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マイノリティ・リポート|監視社会と化した近未来で罪の潔白を証明しようとする男を描くSFエンタテインメント

マイノリティ・リポート
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マイノリティ・リポートは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。監視社会と化した近未来で罪の潔白を証明しようとする男を描くSFエンタテインメント。監督は「A.I.」のスティーヴン・スピルバーグ。脚本は「アウト・オブ・サイト」のスコット・フランクほか。原作はカルトSF作家、フィリップ・K・ディックの短篇小説。撮影は「A.I.」のヤヌス・カミンスキー。音楽は「A.I.」「スター・ウォーズ」シリーズのジョン・ウィリアムズ。

マイノリティ・リポート 映画批評・評価・考察


マイノリティ・リポート(原題:Minority Report)

脚本:36点
演技・演出:19点
撮影・美術:20点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計93点

トム・クルーズ主演、スティーブン・スピルバーグ監督の傑作SF映画。2054年、首都ワシントンD.C.では未来を予知する超能力者と最新技術によって、罪を犯す前に犯罪者を逮捕する制度が運用されていた。ところがある日、捜査官のアンダートンは殺人犯として予知されてしまう。アンダートンは必死に逃亡、真実を暴こうとするが…。原作はフィリップ・K・ディックの短編小説。二転三転する展開、マシーンや小道具も魅力的。


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マイノリティ・リポート あらすじ(ネタバレ)

プリコグ(precog:precognitive、予言者)と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人を事前に予知出来るシステムが実用化された近未来。それに従って予防的治安維持機能を遂行する犯罪予防局によって、そのシステムの導入以降は西暦2054年のワシントンD.C.の殺人発生率は0%になったと報告されていた。

犯罪予防局に勤めるジョン・アンダートン刑事は6年前、休暇中に息子のショーンを何者かに誘拐されて喪った事がきっかけで犯罪予防活動にのめり込むようになっていた。その一件で妻のララとも別れて疎遠になった上、病的な程に仕事の邁進に執着する余りその苦痛を紛らわすために違法薬物にも手を出す有様だった。

そんな中、予知システムの全国規模での導入に対する国民投票が行われることとなり、司法省調査官のダニー・ウィットワーが局を訪れ、システムの完全性を調査するための視察が開始。ウィットワーの指揮下でプリコグらのいる「聖域」にもアンダートンを初めとした予防局の部隊メンバーが同行させられながら視察のメスが入っていく。そして視察が一旦終わった直後、プリコグの一人で紅一点のアガサが目を見開いたかと思うと、突如ジョンにしがみついて「あれが見える?」と問いながら、湖のある森で1人の女性が黒づくめの人間に襲われ湖に叩き込まれて溺れ死んでいく予知映像を見せてきた。プリコグは稀にこうした事件の予知を繰り返しながら見る「エコー」と呼ばれる現象を起こすのだが、何かが引っ掛かったジョンは未来犯罪者の収容所に赴き、監視担当者のギデオンに溺死関連の事件データを検索させて調べ始める。その結果、見つかった事件の容疑者は「ニューロイン」という麻薬の中毒者にして網膜捜査を逃れるために手術で眼球を取り替えた身元不明の男で、その男に湖で殺されそうになった被害者は同じくニューロイン中毒だったが後に更生施設に入ってその克服に成功したアン・ライブリーという初老の女性だと判明。だが、予知されていたその事件の記録映像を確認しようとすると何故かアガサの予知映像だけが無く、被害者女性であるアンの現在も調べるとその防がれた事件の後に謎の失踪を遂げていた。ジョンは違反を承知の上でその事件のデータをコピーし、予防局局長のラマー・バージェスにそれを見せて報告するが詳細は分からず、予知システムの今後についての話が優先された。

翌日、ウィットワー調査官の視察が行われる中で新たに殺人事件が予知されるが、そこには見ず知らずの他人であるリオ・クロウなる男を射殺するジョンの姿が映っていた。それに驚愕しながらもジョンはウィットワーの罠にかかったと確信して逃亡を始める。追手のウィットワー達をも何とか振り切ると、予知システムの考案者であるアイリス・ハイネマン博士の元を訪れる。そこで助けを求めるジョンだが、彼女はシステムが偶然の発見から生まれたものであることを明かす。ハイネマンは元々、ニューロインの中毒患者から生まれた遺伝子疾患を持つ子供達の研究を行っており、その子らはほとんどが12歳までに死亡してしまったが、生き延びたものは予知夢の能力を獲得しており、それが発端となってシステムが開発されたのだった。 そして予知システムでは時に3人の予知が食い違うことがあり、それによる少数の意見、即ち”マイノリティ・リポート”にあたる予知はシステムの完全性に綻びを生じさせないために存在を秘匿され、なおかつ破棄されていた。そしてそのリポートはプリコグ達の中でも特に能力の強い紅一点のアガサの脳内にのみ保存されているという。

