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二百三高地|日本が大国ロシアに何故戦いを挑み、如何に戦ったのかを壮大なスケールで描く!

二百三高地
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二百三高地は、1980年公開の日本映画。本作品は、“二百三高地”という激戦地で絶望的な戦いを強いられた日本兵士たちの戦争への怒りや、兵士間に芽生えた友情を描破すると同時に、日露戦争という歴史的事実に関わった人々の生き方を通して、米と絹しか産しない総人口四千六百万人の弱小民族であった日本が大国ロシアに何故戦いを挑み、如何に戦ったのかを壮大なスケールで再現する。

二百三高地 映画批評・評価・考察

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二百三高地

脚本:36点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:6点
音響・音楽:10点
合計87点

日露戦争最大の激戦の舞台となった二百三高地の攻防戦を、15億円もの製作費と3年の歳月を費やし、豪華多彩なオールスターキャストの競演で痛切に描いた戦争映画超大作になります。兵士たちの戦争への怒りや友情、戦況を憂う民間人の姿などが壮大なスケールで映し出されます。

さだまさしが歌った「防人の詩」
同映画の音楽監督の山本直純がさだと同郷で交流があった縁で、さだに主題歌の依頼がありました。さだは依頼時に映画の主題を知り、「二百三高地の何を描くんですか。要するに”勝った、万歳”を猫くんですか?」と尋ねました。それに山本は「そうじゃない。戦争の勝った負けた以外の人間の小さな営みを、ちゃんと浮き彫りにしていきたい。そういう映画なんだ」と返答し、さだはオファーを受けました。それでもなかなか歌ができず、最後には自身の主演映画『翔べイカロスの翼』のロケ現場に山本のマネージャーが押しかけ、その場で1番だけ制作、譜面に起こす時間もなかったためカセットテープに吹き込んで手渡しました。翌日、山本から3番まで繰り返すよう指示があり、同じメロディーの繰り返しで追加の歌詞を作りました。山本と監督の舛田利雄が曲を聴いた結果、劇中で挿入歌としてフルコーラスで流すことになり、尺を取るためにわざわざシーンを付け足しました

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二百三高地 あらすじ(ネタバレ)

十九世紀末。ロシアの南下政策は満州からさらに朝鮮にまで及び、朝鮮半島の支配権を目指す誕生間もない明治維新政府の意図と真っ向から衝突した。開戦か外交による妥協か、国内では激論がうずまいていた。軍事力、経済力ともに弱小な日本にとってロシアは敵にするには強大すぎた。しかし、幾度となく開かれる元老閣僚会議で、次第に開戦論がたかまっていくがロシアの強大さを熟知している伊藤博文は戦争回避を主張していた。巷でも、開戦論で民衆を煽動する壮士グループと、戦争反対を叫ぶ平民社とが対立。

ある日、開戦論に興奮した民衆が平民社の若い女、佐知に殴りかかろうとしているところを、通りがかった小賀が救った。その頃、伊藤は参謀本部次長の児玉源太郎と会見、対露戦の勝算を問うていた。児玉は早いうちにロシアに打撃を与え、講和に持ち込むしか勝つ道はないと訴えた。明治三十七年二月四日、御前会議で明治天皇は開戦の決議に裁可を下した。ここに日露戦争の幕が切っておとされた。

日本軍は陸と海で破竹の進撃を開始した。伊藤は前法相の金子堅太郎をよび、アメリカのルーズベルト大統領に講和の調停役を引き受けるように説得を要請する。そうしたなかでも、神田のニコライ堂ではロシア人司祭によるロシア語の講座が細々と続けられ、出席していた小賀は、そこで偶然にも佐知に出会った。思いがけぬ再会に、二人の間に愛が芽生えた。やがて、金沢の小学校教師である小賀も出征することになり、彼を慕って金沢までやって来た佐知と愛を確かめあう。

