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ブレードランナー|脱走した人造人間=レプリカントを追う特捜刑事=ブレードランナーの活躍を描いた近未来SFの金字塔といえる名作

ブレードランナー
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ブレードランナーは、1982年公開のアメリカ合衆国の映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としている。脱走した人造人間=レプリカントを追う特捜刑事=ブレードランナーの活躍を描いた近未来SFの名作。1982年の初公開以降、「ブレードランナー完全版」「ブレードランナーディレクターズカット/最終版」といった別編集版が作られたが、公開25周年を記念し、リドリー・スコット監督が自ら再編集と追加撮影を行なった、ブレードランナー ファイナル・カット版が製作された。

ブレードランナー 映画批評・評価・考察


ブレードランナー(原題:Blade Runner)

脚本:35点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計88点

ネオ・ノワールを基調とした暗く退廃的な近未来のビジュアルは、公開当初こそ人気を得なかったものの、後発のSF作品に大きな影響を与え、所謂「サイバーパンク」の代表作の一つと見なされています。シド・ミードの美術デザイン、ダグラス・トランブルのVFX、メビウスの衣装デザイン、ヴァンゲリスのシンセサイザーを効果的に使用した音楽も独自の世界観の確立に貢献しました。

リドリー・スコットが「彼女は完璧だった」と評したレイチェル役のショーン・ヤング、そしてプリス役のダリル・ハンナも本作をきっかけに注目されるようになりました。

作中の風景に日本語が多く描かれている理由は、スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様子をヒントにしたとされています。このことが日本人観客の興味をひくことになり、これらのシーンへのオマージュ・議論が生まれることになりました。また、スコットは都市の外観は香港をモデルにしていることを述べています。

2014年、イギリスの情報誌『タイム・アウト』ロンドン版にてアルフォンソ・キュアロン、ジョン・カーペンター、ギレルモ・デル・トロ、エドガー・ライトら映画監督、作家のスティーヴン・キング、ほか科学者や評論家150名が選定した「SF映画ベスト100」にて、第2位にランクインしました。

デッカード=レプリカント説

「デッカード=レプリカント説」を断定出来るような描写はどの版の劇中にも存在しませんが、匂わせ演出を「~完全版」「~ディレクターズカット/最終版」を追加しつづけ、ファイナル・カット版で止めを刺した感じのデッカードはレプリカント説。スコット監督以外は大反対。でもスコット監督はデッカードはレプリカントに後から拘ったことから、この追加を繰り返した編集映画の歴史となりました。デッカードを演じたハリソン・フォードは、人間として演じているので、レプリカント説に大反対でした。この映画の事を長年語りたがらなかったフォードですが、この映画に出演したことで俳優としての認知・地位が向上し役柄を自由に選び演じられるようになったことから、積極的ではありませんがインタビューにも応じるようになりました。また続編の出演も快諾しました。

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ブレードランナー あらすじ(ネタバレ)

21世紀初頭、遺伝子工学技術の進歩により、タイレル社はロボットに代わるレプリカントと呼ばれる人造人間を発明した。彼らは優れた体力に、創造した科学者と同等の高い知性を持っていた。

環境破壊により人類の大半は宇宙の植民地(オフワールド)に移住し、レプリカントは宇宙開拓の前線で過酷な奴隷労働や戦闘に従事していた。しかし、彼らには製造から数年経つと感情が芽生え、主人たる人間に反旗を翻す事件が発生する。そのため、最新の「ネクサス6型」には、安全装置として4年の寿命年限が与えられたが、脱走し人間社会に紛れ込もうとするレプリカントが後を絶たず、地球へ脱走した彼らは違法な存在と宣告された。そんな脱走レプリカント達を判別し見つけ出した上で「解任(抹殺)」する任務を負うのが、警察の専任捜査官「ブレードランナー」であった。

2019年11月のロサンゼルス。地球に残った人々は酸性雨の降りしきる、高層ビル群が立ち並んだ人口過密の大都市での生活を強いられていた。ネクサス6型レプリカントの一団がオフワールドで反乱を起こし、人間を殺害して逃走、シャトルを奪い密かに地球に帰還した。タイレル社に入り込んで身分を書き換え、潜伏したレプリカントの男女4名(ロイ・バッティ、リオン、ゾーラ、プリス)を見つけ出すため、ロサンゼルス市警のブレードランナーであるホールデンが捜査にあたっていたが、リオンの反撃にあい負傷する。上司であるブライアントはガフを使いに出し、既にブレードランナーを退職していたリック・デッカードを呼び戻す。彼は情報を得るためレプリカントの開発者であるタイレル博士と面会し、彼の秘書であるレイチェルもまたレプリカントであることを見抜く。レイチェルはデッカードの自宅アパートに押しかけ問いただした結果、人間だと思っていた自分の記憶が作られたものだと知り、自己認識が揺さぶられ涙を流して飛び出してしまう。そんな彼女にデッカードは惹かれていく。

