ジャッカルの日は、1973年公開のイギリス・フランス・アメリカ合衆国合作映画。ドゴールフランス大統領暗殺を請け負った1匹狼の殺し屋ジャッカルと、これを阻止せよとフランス警察の全権を委任された警視ルベルの戦いを描いたフレデリック・フォーサイスのベストセラー小説「ジャッカルの日」の映画化。
ジャッカルの日 映画批評・評価・考察
ジャッカルの日(原題:The Day of the Jackal)
脚本:39点
演技・演出:19点
撮影・美術:18点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計90点
正体不明の凄腕の殺し屋ジャッカル、一見普通の人(紳士)、どちらかというと良い人に見え、その分冷酷さが際立って見えます。最近では多くの作品でこの設定を取り入れたりしていますが、エドワード・フォックスのような演技ができる俳優はいないように思えます。脚本は素晴らしいのですが、編集が今一つでテンポが悪い感じがしました。丁寧かというとそういう感じではなく、この時代の映画のリズムのようにも思えます。
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ジャッカルの日 あらすじ(ネタバレ)
1962年8月26日ペティ・クラマール郊外で、エリゼ宮殿からパリ近くの空港へ向かうドゴール大統領を乗せた車が、待ち伏せていた軽機銃で武装した1隊の襲撃をうけた。奇跡的に大統領は無事だった。すでに大統領暗殺は6回も計画されており、首謀者ジャン・マリエ・タリー中佐が銃殺刑に処せられた。全てが、アルジェリアからのフランス撤退政策をとったドゴールに反対する秘密組織OASの仕業だったが、63年に入ると政府側のしめつけが激しくなりOASは動きが取れなくなった。国外に逃れたOASの指導者ロダン大佐(エリック・ポーター)は残された最後の手段として、外国人で、しかも当局には顔も名前も知られていない殺し屋を雇う事にした。
3カ月後、その条件にぴったりの男を見つけだした。その男の暗号名はジャッカル(エドワード・フォックス)。契約金は50万ドルだった。その金を用意するためにOASはフランス各地で銀行強盗を決行した。しかし、その突然のテロ行為はフランス当局を警戒させるもととなった。やがてロダン大佐の護衛の1人ウォレンスキー(ジャン・マルタン)がフランス側につかまり、拷問にかけられた。彼はしゃべらずに死んだがその断片的な言葉からフランス警察が動きだした。
その頃、ジャッカルの準備も着々と進んでいた。身分証明書を偽造し、精巧な狙撃銃を作らせフランス国内に潜入した。ウォレンスキーの断片的な自白は、大統領を守る立場にある大臣(アラン・バデル)を緊張させた。政府首脳陣が召集された会議の結果、警察のルベル警視(ミシェル・ロンスダール)と補佐のキャロン(デレク・ジャコビ)に全権が委任され、捜査が開始された。彼らの必死の活動が続き、ジャッカルに今1歩と迫ったが、殺し屋の動物的なカンのために逮捕には至らなかった。ジャッカルがドゴールの横顔に銃の照準を会わせる前に2人の犠牲者が出た。ジャッカルとホテルで知り合い1晩ベッドを共にしたコレット夫人(デリフィーヌ・セイリグ)と、ジャッカルに肉体的魅力を感じて近づいたホモのベルナール(アントン・ロジャース)だ。その間にもルベルとキャロンの捜査網は次第にせばまったがどうしても彼を捕らえることはできなかった。
1963年8月25日、解放記念日。厳重な警備を巧みにすり抜けたジャッカルは、ドゴールが立つはずの広場を見下ろすアパートの最上回の1室で、狙撃銃を組立てていた。一方、この日まで、ジャッカルを捕らえる事のできなかったルベルは、周囲を警備する隊員から、1人の年老いた傷痍軍人がアパートに入った事を聞きだした。やがてドゴールが到着し、式典は予定通り始まった。窓からドゴールの横顔を狙うジャッカル。発砲。だが、ドゴールの頭が1瞬動き、弾は外れた。2発目を込めようとした時、警備員を伴ったルベルが部屋に飛び込んできた。ジャッカルがふり返り軽機銃を持った警備員を射殺した。ジャッカルが次の弾丸を込める間、軽機銃を奪ったルベルが、ジャッカルめがけて引き金を引いた。ジャッカルは壁にたたきつけられ息絶えた。外の広場では何事もなかったかのように式典が続けられていた。
ジャッカルの日 スタッフ
監督:フレッド・ジンネマン
脚本:ケネス・ロス
原作:フレデリック・フォーサイス
製作:ジョン・ウォルフ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
撮影:ジャン・トゥルニエ
編集:ラルフ・ケンプレン
製作会社:ユニバーサル・ピクチャーズ
配給:ユニバーサル,CIC
ジャッカルの日 キャスト
ジャッカル:エドワード・フォックス
クロード・ルベル警視:マイケル・ロンズデール
モンペリエ男爵夫人:デルフィーヌ・セイリグ
内務大臣:アラン・バデル
コルベール将軍:モーリス・デナム
ローラン大佐:ミシェル・オークレール
デニース:オルガ・ジョルジュ=ピコ
キャロン:デレク・ジャコビ
トーマス警視:トニー・ブリットン
サンクレール:バリー・インガム
ベルティエ刑事局長:ティモシー・ウェスト
マリンソン:ドナルド・シンデン
連絡員ヴァルミ:フランソワ・ヴァロルブ
ガンスミス:シリル・キューザック
偽造屋:ロナルド・ピックアップ
ロダン大佐:エリック・ポーター
カッソン:デニス・キャリー
ルネ・モンクレール:デヴィッド・スウィフト
連絡係:ニコラス・ヴォーゲル
尋問官:ヴァーノン・ドブチェフ
バスティアン=ティリー中佐:ジャン・ソレル
シャルル・ドゴール:アドリアン・カイラ=ルグラン