小賀の小隊には、豆腐屋の九市、ヤクザの牛若、その他梅谷や米川たちがいた。戦況は次第に厳しさを増し、海軍はロシア東洋艦隊に手こずり、陸軍は新たに第三軍を編成、司令官に乃木希典を命じた。旅順の陥落が乃木にかせられた任務だったが、ロシアはここに世界一という大要塞を築いていた。ロシア軍の機関銃の前に、日本軍は屍体の山を築いていく。絶望的な戦いの中で、小賀と部下たちの間に人間的な絆が生まれていった。しかし、戦いで部下を失った小賀の胸には戦争への怒りと、ロシア人への憎しみが燃えあがっていた。

十一月二十七日、司令部は二百三高地攻撃を決定した。その日、小賀は捕虜の通訳を命じられたが、「兵には国家も司令官もない、焦熱地獄に焼かれてゆく苦痛があるだけ」と拒否、その言葉は激しく乃木の胸を打った。十二月六日、乃木に代って指揮をとった児玉のもと、二百三高地攻撃が開始された。戦闘は激烈を極め、乃木は鬼と化していた。そして、三一五〇名の戦死者と、六八五〇名の負傷者という尊い犠牲を払い、二百三高地はおちた。しかし、小賀たちの一隊は、ロシアの少年兵との激闘の末、戦死してしまう。

一ヵ月後、旅順は陥落、これが翌三十八年三月の奉天大会戦の勝利、さらには日本海大海戦の勝利へとつながった。翌三十九年一月十四日、乃木は天皇はじめ皇族、元老が居ならぶ前で軍状報告を行なったが、復命書を読み進むうちに、小賀や多くの兵のことが心をよぎり、落涙を禁じえなかった。

二百三高地 スタッフ

監督:舛田利雄
脚本:笠原和夫
原作:笠原和夫,瀬島龍三,原四郎,千早正隆
ナレーター:内藤武敏
音楽:山本直純
主題歌:さだまさし「防人の詩」
撮影:飯村雅彦
編集:西東清明
製作会社:東映東京撮影所
配給:東映

二百三高地 キャスト

第三軍関係
乃木希典:仲代達矢
小賀武志:あおい輝彦
木下九市:新沼謙治
梅谷喜久松:湯原昌幸
牛若寅太郎:佐藤允
乃木保典:永島敏行
米川乙吉:長谷川明男
伊地知幸介:稲葉義男
相野田是三:新克利
久司大尉:矢吹二朗
白井二郎:船戸順
大迫尚敏:浜田寅彦
大島久直:近藤宏
友安治延:伊沢一郎
松村務本:玉川伊佐男
中村覚:名和広
土屋光春:横森久
竹下少佐:武藤章生
大庭二郎:浜田晃
金平又八:三南道郎
寺島大尉:北村晃一
津野田是重:木村四郎
奈良少佐:中田博久
軍曹:南廣
ガレ場の日本兵:河原崎次郎
志水実:市川好朗
仁杉万吉:磯村健治
豊島陽蔵:相馬剛三

政府関係
伊藤博文:森繁久彌
金子堅太郎:天知茂
大山巌:野口元夫
小村寿太郎:川合伸旺
桂太郎:久遠利三
松方正義:須藤健
寺内正毅:吉原正皓

大本営関係
山縣有朋:神山繁
長岡外史:平田昭彦
上泉徳弥:若林豪
鋳方徳蔵:土山登士幸

民間人関係
卯吉:愛川欽也
松尾佐知:夏目雅子
乃木静子:野際陽子
赤丸巡査:桑山正一
木下モト:赤木春恵
神鞭知常:原田清人
木下トミ:北林早苗
木下喜作:土方弘

ロシア軍関係
祈りを捧げる司祭:オスマン・ユスフ
尋問されるロシア軍人:大月ウルフ

満洲軍関係
児玉源太郎:丹波哲郎
福島安正:石橋雅史
沖禎介:村井国夫
横川省三:早川純一
井口省吾:青木義朗

皇室関係
明治天皇:三船敏郎
皇后=昭憲皇太后:松尾嘉代

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