デッカードは、リオンが潜んでいたアパートの証拠物から足跡をたどり、歓楽街のバーで踊り子に扮していたゾーラを発見、追跡の末に射殺する。現場にブライアントとガフが訪れ、レイチェルがタイレル博士のもとを脱走したことを告げ、彼女も「解任」するよう命令される。その直後リオンに襲われて銃を落とすが、駆けつけたレイチェルが銃を拾ってリオンを射殺した事でデッカードは命拾いする。彼はレイチェルを自宅へ招き、彼女が自分のことも「解任」するのか問うと「自分はやらないが、他の誰かがやる」と告げる。そして未経験の感情に脅えるレイチェルにキスし、熱く抱擁する。一方反逆レプリカントのリーダーであるバッティは眼球技師のチュウを脅して掴んだ情報をもとに、プリスを通じてタイレル社の技師J・F・セバスチャンに近づき、さらに彼を仲介役にして、本社ビル最上階に住むタイレル博士と対面する。バッティは地球潜入の目的である、自分たちの残り少ない寿命を伸ばすよう依頼するが、博士は技術的に不可能であり、限られた命を全うしろと告げる。絶望したバッティは博士の眼を潰して殺し、セバスチャンをも殺して姿を消す。

タイレル博士とセバスチャン殺害の報を聞いたデッカードは、セバスチャンの高層アパートへ踏み込み、部屋に潜んでいたプリスを格闘の末に射殺。そこへ戻ってきたバッティと最後の対決に臨む。優れた戦闘能力を持つバッティに追い立てられ、デッカードはアパートの屋上へ逃れ、隣のビルへ飛び移ろうとして転落寸前となる。しかし、寿命の到来を悟ったバッティは突如デッカードを救い上げ、最期の言葉を述べた後、穏やかな笑みを浮かべながら事切れた。現場に現れたガフが不穏な言葉を告げ、デッカードはレイチェルにも同じ運命が待っているのではないかと慌てて自宅へ戻るが、彼女は生きていた。デッカードはレイチェルを連れ出し、逃避行へと旅立った。

ブレードランナー スタッフ

監督:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・ファンチャー,デヴィッド・ピープルズ
原作:フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
製作:マイケル・ディーリー,チャールズ・デ・ロージリカ(ファイナル・カット)
製作総指揮:ブライアン・ケリー,ハンプトン・ファンチャー,ジェリー・ペレンチオ,バッド・ヨーキン,邵逸夫(クレジットなし)
音楽:ヴァンゲリス
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
編集:テリー・ローリングス,マーシャ・ナカシマ
製作会社:ラッド・カンパニー,ショウ・ブラザーズ,ブレードランナー・パートナーシップ
配給:ワーナー・ブラザース

ブレードランナー キャスト

リック・デッカード(Rick Deckard)ハリソン・フォード
本作の主人公。「殺し屋」としての仕事に疲れ果て、ブレードランナーを退職していたが、捜査のため強制的に復職させられる。

ロイ・バッティ(Roy Batty)ルトガー・ハウアー
反逆レプリカントのリーダー。戦闘用レプリカント。製造番号:N6MMA10816。

レイチェル(Rachael)ショーン・ヤング
本作のヒロイン。タイレル博士の秘書で、彼の姪としての記憶を移植されているレプリカント。

ガフ(Gaff)エドワード・ジェームズ・オルモス
ロサンゼルス市警の刑事。「シティスピーク(Cityspeak)」という、日本語やハンガリー語などが混じり合ったクレオール言語を喋る。また折り紙を折る手癖がある。

ハリイ・ブライアント(Harry Bryant)M・エメット・ウォルシュ
ロサンゼルス市警警部。ブレードランナーの統括者で、デッカードを脅すようなかたちで復職させる。レプリカントを「人間もどき(skin-job)」と呼び侮蔑する。

プリス・ストラットン(Pris Stratton)ダリル・ハンナ
慰安用レプリカント。バッティのパートナーで、彼の計画によりセバスチャンに接触する。製造番号:N6FAB21416。

J・F・セバスチャン(J. F. Sebastian)ウィリアム・サンダーソン
タイレル社の遺伝子工学技師。早老症に侵されており、実年齢より老いた外見をしている。自宅アパートで自身が造り出した「ペット」と共に暮らしている。

リオン・コワルスキー(Leon Kowalski)ブライオン・ジェームズ
労働用レプリカント。元は放射性廃棄物の運搬作業に従事しており、怪力の持ち主。製造番号:N6MAC41717。

エルドン・タイレル博士(Dr. Eldon Tyrell)ジョー・ターケル
タイレル社社長。レプリカントを生んだ科学者でチェスの名手。

ゾーラ・サロメ(Zhora Salome)ジョアンナ・キャシディ
女性レプリカント。暗殺用に再プログラミングされている。ルイスのバーにダンサーとして潜伏していた。製造番号:N6FAB61216。

ハンニバル・チュウ(Hannibal Chew)ジェームズ・ホン
遺伝子工学者。タイレル社に雇われ、レプリカントの眼球を製作している。

デイヴ・ホールデン(Dave Holden)モーガン・ポール
ブレードランナー。リオンを取り調べ中に銃撃される。

タフィー・ルイス(Taffey Lewis)ハイ・パイク
ゾーラが潜伏していたバーの経営者。デッカードの尋問を受け流した。

カンボジア女性(Canbodian Lady)キミコ・ヒロシゲ
ロサンゼルスの路上で商売をしている女。鱗の証拠物を調べ、合成ヘビであることをデッカードに伝えた。

スシマスター(Sushi Master)ロバート・オカザキ
ダウンタウンの屋台“ホワイトドラゴン(白龍)”で働く日系人。 ハウイー・リー(Howie Lee)とも書かれているが、これは1997年発売のビデオゲームで付けられた名前。

アブドゥル・ベン・ハッサン(Abdul Ben Hassan)ベン・アスター(劇場公開版ではクレジットなし)
合成動物を販売している商人。ゾーラに合成ヘビを販売した。

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