監督:バート・ケネディ
脚本:ジェームズ・エドワード・グラント
製作:ビル・フィネガン
製作総指揮:バート・ケネディ
音楽:ジャック・エリオット,アリン・ファーガソン
撮影:ハリー・ストラドリング・Jr.
編集:ウィリアム・B・グリック
配給:ユナイテッド・アーティスツ
地平線から来た男 キャスト
ラティゴ・スミス:ジェームズ・ガーナー
ペイシェンス・バートン:スザンヌ・プレシェット
テイラー・バートン:ハリー・モーガン
ジャグ・メイ:ジャック・イーラム
ジェニー:ジョーン・ブロンデル
ゴールディー:マリー・ウィンザー
エームズ大佐:ジョン・デナー
Ez:ヘンリー・ジョーンズ
ドック・シュルツ:ダブ・テイラー
パーキンス夫人:キャスリーン・フリーマン
バッド・バートン:ディック・カーティス
マクラグレン:ウィリス・ボーシェイ
モリス:ウォルター・バーク
肉屋:ジーン・エヴァンス