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大いなる勇者|雄大な大自然をバックに、自然と人間の調和、人間と人間の調和を静かに説いた傑作

大いなる勇者
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大いなる勇者は、1972年公開のアメリカ合衆国の映画。1850年代、文明に背を向けて山奥ふかくわけ入り、厳しい自然との対決の中に生きることの意味をつかもうとする若者の姿を描く。製作はジョー・ワイザン、監督はシドニー・ポラック。レイモンド・ソープとロバート・バンカーの原作「クロウ族殺し」をジョン・ミリアスとエドワード・アンハルトが脚色化した。

大いなる勇者 映画批評・評価・考察


大いなる勇者(原題: Jeremiah Johnson)

脚本:34点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計85点

凄惨な復讐譚を、シドニー・ポラックはあえて淡々と、大自然の中の一風景のように、抑制の利いたタッチで描いていますが、ジョンソンとクロウ族の死闘は実際に起きた事件であり、一説には20年をかけて殺害したクロウ族は数十人に上るとも言われ、死体の肝臓を食べていたという伝説から、「ジョン・“レバー・イーティング”(肝臓食い)・ジョンソン」という呼び名が残っています。

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大いなる勇者 あらすじ(ネタバレ)

1850年代のアメリカ。急速に発達する文明に背を向けた青年ジェレミア・ジョンソン(ロバート・レッドフォード)は猟師になろうと決心してロッキー山脈に向かった。やがて厳しい冬を迎えたある日、雪の中で凍死している男を発見した。そのそばに残された遺書には、自分を発見した者にはライフルを譲るとしたためられていた。思わぬ拾い物に元気づけられたジョンソンに、もう1つ幸運が訪れた。ベテランの山男クリス・ラップ(ウィル・ギア)と出会い、彼について、山で生き残るための技術や知識を身につけることができた。クリスと別れたジョンソンは、まずインディアンたちとの間に誠意ある交易関係を確立した。その中にはクロウ族インディアンの赤シャツもいた。

開拓者の小屋のそばで、インディアンによる白人虐殺を見たのはそんな頃であった。すでに息絶えている2人の子供のまわりを気が触れたようにうろつく白人の女(アリン・アン・マクレリー)がいた。ジョンソンはしかたなく、生き残ったが惨劇のショックで口のきけなくなった少年を連れ、引き返した。

少年にはキャレブ(ジョシュ・アルビー)と名をつけた。翌日、インディアンに襲われた男デル・ギュー(ステファン・ギーラッシュ)を助けたことによって、開拓者一家惨殺の犯人を知ったジョンソンは、追跡を開始した。夜になって、目指す敵のキャンプを発見したジョンソンは犯人を殺した。翌朝、出会ったフラットヘッド族は平和を愛するインディアンだったが、ジョンソンが引いている3頭の馬がブラックフィトのものだと知ると、宿敵を倒してくれた2人に敬愛の情を示し、酋長は返札として、気品と美しさにあふれた娘スワン(デル・ボルトン)を贈った。スワンとキャレブとジョンソンの平和な生活が続いた。

冬も深まった頃、ある白人開拓者の馬車が川の中で凍りついてしまったのを探して救い出すため、騎兵隊がジョンソンの助力を求めにやってきた。捜索は困難をきわめた。目的地に着くためにはクロウ族の死体埋葬区域を通らなければならない。ここはクロウ族にとって何よりも神聖な場所で、無神経に踏みこむのは危険だったが、開拓者を助けるためにちゅうちょできなかった。ジョンソンは胸騒ぎを覚え、その足ですぐ家にひき返した。しかし、ひと足遅く、スワンとキャレブはクロウ族に殺されていた。聖地を犯したことが彼らの怒りにふれたのだ。ジョンソンの体内にはどす黒い憤りがわいていた。

彼の復讐が始まった。やがて“クロウ族殺し”の異名をつけられる程に恐れられるようになった。死んだ子供たちのそばに住む気の触れた女に肉をやろうと訪れたが、女はすでに死んで、埋葬した墓のそばには、クロウ族によってジョンソンの墓が用意されてあった。墓を被う生皮には、ジョンソンがインディアンたちと戦う姿が描かれてあったが、それは彼がすでに死んだことを意味するのか、永遠に不死身であることを意味するのかはわからなかった。はっきりしているのは、クロウ族との戦いがこれで終わったことだ。ひとつの山を越えて、いまジェレミア・ジョンソンは彼の前に立ちはだかるけわしい山に登り始めていた。

大いなる勇者 スタッフ

監督:シドニー・ポラック
脚本:ジョン・ミリアス,エドワード・アンハルト
原作:『Crow Killer』(レイモンド・W・ソープ,ロバート・バンカー)『Mountain Man 』(ヴァーディス・フィッシャー
製作:ジョー・ワイザン
音楽:ティム・マッキンタイア,ジョン・ルービンスタイン
主題歌:ティム・マッキンタイア
撮影:デューク・キャラハン
編集:トマス・スタンフォード
配給:ワーナー・ブラザース

大いなる勇者 キャスト

ジェレマイア・ジョンソン:ロバート・レッドフォード
ベア・クロウ:ウィル・ギア
族長の娘スワン:デル・ボルトン
ケイレブ(子役):ジョシュ・アルビー
クロウ族の赤シャツ:ホアキン・マルティネス
正気を失った女:アリン・アン・マクレリー
デル・ギユー:ステファン・ギーラシュ
フラットヘッド族長ツー・タング:リチャード・アンガロラ
牧師:ポール・ベネディクト
店の主人:チャールズ・タイナー
マルベイ中尉:ジャック・コルヴィン
クエイラン:マット・クラーク

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