テリファー聖夜の悪夢｜考察・キャスト・あらすじ（ネタバレ）・映画ポスター

テリファー聖夜の悪夢は、2024年公開のアメリカ合衆国の映画。前作『テリファー終わらない惨劇』（2022）は、全世界で嘔吐、失神者が続出したことで話題となり、全世界1570万ドル（日本円にして約24億円※1ドル160円換算)の興行収入を記録。日本では、1作目は劇場未公開ながら、2作目の劇場公開時にはその過激さとアート・ザ・クラウンのどこかキュートな佇まいが話題となり、スマッシュヒットとなった。そして、今回シリーズ第3弾となる『テリファー聖夜の悪夢』の舞台はクリスマス。全米では公開するや否や『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』を抜き、たった4日間で2152万ドル（約32億円）を叩き出し、興行収入ランキング1位を記録した。

テリファー聖夜の悪夢　映画批評・評価・考察

テリファー聖夜の悪夢　映画批評・評価・考察

テリファー聖夜の悪夢【Blu-ray】 [ ローレン・ラヴェラ ]

楽天ブックス

￥ 4,224（2025/11/14 18:21時点）

Amazon

楽天

Yahoo!ショッピング

テリファー聖夜の悪夢（原題：TERRIFIER 3）

脚本：30点
演技・演出：16点
撮影・美術：16点
編集：7点
音響・音楽：7点
合計76点

『テリファー聖夜の悪夢』の見どころは、シリーズの代名詞ともいえる、史上最も残虐なピエロ「アート・ザ・クラウン」のさらに過激になった惨殺描写と、クリスマスの設定がもたらす新たな恐怖演出です。アート・ザ・クラウンは、その独特な外見と行動で強烈な印象を残すキャラクターとして確立されており、言葉を発さず、不気味な笑みを浮かべながらターゲットを追い詰める姿は、観客に強い恐怖を与え、その予測不能な行動が物語の大きな推進力となっています。

ストーリーよりも、アート・ザ・クラウンの登場とそれによって引き起こされる恐怖そのものが作品の中心となっており、複雑な背景描写よりも、不気味な雰囲気と緊張感を積み重ねることで、ホラー体験を追求しています。

「ゴア描写に興味がなくても楽しめる」ダミアン・レオーネ監督は、スプラッター要素だけでなく、ホリデーシーズンならではのサスペンスやアート・ザ・クラウンの特異なキャラクター性も楽しめることを示唆しています。ですが、一般的な視点では強烈なゴア描写が観客を襲い続ける作品です。それが全米が吐いた、全世界が吐いたというようなキャッチコピーを生み出しています。

今作品はAmazonプライムで見ました。

テリファー聖夜の悪夢　あらすじ（ネタバレ）

シエナ・ショーに斬首された後、アート・ザ・クラウンの首を切断された体は、テリファイアーの幽霊屋敷の中で蘇生し、現場に駆けつけた警察官を絞殺して首を切断した後、精神病院へと向かう。精神病院では、リトル・ペイル・ガールに取り憑かれた生存者のビクトリア・ヘイズがアートの頭部を出産したところだった。アートはビクトリアと共に看護師と警備員を殺害した直後に頭部を体に再び取り付け、廃屋に入り冬眠状態に入った。

5年後、シエナは精神科センターから釈放され、叔母のジェス、叔父のグレッグ、そしてシエナを崇拝しているが、彼女が経験した出来事については何も知らない従妹のギャビーと一緒に暮らすことになる。シエナは生存者罪悪感に苦しみ、亡くなった親友ブルックの幻覚を見ている。ブルックの死には責任を感じており、大学に通っている弟のジョナサンとの関係を修復しようと苦闘している。アートとビクトリアは2人の解体作業員に起こされ、2人は作業員を殺害する。その後、アートは2人の男を射殺し、バーでサンタクロースのなりすましを液体窒素を使って殺し、そのサンタの衣装を奪う。午前3時、アートは罪のない家族の家に侵入し、斧で残忍に皆殺しにする。翌朝、アートはショッピングモールのサンタに扮し、プレゼントに偽装した爆発物を使って数人を殺害するが、その多くは子供だった。シエナは爆発前にアートが変装してショッピングモールにいるのを見たと思うが、信じてもらえないのではないかと恐れて家族には話さない。

シエナは大学にジョナサンを訪ね、そこでルームメイトのコールと、犯罪ドキュメンタリーのポッドキャストを司会する彼の恋人ミアに出会う。ミアはマイルズ郡虐殺事件についてのインタビューに協力するようシエナとジョナサンに圧力をかけるが、シエナは激怒する。シエナはジョナサンに、アートがまだ生きていると思っていると告白し、精神病院に入院していた時にジョナサンが書いた手紙を見せる。手紙には、悪魔はビクトリアのような宿主に憑依し、アートのような邪悪で堕落した殺人者の助けを借りてこの世にやって来ることがあると書かれていた。彼女はジョナサンに、テリファイアー・カーニバルに戻って父親の剣を取り戻すつもりだと告げる。アートが大学に到着し、ミアとコールをチェーンソーで殺害する。シエナはニュースでショッピングモールの殺人事件を知りパニックになり、ジョナサンに大学から家に戻るよう命じ、家族には安全ではないと警告する。グレッグはシエナが眠りに落ちる間にジョナサンを迎えに行く。シエナは夢の中で、父親と、彼が描いた戦士の衣装から天使たちが鎧を作り上げているのを見る。目を覚ますと、階下のジェスとグレッグが、悪化するシエナの容態についてどうすべきか話し合っているのが聞こえた。ダイニングルームに入ると、そこにはアートとヴィクトリアが、首を切断され内臓を抜かれたグレッグの遺体を壁に押し付け、装飾しているところだった。シエナは逃げようとするが、アートに木槌で叩かれ、無力化される。

シエナは意識を取り戻すと、自分とジェスが椅子に縛られ、口をテープで塞がれていることに気づく。ビクトリアはネズミに食べられている皮のない頭を見せ、ジェスにそれはギャビーの頭だと告げる。アートとビクトリアはジェスの喉に管を打ち込み、ネズミを無理やり流し込んで喉を切り裂き、殺す。アートはギャビーを人質にして部屋に入り、ビクトリアはシエナに、その頭は実はジョナサンの頭だと告げる。ビクトリアはシエナの頭にイバラの冠をかぶせ、シエナに取り憑こうとするが、シエナは抵抗する。シエナとギャビーが死刑を宣告される前に、ギャビーはシエナにプレゼントを開けるよう懇願するが、ビクトリアは知らないが、プレゼントの中にはシエナの剣が入っていた。シエナは逃げ出し、剣を使ってアートの喉を切り裂き、ビクトリアの首をはねる。アートとシエナが激しく争う中、ビクトリアの体は崩壊し、悪魔の血の海と化した。血は床を焼き尽くし、地獄への扉を開き、ギャビーの命を危険にさらす。シエナの奮闘もむなしく、ギャビーは剣と共に奈落の底へと落ちていく。アートは窓から脱出する機会を捉え、市バスに乗り込む。一方、シエナは癒えつつある傷ついた手を見つめながら、ギャビーを探し出し、救出することを誓う。