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ホテル・ムンバイ|“楽園”の日常は、一瞬にして惨状へ―― “銃”に“信念”で立ち向かった、名もなき人々の真実の物語

ホテル・ムンバイ
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ホテル・ムンバイは、2018年公開のオーストラリア・インド・アメリカ合衆国合作映画。2008年インドムンバイでイスラム武装勢力による同時多発テロが発生。歴史あるタージマハル・ホテルが燃え盛る映像は世界を震撼させた。だがホテルに3日間閉じ込められた500人以上の人質は、その多くが生還を果たした。そこにはプロとしての誇りをかけて、宿泊客を救おうとしたホテルマン達の知られざる真実の物語が存在したー。『ボーダーライン』の製作陣が放つ、リアルに迫りくる映像、決して折れない登場人物たちの強き信念に、観る者は、恐れ、怒り、哀しみ、そして最後にはこの上ない希望に包まれる。

ホテル・ムンバイ 映画批評・評価・考察


ホテル・ムンバイ(原題:Hotel Mumbai)

脚本:32点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計81点

テロを題材にした映画の中でも、特別だと言える作品です。ただ、実話を元にした映画ということもあり見ていて悲壮感が蓄積され見終わった後の気分は最悪でした。この作品を描くにあたって入念な取材、特にジャーナリストの長年の取材記事や、働いていた方々の家族などから人物像などを綿密に取材しているのではないか?と思えました。だからこそ、後味が悪くテロがいかに悲惨なもので、またそのテロを生み出す源にある闇が見えてきます。


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ホテル・ムンバイ あらすじ(ネタバレ)

2008年11月26日、インド・ムンバイのタージマハル・ホテルに勤務するウェイターのアルジュンは普段と同じように出勤し、料理長オベロイはスタッフたちに指示を出していた。この日のホテルにはイラン人の富豪令嬢ザーラとアメリカ人の夫デヴィッド、乳児キャメロンと乳母サリー、そして元スペツナズ隊員ワシリーなどのVIPが宿泊することになっていた。その夜、「ブル」と呼ばれる人物が指揮するラシュカレトイバのテロリスト10人がチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅を始めとしたムンバイ市内12か所を襲撃し、彼らの一部はタージマハル・ホテルを占拠した。ムンバイ警察は十分な対テロ訓練を受けておらず、事態の解決はニューデリーの国家保安警備隊の到着を待たなければならなかった。占拠されたホテルではアルジュン、デヴィッド、ザーラ、ワシリーがレストランに取り残され、サリーとキャメロンは事情を知らないまま部屋に残っていた。

デヴィッドはテロリストたちの目を盗んで部屋に戻り、一方のアルジュンはオベロイからの連絡を受け、レストランの客を連れて6階にある高級クラブのチェンバーズ・ラウンジに避難する。デヴィッドはサリーとキャメロンを連れてチェンバーズ・ラウンジに向かおうとするがテロリストに拘束され、サリーとキャメロンはクローゼットの中にいて難を逃れた。同じころ、ムンバイ警察のヴァムはホテルの警備室に向かうため部下と共にホテルに潜入し、アルジュンは重傷を負った観光客ブリーを病院に連れて行くためホテルからの脱出を図る。アルジュンはヴァムと合流するが、直後にブリーがテロリストに射殺される。アルジュンはヴァムと共に警備室に逃げ込み、そこのモニターからテロリストが射殺した警官の身分証明書を使いチェンバーズ・ラウンジに入ろうとしていることを確認する。ヴァムはテロリストの侵入を阻止するためチェンバーズ・ラウンジに向かい、そこでテロリストのイムランを銃撃し、負傷させる。

チェンバーズ・ラウンジではオベロイの方針に反発するザーラやワシリーが同調する宿泊客と共にホテルからの脱出を図るが、途中でテロリストに見つかりザーラとワシリーが拘束され、他の宿泊客は射殺される。2人はデヴィッドや他の拘束された人々の元に連れて行かれ、一室に監禁される。彼らを監視するイムランは家族に電話をかけ、その通話を通してテロリストが軍事訓練の名目でムンバイに連れてこられたこと、家族に支払われるはずの報酬を「ブル」が支払っていないことが明かされる。

夜が明けるころに国家保安警備隊が到着し、突入作戦の準備が進められる。事態を知った「ブル」はテロリストたちにホテルを焼き払うように命令し、イムランには拘束した宿泊客を殺すように命令する。イムランはデヴィッドやワシリーたちを次々射殺するが、最後に残ったザーラがムスリム式の礼拝を始めたことで殺すのを躊躇い、彼女を残して立ち去る。取り残されたザーラは自力で拘束を解き、部屋を脱出する。一方、アルジュンはオベロイと合流し、残った宿泊客を連れてホテルからの脱出を図り、その途中でサリーとキャメロンに出会う。国家保安警備隊がホテルに突入してテロリストを掃討する中、ザーラは救出されてサリーとキャメロンに再会し、オベロイも宿泊客たちと共にホテルを脱出する。突入作戦が終了して安全が確保された後、アルジュンは自宅に戻り妻子と再会する。

後日談として、ムンバイ各所を襲撃したテロリストは全員が逮捕・射殺されたものの、首謀者の「ブル」は国外にいたため逮捕を免れ、現在も捕まっていないことが語られる。ホテルは事件の影響で営業を停止したものの、数か月後には修復を終えて一部が営業を再開する。エンディングでは事件3か月後のグランド・リニューアルオープンで、「ホテル・ムンバイの戦い」を戦った従業員や宿泊客への追悼式が行われた際の記録映像が流される。

ホテル・ムンバイ スタッフ

監督:アンソニー・マラス
脚本:ジョン・コリー,アンソニー・マラス
製作:ベイジル・イヴァニク,ゲイリー・ハミルトン,マイク・ガブラウィ,ジュリー・ライアン,ブライアン・ヘイズ,シヴァーニー・ラーワト
製作総指揮:ケント・クベナ,ジョナサン・ファーマン,ライアン・ハミルトン,イン・イェ,マーク・モントゴメリー,デーヴ・パテール,ジョン・コリー,ジョゼフ・N・コーエン,ゲイリー・エリス
音楽:フォルカー・ベルテルマン
撮影:ニック・レミー・マシューズ
編集:ピーター・マクナルティ,アンソニー・マラス
製作会社:サンダー・ロード・フィルムズ,アーチライト・フィルムズ,エレクトリック・ピクチャーズ,エグゼイド・エンターテインメント・グループ,シヴハンズ・ピクチャーズ,スクリーン・オーストラリア
配給:ブリーカー・ストリート,アイコン・プロダクション,ジー・スタジオ,パーパス・エンターテインメント,ギャガ

ホテル・ムンバイ キャスト

アルジュン:デーヴ・パテール
デヴィッド:アーミー・ハマー
ザーラ・カシャニ:ナザニン・ボニアディ
サリー:ティルダ・コブハム=ハーヴェイ
ヘマント・オベロイ料理長:アヌパム・カー
ワシリー:ジェイソン・アイザックス
アブドラ:スハイル・ネイヤー
ディリップ:ヴィピン・シャルマ
イムラン:アマンディープ・シン
フーサム:マノージュ・メーラ
ラシード:ディネーシュ・クマール
カサブ:カピル・クマール・ネトラ
イスマイル:アムリト・シン
エディ:アンガス・マクラーレン
ブリー:ナターシャ・リュー・ボルディッツォ

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