ジョンはマイノリティ・リポートを入手して真相を突き止めるべく、予防局だけでなく街中に張り巡らされた網膜スキャナーを掻い潜るために闇医者のエディ・ソロモンに依頼し、手術を受けて他人の眼球を自らの目として移植。そうして摘出した自らの眼球も使い、局内に潜り込んでアガサの誘拐に成功する。それからシステムの操作系統を設計したルーファス・T・ライリーの元を訪れ、彼の手を借りアガサの脳内を探るが、無情にもジョンのマイノリティ・リポートは存在しなかった。それでも諦め切れないジョンに対し、アガサは再び湖でのアン・ライブリー溺死事件の予知映像を巻き戻しながら見せるが、アンを襲った黒づくめの犯人の顔が出る前に追っ手の部隊が近付いてきたことで映像は途切れてしまった。

再びアガサと共に逃げ出したジョンは真相究明を諦めることなく、最後の手掛かりであるリオ・クロウの部屋へと向かうが、そこには子供の写真が大量に散らばっており、その中に息子のショーンの写真があるのを発見する。そしてジョンはマイノリティ・リポートが出なかった以上はプリコグの予知が正しかったと自覚し、その場に現れたクロウがショーンを攫った犯人だと悟って彼に飛びかかると、息子のショーンを殺したのか詰問する。それをクロウが認めたことで悲しみと怒りに震えたジョンは、あの予知通りにクロウに銃を突き付けて殺そうとした。しかし、アガサの必死の制止もありジョンは予知された時刻を迎えても何とか怒りを鎮めて、誘拐犯として逮捕するためクロウにミランダ警告を告げて彼の殺害を思い留まることが出来た。ところが、それに対しクロウは「知らない男から電話で頼まれて誘拐犯のふりをしただけで、自分が殺されないと家族に金が渡らない」と訴え、無理やり自身をジョンに撃たせて絶命した。クロウも何者かに利用され、ショーン誘拐の犯人に仕立て上げられていたのだった。

そのままジョンがアガサと共に逃走した後、ウィットワーは現場を捜査するが、現場の状況からこの事件が仕組まれたものであると察し、彼もジョンが何者かに陥れられていると確信する。そしてアガサがジョンに見せたエコーとされるアン・ライブリー溺死事件予知の記録映像も調べた結果、ウィットワーはとある事実を突き止めた。

ウィットワーは直ちにバージェス局長に連絡してジョンの自宅に呼び出すと、アガサによるアン・ライブリー溺死事件予知の記録映像と他の双子のプリコグによるそれを見せてその2つの映像で僅かに違っている箇所があるのを指摘し、これらは同じ事件のものではなくそれぞれが異なる時間帯に起きた2つの事件の予知映像だという事と、そこから自身の推理で導き出した真実を述べる。事件の真犯人はニューロイン中毒者のホームレスを雇って被害者女性のアン・ライブリーを襲わせ、それをプリコグ達が予知する事でそこに駆け付けた予防局の部隊がその犯人となったホームレスを逮捕して去った後、真犯人は自身とアン以外に誰もいなくなったその現場で先のホームレスと同じ姿に変装し、改めて彼女を同様の形で襲い殺害。当然その殺人も予知されるが、そこでの映像は一見すると先の防がれた事件の予知映像と変わらないため、予防局のモニター確認担当の技師はその殺人の予知映像をエコーだと判断して抹消。結果的に真犯人によるアン・ライブリー殺人事件は防がれないどころかその存在も見落とされたまま済んでしまう。そして、そこまでの事が実行できた真犯人は、この予知システムを熟知しそのデータを自由に閲覧出来る犯罪予防局の高官に位置する者であるとも説明した。しかしその直後、バージェス局長はアガサの抜けたプリコグの犯罪予知システムが機能していない事を告げると、突如ジョンが所持していた拳銃でウィットワーを射殺してしまう。全ての黒幕はバージェス局長であった。

