X-ミッションは、2015年公開のアメリカ合衆国・中華人民共和国合作映画。1991年公開の『ハートブルー』のリメイク/ リ・イマジネーション作品。サーフィンやスノーボード、モトクロスなどを用いたエクストリームスポーツが多数登場し、トップアスリートたちの生身のスタントによって迫力のアクションシーンを創出している。「ワイルド・スピード」の撮影監督だったエリクソン・コアがメガホンをとり、謎の犯罪集団に潜入した若きFBI捜査官ユタが挑むスリルたっぷりの極限ミッションと、ド迫力のアクションを通して仲間たちの絆も描かれる。
X-ミッション 映画批評・評価・考察
X-ミッション(原題:Point Break)
脚本:13点
演技・演出:18点
撮影・美術:20点(満点)
編集:8点
音響・音楽:8点
合計67点
映像だけなら傑作ですが、脚本が悪すぎる!
大迫力かつ臨場感のあるアクションシーンはこれまで見たことがない素晴らしいものです。ストーリーはおまけみたいなものだとしても、完全に足を引っ張る内容です。
『ハートブルー』は純粋な欲とスリルが犯罪動機になっていましたが、今作はテロリスト思考なので全く理解できるものじゃありません。また環境テロリストというのもシーシェパード等を連想してしまうので不快感がある脚本です。これらを深い動機と捉えるのは無理があると思います。初見時に映画を見た感想はこんな感じだったのですが、監督はちょっと違うニュアンスのようです。劇中の会話に頻繁にでてくるオノ・オザキという人物を知る必要があるようです。
オノ・オザキってどんな人物なのか?
犯罪集団が挑む“極限の8つのミッション”は、自然に敬意を払うという理念に基づいたもので、劇中では“オザキ8”と紹介されています。この“オザキ8”を提唱した環境活動家のカリスマ的存在として描かれているのが、オノ・オザキです。このオノ・オザキという人物について、コア監督は、「架空のキャラクターなんだけど、間違いなく日本の精神にインスパイアされているよ。武士道の道徳観や哲学がこの映画やオザキのキャラクターに反映されているんだ。侍の精神だよ!」と、武士道にインスピレーションを受けていることを明かし、「仏教のセンスがスピリチュアル面でも実践面でも活かされていると思う。そういう意味でオザキという日本人のキャラクターを使うというのはすばらしいことだと思ったんだ。そういった鍛練、哲学はとても美しいと思うし、自然界に結びついており、均衡がとれていると感じるので、それを分かち合いたいと思ったんだ。それがオザキとした理由だよ」と、オノ・オザキの誕生秘話を明かしています。
オザキの思想も捕鯨船には勝てなかったと、彼の精神の解釈を間違ってオノ・オザキを超えるため犯罪行為に進んでしまったのが彼らだったってことね。
オザキの思想は深いんだろうけど、話し合いでは解決できないから力づくでっていう浅い行動をとるボーディ達ってどうなのよ。あんなにオザキ!オザキ!って何度も話すのに。
CGなしで、ここまでのアクションシーンは本当に凄い。とんでもない。高所恐怖症の僕は、震えがくるくらいの感じ方をしました。脚本はどうも納得できないところがありますが、お薦めできる映画だと思います。
あと、タイトルをX-ミッションにしたのは、失敗だと思います。そこはpoint breakをハートブルーという邦題に変えて大ヒットさせた前作を真似るべきでした。意味分からないタイトルにするんじゃない。
今作品はU-NEXT で見ました。
X-ミッション あらすじ(ネタバレ)
元エクストリーム・スポーツのアスリートという経歴を持つ新米FBI捜査官のジョニー・ユタは、謎の犯罪者集団の調査を命令される。犯人達は常人には真似できない危険かつ大胆な方法で犯行を行い、盗んだダイヤや現金はそのまま貧民街にバラ撒くという、目的も一切不明の集団であった。ユタはFBIに認知されていない彼らの犯行がもう1件あることを見抜き、さらに彼らが「オザキ8」と呼ばれる8つのエクストリーム・スポーツに擬えて犯行を行っていることに気づく。
次に彼らが現れるポイントを予測しフランスを訪れたユタは、4つ目の大波の試練に挑戦するも失敗し、死にかけたところを同じく大波に挑戦していたボーディに助けられる。アスリート達からカリスマ的人気を誇る彼は、かつてのアスリート時代のユタを知っており、ユタは彼が事件に絡んでいると知りつつも潜入捜査という形で行動を共にし交友を深めていく。
時に仲間の死を迎えながらも、オザキ8を攻略していくユタとボーディ達であったが、次に金鉱を爆破すると知らされ、ユタはFBI捜査官の正体を明かして止めようとする。しかし、ボーディは止まらず、計画通りに土砂で金鉱を埋め、ユタの追撃を振り切って逃走する。ボーディ一味が犯人と特定されたことからFBIも本腰を入れて捜査にあたり、彼らの資金源を断つが、ボーディは銀行強盗を行い仲間の犠牲を出しながらも成功させる。
7つ目の試練をFBIの捜査が入れないギアナ高地のエンゼルフォールで行うと予想したユタは単身でボーディの後を追う。2人は共にエンゼルフォールを上り、ユタは改めてボーディの説得を試みるが、ボーディは拒否しユタを道連れに滝壺へダイブする。辛くも生きのびたユタは、見つからないボーディもまた生きていると確信する。
1年5ヵ月後、ハワイ沖。大波がうねる嵐の海上で、ユタは失敗した4つ目の試練のためにボーディが現れると読み現地にやってきていた。予想通りやってきたボーディに再度の説得を試みるユタであったが、ボーディの意思は固く、ユタは説得を諦める。そしてユタは、大波に挑戦し飲まれ消えていくボーディを眺めていた。
X-ミッション スタッフ
監督:エリクソン・コア
脚本:カート・ウィマー
製作:アンドリュー・A・コソーヴ,ブロデリック・ジョンソン,ジョン・バルデッチ,デヴィッド・ヴァルデス,クリストファー・テイラー,カート・ウィマー
製作総指揮:ジョン・マクマリック,シャオ・ウェンゲ,ウー・ビン,ダン・ミンツ,ロバート・L・レヴィ,ピーター・エイブラムス
音楽:ジャンキーXL
撮影:エリクソン・コア
編集:トム・ノーブル,ジェラルド・B・グリーンバーグ,ジョン・ダッフィ
製作会社:アルコン・エンタテイメント,スタジオ・バーベルスベルク,DMGエンターテインメント
配給:ワーナー・ブラザース
X-ミッション キャスト
ボーディ – エドガー・ラミレス(津田健次郎): 犯罪者集団のリーダー。
ジョニー・ユタ – ルーク・ブレイシー: 新米のFBI捜査官。「ユタ」は友人が付けたニックネームであり、本名は「ブリガム」である。
パパス – レイ・ウィンストン: ユタと組むことになった英国支局のベテランFBI捜査官。
サムサラ – テリーサ・パーマー: ボーディの友人。ユタと惹かれあっていく。
グロメ – マティアス・ヴァレラ: ボーディの仲間。
ローチ – クレーメンス・シック: ボーディの仲間。
チャウダー – トビアス・ザンテルマン: ボーディの仲間。
ジェフ – マックス・シエリオット: ユタの親友。事故により死亡する。
ホール指導官 – デルロイ・リンドー: FBI捜査官。ユタの上司。
パスカル・アル・ファリク – ニコライ・キンスキー: ボーディ達のスポンサー。
FBI幹部 – ジェームズ・レグロス
FBI幹部 – ボジェシー・クリストファー