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タイムマシン|80万年、時空の旅へようこそ!H・G・ウェルズの有名な原作小説を、1959年に続いて再映画化したSFアドベンチャー

映画 タイムマシン
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タイムマシンは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。ジュール・ベルヌと共にSFの父と呼ばれるH・Gウェルズの”小説タイムマシン”とデヴィット・ダンカンの”映画タイム・マシン 80万年後の世界へ(脚本)”を原作としたSF映画。原作者のH・Gウェルズは、社会主義に傾倒しており、ウェルズの政治観が反映されている作品で資本主義の階級構造の行く末にある未来とされている。

タイムマシン 映画批評・評価・考察


タイムマシン(原題:The Time Machine)

脚本:28点
演技・演出:13点
撮影・美術:16点
編集:6点
音響・音楽:7点
合計70点

前半と後半で全く違う世界観が表現されているため、賛否両論を呼ぶ作品となっていますが、原作もそうなので、実写化としてはよくできている作品だと個人的には思います。

エロイが未来人というより現代人だったのが原作と大きく違うなぁという印象。※原作のエロイ(イーロイ)は身の丈約4フィート(約120センチ)に、ピンク色の肌と華奢な体躯、巻き毛と小さな耳と口、大きな目を持つ種族で、男女共に非常によく似た女性的な穏やかな姿をしています。

原作にはないこの映画オリジナルの図書館のフォトニックで構成されたA.I.は、おもしろい表現だと感心しました。

主人公の最愛の恋人エマ役をバイオハザードII アポカリプスのジル・バレンタイン役で一躍脚光を浴びたシエンナ・ギロリーが演じている。

バイオハザードII アポカリプス|前作で生き延びたヒロイン・アリスが、今度はウィルスに冒された街を舞台に闘うSFアクション
バイオハザードII アポカリプスは、2004年にイギリスで制作されたホラーアクション映画。日本の人気ゲームを映画化した「バイオハザード」の続編。ミラ・ジョヴォヴィッチ演じる前作で生き延びたヒロイン・アリスが、今度はウィルスに冒された街を舞台に闘うSFアクション。

これが気の毒なくらい可哀そうな役で、主人公がどうにかして最愛の彼女を助けようとすることから過去から未来への旅が始まります。

運命というものを否応なく感じさせられる作品だと思います。旅立った主人公に思いを馳せる友人のフィルビー博士と執事のウィチット夫人が会話するラストシーンが好きです。

監督のサイモン・ウェルズは、原作者H.G.ウェルズの曾孫。撮影中に体調を崩したため、一部ゴア・ヴァービンスキーが代わり、共同監督を務めた。2002年のアカデミー賞においてはメイクアップ賞にノミネートされた。話題になったのは『タイタニック』を手がけたデジタル・ドメイン社によるVFXである。タイムトラベルのシーンは原作小説に忠実に描かれ、あたりの景色が時間とともに移り変わっていく様子がCGを駆使して描かれた。

原作との相違点
主人公は原作ではロンドンに住むイギリス人であったが、映画ではニューヨークに住むアメリカ人になっている。

原作では主人公は気の赴くままに行き先を決めている。主人公の内面はほとんど語られないが、切実さは感じられず、知的好奇心や冒険心などが動機のようである。対して映画では、主人公は恋人を失う過去を変える目的でタイムマシンを完成させる。最初に恋人の死を回避するための4年前への時間旅行、過去を変える方法を未来人に聞くためという未来への時間旅行の目的、2度の途中下車、事故によって予定外の未来へ行ってしまうという展開は映画のオリジナル設定である。また、原作では主人公は未来に着いたとたん、野蛮なモーロックにタイムマシンを奪われて、意思に反して未来に留まる。対して映画ではタイムマシンはすぐには奪われず、主人公はタイムマシンを返されたにもかかわらず、自分の意思で未来に留まる。

エロイ(Eloi)とモーロックの分化については、原作では階級対立が原因だと主人公は推測するが、映画にはそのくだりは無く、第3の種族ウーバー(ジェレミー・アイアンズが演じたモーロックの頭脳をつかさどるボス。原作には登場しない)が映画オリジナルの設定を説明する。原作では具体的に描かれているモーロックがエロイを養っている様子も映画には無い。なお、この映画でのエロイは肉体的な面も知能面も現代人と変わらないように描写されている(黒人およびアジア系の俳優が普通に演じている)。またエロイは、過去に意味のあった物だろうから子孫に伝えるという理由で、遺跡のように残る看板等を教材にするなどして子供の頃に大人から英語を教えられるため、一部の者は成人後も英語を理解でき、英語しか話せない主人公と意思疎通ができる。

最も大きな相違点は結末である。原作では主人公はモーロックから無事タイムマシンを取り戻して自分の時代に帰り、その後でタイムマシンと共に行方不明となる(直接の描写はされず詳細は不明)。映画では「未来を変える」と自らタイムマシンを破壊し、モーロックを異次元へ葬り去って全滅させるという行動に出て、最後は過去を捨て未来世界での新たな人生を選ぶという全く異なるエンディングとなっている。

図書館のフォトニックで構成されたA.I.の存在や、月が(爆弾による)開発の失敗により崩壊し、地球へ墜落し文明を滅ぼすなどもこの映画のオリジナル設定である。また、この映画ではタイムパラドックスは示唆されない。

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タイムマシン あらすじ(ネタバレ)

1890年代のニューヨーク。大学教授のアレクサンダーは親友のデイビッドや家政婦のウォチット、最愛の恋人エマと幸せな日々を送っていたが、エマにプロポーズした直後、強盗に襲われてエマを失ってしまう。

