ストーカー｜考察・キャスト・あらすじ（ネタバレ）・映画予告編動画

ストーカー｜あなたの事を、あなたより知っている人がいる── ロビン・ウィリアムズが新境地をひらいた、サイコ・ムービー

2023.10.032024.02.06

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ストーカーは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。幸福な家族に憧れる孤独な中年男が、だんだん狂気に踏み込んでいく様を描くサイコ・スリラー。本作は映画評論家から肯定的な評価を受けたとともに、ウィリアムズの演技についても賞賛されてサターン賞主演男優賞を受賞した。この映画は商業的にも成功し、1,200万ドルの予算に対して5,220万ドルの興行収入をあげた。

ストーカー　映画批評・評価・考察

ストーカー　映画批評・評価・考察

ストーカー [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

ストーカー（原題：One Hour Photo）

脚本：31点
演技・演出：18点
撮影・美術：16点
編集：8点
音響・音楽：7点
合計80点

もし、あなたのことをあなた以上に知っている他人がいたら……? それが、生活の中に溶け込んでいる身近な大型ディスカウントショップの店員だったら……? そんな身近に潜む恐怖を描いたサイコ・サスペンス。ストーカーを演じるのがロビン・ウィリアムズということもあり劇場公開時に大きな話題となりました。

今作品を観た時、なぜかつらい気持ちになりました。ロビン演じるサイは幸せな家族に憧れる孤独な男性で純粋な一面が狂気へと変わる様を描いているわけですが、完全悪ではない人間らしさがあります。サイコ・サスペンスながらファミリー・ドラマをブラックユーモアで描いているとも思える作品でした。描き方は違えども「ケープ・フィアー」を思い出しました。

今作品はAmazonプライムで見ました。

ストーカー　あらすじ（ネタバレ）

大型ディスカウントショップのスピード現像カウンターで働く中年男、サイ・パリッシュ（ロビン・ウィリアムス）。長年、真面目に仕事に携わってきた彼だが、私生活では家族も友人もいない。そんなサイは、常連客である主婦ニーナ・ヨーキン（コニー・ニールセン）の幸福な家庭に憧れている。

いつしか彼は、ヨーキン家のスナップ写真を密かに自宅の壁に貼り、自分が家族の一員になる空想にふけるようになった。しかし実際のヨーキン家は幸福ではなく、ニーナは夫ウィル（ミシェル・ヴァルタン）との諍いが続く日々。ある日サイは無断で客の写真を焼き増ししていたことが上司のビルにばれ、そのことと日ごろから客の前で作業員とケンカしたり商品を勝手にプレゼントとして渡してしまうことなどの行動と併せて解雇されてしまう。さらにサイは、ウィルがマヤ（エリン・ダニエルズ）という女性と浮気していたことに気づいた。

職を失い意気消沈したサイは、今日店に来た客のマヤ・バーソンとニーナの夫であるウィルが浮気をしていることを知り愕然とする。家族を裏切ったウィルに代償を支払わせようと、ウィルとマヤを脅して2人が裸で絡んでいる様を撮影。その写真をニーナが取りに来る予定の写真に紛れ込ませ、仕事仲間のヨシ・アラキに別れを告げてからスーパーの前で車に乗って待機する。写真を受け取ったニーナが運転する車を家まで追跡して一家を観察していたサイは、彼女が夫に対して冷静な態度であることに苛立ちを覚える。しかしヴァンダージ刑事（エリック・ラ・サール）が追ってきて、まもなく逮捕されるのだった。逮捕されると、サイは「写真を撮っただけだ」と主張した。

警察の取調室でヴァンダージ刑事は、なぜウィルとマヤを脅迫したのかをサイに尋ねる。サイは、ヴァンダージ刑事は決して姦淫をしたり、子どもたちの「不快で気持ち悪く、品位を傷つける写真」を撮ろうとはしない良き父親だと言える（サイ自身の父親が児童ポルノのために彼を搾取したことを示唆している）と語った。そしてウィルとマヤの情事が彼のトラウマ的な記憶を呼び起こし、サイはその記憶に復讐しなければならなかった。ヴァンダージ刑事は彼の率直な証言に満足し、感謝した。次に、サイはホテルで撮った写真を要求した。刑事はその写真をサイに渡し、サイはそれをテーブルの上に飾る。それらは、ホテルの部屋の物や調度品のショットだけのように見える。部屋に一人になったサイは、笑顔のサイにウィルが腕を抱き、ヨーキン家の幸せな家族写真の一部になっている自分を想像する。