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スターマン/愛・宇宙はるかに|地球の招きに応じて飛来した宇宙人と地球人女性との間にめばえた愛を描く。

スターマン/愛・宇宙はるかに
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スターマン/愛・宇宙はるかには、1984年製作のアメリカ合衆国のSF映画。地球の招きに応じて飛来した宇宙人と地球人女性との間にめばえた愛を描くSF。製作はカーペンターとのコンビ作が多いラリー・J・フランコ。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・ダグラス。主演のジェフ・ブリッジスは、この作品で1985年度サターン賞主演男優賞を受賞し、同年の第57回アカデミー賞主演男優賞およびゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞にノミネートされた。

スターマン/愛・宇宙はるかに 映画批評・評価・考察


スターマン/愛・宇宙はるかに (原題:Starman)

脚本:35点
演技・演出:17点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:6点
合計80点

ジェフ・ブリジッズの独創性溢れる宇宙人像の表現は一見地味ながらも、地球人の事を良く知らない宇宙人が人間に擬態しただけの状態ならこうなるのかもしれないという説得力があるのと、少しずつ学んでいくことで表情やしぐさが人間に近づいていく過程も表現できている。ヒロインのカレン・アレンが人間的な魅力や脆さを表現できていることからよりブリッジズの演技が際立って良い。

人によっては、ジョン・カーペンター監督作品の最高傑作であり、もっとも、ジョン・カーペンター監督作品らしくないといわれる映画というだけの事はあり、“ 金のために撮った ”と演出のみに専念しており、脚本や音楽はいつもの偽名の彼ではなく、本業の方に任せている。ストーリーや登場人物は、他のカーペンター映画に見られる個性派は見られず、ご都合主義的に登場する良い人・悪い人に完全に分かれている。

モデル造形とフィジカル・エフェクトを含んだ特殊メイクで制作されたスターマンの変身シーンはリック・ベイカー、スタン・ウィンストンとディック・スミスという巨匠たちの合作となった。
視覚効果はインダストリアル・ライト&マジックが担当し、後に視覚効果監督になるスコット・ファラー(『バックドラフト』)やマイケル・J・マカリスター(『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』)がキャメラマンとして参加している。終盤バリンジャー・クレーター上空に現れるスターマンの宇宙船は表面が周囲の風景を反射する鏡面になっており、撮影にブルーバック合成が使えず、半球形に加工した発泡スチロールにプロジェクターで風景を投射し、反射した風景を表現している。
1982年にILMが担当した『E.T.』でも鏡面状の宇宙船が登場しているが、この手法は環境マッピングなど3DCG技法のアナログ版と考える事が出来る。実際本作より数ヶ月先に公開された『スター・ファイター』でCGIを用いて鏡面状の宇宙船が制作され、ILMも『ターミネーター2』で鏡面状のキャラクターが様々な形状に変化する様子をCGIで描写している。

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スターマン/愛・宇宙はるかに あらすじ(ネタバレ)

若くして最愛の夫スコットと死別したジェニーは心寂しい毎日を送っていた。ある日遥かな宇宙でボイジャーのゴールデンレコードに収録された「地球に歓迎する」という言葉を受け取り来訪した異星人の宇宙船が米軍の攻撃により地球に落下。異星人は追手から免れながらジェニーの家を発見すると、アルバムにあったスコットの遺品から遺伝子情報を持っていた不思議な球体を使い解析し、スコットそっくりの姿となる。ジェニーはスコットに生き写しの男の来訪を受け、言葉も地球のことを何も知らない彼・スターマンから恐れ逃げようとするが、彼の超能力により逃げることができない。「誘拐された」というメッセージを残しながら、彼の目的地であるアリゾナ州へ行動を共にすることとなる。
道中、英語を学びながら地球人のことを知っていくスターマン。次第にジェニーは彼の心の暖かさを知り、心惹かれていく。彼から三日後に目的地で宇宙船が迎えに来ること、またそれを逃すと死んでしまうことを聞き、これが決定打となり彼女は彼を目的地へ連れて行く決心をする。米軍のシャーマンに「誘拐は誤解」と釈明の電話を入れる。
だが、スターマンの地球来訪を知った軍は彼を捕獲するべく行動を開始していた。地球の環境に身体を蝕まれながらも、宇宙船との会合地点に急ごうとするスターマンと行動を共にするジェニーは、彼女の愛したスコットそのもののように地球人らしくなっていくスターマンとの別れをいつしか恐れるようになった。優しい人々にも助けられながら追手を振り切りながら目的地へと急ぐ。雨に降られびしょ濡れになった二人は成り行きから体を交える。ジェニーは病気で子どもができない体質であったが、スターマンの能力によってスコットとの子どもを宿す。
目的地近くのバーに付き、チェリーパイを食べ、そこへ追手が到着。若い科学者のシャーマンは彼らが愛し合っていることを知り、また非人道的な米軍の宇宙人への接し方に愛想がつき、彼らを逃がす。そして、旅の果てでついに母船との邂逅を果たしたスターマンに別れと共に、彼の贈り物である彼女の体内で育つ命のことを告白される。彼は最後に残った不思議な球体を一つジェニーに手渡し、「これが何かは生まれてくる子供が知っている」といって去っていった。

スターマン/愛・宇宙はるかに スタッフ

監督:ジョン・カーペンター
製作:ラリー・J・フランコ
製作総指揮:マイケル・ダグラス
脚本:ブルース・A・エヴァンス,レイノルド・ギデオン
撮影:ドナルド・M・モーガン
特殊メイクアップ:ディック・スミス
SFX:ブルース・ニコルソン,リック・ベイカー
音楽:ジャック・ニッチェ

スターマン/愛・宇宙はるかに キャスト

スコット・ヘイドン(スターマン):ジェフ・ブリッジス
ジェニー・ヘイドン:カレン・アレン
マーク・シャーマン:チャールズ・マーティン・スミス
ジョージ・フォックス:リチャード・ジャッケル
ベル陸軍少佐:ロバート・ファレン
レモン軍曹:トニー・エドワーズ
ブラッド・ハインミューラー:ジョン・ウォルター・デイビス
ゴールドマン:テッド・ホワイト

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