その頃、アガサを連れたジョンは妻のララの家に向かい真相に辿り着こうとするも、事前にララから夫のジョンの助けを求める連絡を受けていたバージェス局長の手回しにより、そこに駆けつけた予防局の部隊によってウィットワー殺害の容疑も着せられた上で遂に逮捕されて収容所に投獄される。そしてアガサは再び予防局のシステム内に戻され、改めて犯罪予知システムが全国で導入されることとなった。しかし、バージェス局長が犯人しか知り得ない情報を口にしたのを聞いて彼が黒幕であると気付いたララが、ジョンが手術で摘出していた眼球を使って収容所へと潜入し、彼を脱獄させる。そして予知システムの全国導入を祝うパーティ会場で、ララの協力も得ながらジョンは突き止めた真実をバージェス局長に通信で解き明かしながら、大勢の聴衆の前でアガサが見せたあの溺死事件の全容を流した。消息を絶った被害者女性のアン・ライブリーはアガサの母親で、最初は薬物中毒に溺れていたが何とかそれを断ち切って更生し、予防局に大事な娘のアガサを返すよう迫っていた。しかし、予知システムが機能するのに必要不可欠なアガサを失う訳にはいかないバージェス局長は邪魔者でしかないアンを消すべく、ウィットワーがいち早く突き止めていた通りシステム上の盲点を突いた巧妙なトリックを用いてアンの抹殺を実行。そして目論見通りその殺人は発覚を免れ、殺されたアンもそのまま湖に沈んだことで行方不明者として処理される一方、さらなる隠蔽のためにバージェス局長は予防局のデータベースに記録されたアガサによる自身のアン殺害の予知映像データをも消し去って事無きを得ていた。だが今になって、アガサの脳内に唯一残っていた予知映像からアンの存在を知って事件性を嗅ぎ付けたジョンがその捜査を始めようとしたため、真相が暴かれるのを恐れたバージェス局長はあのリオ・クロウを買収してジョンからショーンを奪った誘拐犯を演じさせ、それに騙されたジョンがクロウを殺害することで収容所に投獄されるよう仕向けていたのだった。

そうして大勢の人間がいるパーティ会場で過去の犯行を映像で暴露された上、直後にプリコグ達に自身がジョンを射殺するという突発的殺人の予知までされたバージェス局長は、その予知に逆らってジョンを殺害しなければ犯罪予知システムは欠陥が発覚して破綻することとなり、逆に今後も予知システムを存続させるには収容所に投獄されるのを覚悟で予知に従いジョンを射殺するしかないというジレンマにも陥り追い詰められた。そのままバージェス局長は予知されていた殺害現場で再会したジョンに持っていた拳銃を向けるも、彼に「自分の未来は自ら望む通りに変えられる。あんたにそのチャンスはまだ残っている」と諭されたことでジョンへの贖罪を決心して彼に許しを乞いながら、その拳銃でジョンではなく自分自身の命を絶つという最期を遂げた。

その後、犯罪予知システムは欠陥が認められたことで廃止となり、収容所に投獄されていた未来犯罪者達にも特赦が与えられ、警察の監視下に置かれる者もいたが全員が釈放された。そしてジョンとララは改めてお互いの気持ちを理解し合った上で復縁して夫婦に戻り、ララがジョンの新しい子供を身篭ったことで2人は人生に希望を見出だすことが出来た。一方でプリコグの3人も晴れて解放され、人里離れた秘密の土地で自らの能力による重荷に苦しめられない平穏な人生を過ごしていくのだった。

マイノリティ・リポート スタッフ

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジョン・コーエン,スコット・フランク
原作:フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』(旧題:『少数報告』)
製作:ボニー・カーティス,ジェラルド・R・モーレン,ヤン・デ・ボン,ウォルター・F・パークス
製作総指揮:ゲイリー・ゴールドマン,ロナルド・シャセット
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
製作会社:ドリームワークス,20世紀フォックス映画,クルーズ/ワグナー・プロダクションズ
配給:20世紀フォックス映画

マイノリティ・リポート キャスト

ジョン・アンダートン:トム・クルーズ
ダニー・ウィットワー:コリン・ファレル
アガサ:サマンサ・モートン
ラマー・バージェス局長:マックス・フォン・シドー
アイリス・ハイネマン博士:ロイス・スミス
エディ・ソロモン医師:ピーター・ストーメア
ギデオン:ティム・ブレイク・ネルソン
ジャッド:スティーヴ・ハリス
ララ・クラーク:キャスリン・モリス
ウォリー:ダニエル・ロンドン
フレッチャー:ニール・マクドノー
ノット:パトリック・キルパトリック
エヴァンナ:ジェシカ・キャプショー
ルーファス・T・ライリー:ジェイソン・アントゥーン
リオ・クロウ:マイク・バインダー
アン・ライブリー:ジェシカ・ハーパー

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