エマを取り戻したいと願ったアレクサンダーは自室に篭り、4年の歳月を費やしてタイムマシンを完成させると、過去を変えることでエマを救おうとする。しかし、何度時間を遡って行動を変化させても彼女はなんらかの事故に巻き込まれて死亡し、どうしても死を回避することができない。

時間を遡っても過去を変えることはできないと悟ったアレクサンダーは、未来に“答え”を求めてタイムマシンに乗り込む。移りゆく外の景色を眺める中で「THE FUTURE IS NOW(未来は今)」という広告が気になってマシンを停止させると、時は2030年、月面を爆破することで土地を開拓し、人類は月への移住を始めていた。アレクサンダーはニューヨーク公共図書館を訪ね、透過型ディスプレイを備えた最新のVOXシステムに“答え”を求めるが、タイムトラベルは不可能であると回答されてしまう。

さらに未来へと進むことを決めたアレクサンダーだが、衝撃に驚いてすぐにタイムマシンを停止させる。2037年、月面爆破の失敗で軌道がずれた月は崩壊寸前、地上も大惨事に見舞われていた。慌ててタイムマシンに乗り込み時間移動を始めるアレクサンダーだが、衝撃を受けたマシンが大きく揺れたことで頭を打ち、時間移動の速度を最大にした状態で気絶してしまう。

朦朧とするアレクサンダーがタイムマシンを止めると、時間の表示は80万2701年。次に目覚めた場所は、知らない言葉を話すが温厚で人間そのものの種族『エロイ』が暮らす村だった。村で先生をしている女性マーラはアレクサンダーの言葉を“石の言葉”と表現し、子供の頃に学ぶが忘れていくものだと言う。マーラの付き添いでタイムマシンの無事を確認していると、村から何者かに襲撃されているらしい悲鳴が聞こえてくる。異形の襲撃者たち『モーロック』は矢で泥の印を付けた者を次々と攫っていく。アレクサンダーはマーラの弟ケイレンを守り抜くが、マーラは攫われてしまった。

攫われた人々の救出を提案するアレクサンダーに対し、村の人々は「これが自然の掟だ」と諦めた様子しか見せない。アレクサンダーはケイレンを説得し、お化けがいるという場所へ案内してもらう。そこには2030年で出会ったVOXシステム(ボックス)が無事に残っており、『モーロック』から逃げてきた『エロイ』の男が「東から来た」と言っていたことが明らかになる。『モーロック』の住処を見つけたアレクサンダーは、ケイレンに目印の火を焚くことを頼んで村へと帰るように指示する。

地下にある『モーロック』の住処に忍び込んだアレクサンダーだが、探索する内に行き着いた『エロイ』を解体する場所で見つかってしまい、ウーバー・モーロックのもとへと連れてこられる。ウーバーは『モーロック』が地下で生き延びた人類の末裔であり、地上で生き延びた『エロイ』を食料とする弱肉強食の関係にあること、各地で自分と同じように特殊能力を持つ個体が2つの種族を支配していることを話す。さらに、「エマが死ななければ、アレクサンダーがタイムマシンを完成させることはない。エマを救えば存在しなくなるタイムマシンで、エマを救えるはずがない」と語る。それは、アレクサンダーが求めた“答え”だった。

ウーバーは運ばせていたタイムマシンをアレクサンダーに差し出し、元の時代に帰ることを要求する。素直にタイムマシンに乗り込むアレクサンダーだが、不意打ちでウーバーを引き寄せると、彼も乗せた状態でタイムマシンを稼動させる。格闘の末、ウーバーの体の大部分をタイムマシンの外へ出すことに成功したアレクサンダーは、時間移動の速度を最大にすることでウーバーが朽ちていく様を見届ける。やがて辿り着いた6億3542万7810年は、『モーロック』が支配する世界になっていた。

80万2701年に帰還したアレクサンダーは1人で檻に入れられていたマーラを救出すると、未来を変えるためにタイムマシンを暴走させ、住処から脱出し始める。暴走によって溢れたエネルギーは住処中を通ると触れた『モーロック』を一瞬で朽ちさせていき、アレクサンダーとマーラは間一髪のところで事なきを得る。

村に戻ったアレクサンダーはかつて自分の屋敷があった場所を訪れ、マーラとケイレンに間取りを説明した後、「はるか昔の我が家だ」という言葉で屋敷の紹介を終える。

タイムマシン スタッフ

監督:サイモン・ウェルズ,ゴア・ヴァービンスキー(クレジット無し)
脚本:ジョン・ローガン
原作:H.G.ウェルズ『タイム・マシン』,デヴィッド・ダンカン『タイム・マシン 80万年後の世界へ』
製作:ウォルター・F・パークス,デヴィッド・バルデス
製作総指揮:アーノルド・レイボヴィット, ローリー・マクドナルド, ジョーグ・サラレグイ
音楽:クラウス・バデルト
撮影:ドナルド・マカルパイン
編集:ウェイン・ウォーマン
配給:ドリームワークス, ワーナー・ブラザース

タイムマシン キャスト

アレクサンダー・ハーデゲン:ガイ・ピアース
ウーバー・モーロック:ジェレミー・アイアンズ
エマ:シエンナ・ギロリー
マーラ:サマンサ・マンバ
ケイレン:オメーロ・マンバ
デイビッド・フィルビー博士:マーク・アディ
生花店の店員:アラン・ヤング
ボックス:オーランド・ジョーンズ
ウォチット夫人:フィリダ・ロー

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