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オール・ユー・ニード・イズ・キル|戦う、死ぬ、目覚める―。何回死んでも、彼女を守って、世界を救え!

オール・ユー・ニード・イズ・キル
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オール・ユー・ニード・イズ・キルは、2014年公開のアメリカ合衆国の映画。2004年に発行された桜坂洋氏の小説『All You Need Is Kill』をもとに映画化されたハリウッド・アクション超大作。近未来の地球を舞台に、ある兵士が戦闘と死をループしながら、幾度も戦闘するうちに技術を身に付けていくさまを描く。監督は、『ボーン・アイデンティティー』『Mr.&Mrs. スミス』などのダグ・リーマン。

オール・ユー・ニード・イズ・キル 映画批評・評価・考察


オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題: Edge of Tomorrow)

脚本:36点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計92点

トム・クルーズが演じる主人公は当初、臆病で軟弱な人物として登場し、映画が始まって程なくして呆気ない死を迎えるという、演じた俳優のパブリックイメージを覆すような描かれ方がなされていますが、この主人公はループする時間の中で死を繰り返す過程で劇的に成長し、やがて俳優が過去に演じてきたヒーローを想起させるような人物となっていきます。こうした筋書きは、観客をヒーローに感情移入させる仕掛けにもなっています。

日本での公開時には「日本原作、トム・クルーズ主演」というキャッチコピーが銘打たれるなど、世界的なスターでもある主演男優と日本原作の娯楽小説という取り合わせが宣伝されました。しかし、原作の登場人物のキャラクター像などは大幅に変更されています。一方で作品の根幹となるループの設定や、中盤の展開、テーマ性などは原作を踏襲しており、日本原作らしい情緒を残したものとなっています。ただ、このテーマ性について思うところがあります。この原作については、ジャック・ショルダー監督の『タイムアクセル 12:01』(1993年公開)のパクリだとは言いませんが、明らかに影響を受けているように思えます。

タイムアクセル12:01|12:01になると同じ一日を何度も繰り返すタイムループ・サスペンス。監督は、『ヒドゥン』のジャック・ショルダー。
タイムアクセル12:01は、1993年公開のアメリカ合衆国のテレビ映画。原作はアメリカの作家リチャードA.ルポフによる短編小説「12:01 PM」。12:01になると同じ一日を何度も繰り返すタイムループ・サスペンス。監督は、『ヒドゥン』のジャック・ショルダー。映画批評・あらすじ(ネタバレ)・スタッフ・キャスト・映画予告編・無料動画・配信情報。

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オール・ユー・ニード・イズ・キル あらすじ(ネタバレ)

近未来。地球は「ギタイ(Mimics)」と呼ばれる宇宙からの侵略者により、滅亡の危機に晒されていた。人類側の統合防衛軍は敵の強大な戦力に対して劣勢な戦いを強いられていたが、「ヴェルダンの女神」「戦場の牝犬」の異名で知られる英雄リタ・ヴラタスキの活躍によって反撃の糸口を掴み、機動スーツと呼ばれる歩兵用パワードスーツの投入によって、欧州地域における大規模な殲滅作戦を立案する。軍属の報道官であったウィリアム・ケイジ少佐は、殲滅作戦を指揮するブリガム将軍から戦場の現地取材という任務を命じられるが、危険な任務から逃れたい一心でそれを拒否し、報道官としての立場を乱用して将軍を脅迫しようとしたため、将軍の不興を買って地位を剥奪され歩兵として最前線に送られてしまう。

ウィリアムが配属されたJ分隊の兵士たちは彼に非協力的で、ウィリアムは武器の安全装置を解除する手順すらレクチャーされないまま殲滅作戦に参加させられる。統合防衛軍の目論見に反して戦況は圧倒的に劣勢で、J分隊の仲間や、英雄であるはずのリタも次々と戦死していく。武器が使えず逃げ惑うばかりで何の戦果も上げられなかったウィリアムも最期の勇気を振り絞り、自爆用に渡されていた地雷を使い、青白く輝く獣のような姿をしたギタイと相打ちになって死亡する。

ところが次の瞬間、ウィリアムは意識だけが時間を遡り、出撃前日まで戻るという怪現象を体験する。既視感を覚えつつも同じ2日間を過ごし、同じように劣勢な戦場で戦死し、再び前の時間に戻ることが繰り返されるにつれ、ウィリアムは自分が死ぬと同時に、体験した記憶はそのままに、出撃前日に遡るというタイムループに巻き込まれてしまっていることに気付く。

理由は分からないながらもループする戦場で生き残るため、ウィリアムは敵の攻撃パターンを覚えて戦い、リタを死ぬはずの運命から助ける。するとリタから、彼女もまた以前タイムループに巻き込まれた経験があり、今はその能力を失っていることを告白される。リタによれば、時間のループはギタイ側が自らの未来を有利なものに変えるために起こしている現象であるという。ウィリアムは最初の戦いにおいて、未来から過去へと情報を伝送する役割を持った「アルファ・ギタイ」と呼ばれる個体と相打ちになりその青い体液を浴びたため、偶然にギタイからループ能力を奪って身につけたのだという。

ウィリアムはリタとその協力者であるカーター博士から、奪取したループ能力を利用することが人類がギタイに勝利する唯一の希望となること、このことを他の人間に話せば人体実験の対象とされてしまう未来しかないこと、ギタイとの戦争に勝利するためには「オメガ・ギタイ」と呼ばれる個体を探し出して敵のループを止める必要があること、さらに輸血を受けるとタイムループの能力は失われてしまうことなどを告げられる。

ウィリアムはループ開始時に監視を抜け出してリタとカーター博士に事情を説明するところから繰り返し、何度死んでも生き返れる特性を生かして過酷な訓練を受け、敵の出現位置や攻撃パターンを覚えていく。そしてギタイ側がループ能力を奪った人間を探し出す過程で見せるとされる幻覚を逆利用して、オメガの居場所がドイツにあるダムの地下であると特定し、リタと共に戦場を突破してその場所を目指そうとする。そして次第にウィリアムはリタに惹かれていく。

しかしリタは途中のある一点から先へと進むことができず、ウィリアムの制止を振り切って名誉の戦死を選んでしまう運命であることが判明する。ウィリアムは自暴自棄になり、以降のループで戦場から逃亡するようになるが、結局どこへ逃げても人類がギタイに滅ぼされる結末からは逃れられないことを再確認する。ウィリアムは逃げることもリタと共に進むことも諦め、一人でオメガの居場所とされる場所へと辿り着くが、結局ギタイ側が見せていた幻覚はウィリアムを誘い出してループ能力を奪い返すための偽の情報に過ぎず、オメガの居場所はそこではなかった。ウィリアムは罠を振り切って脱出する。

今までの試みが徒労であったことをリタとカーター博士に告げるウィリアム。するとカーター博士は、ギタイ側が見せる幻覚に頼らずにオメガの居場所を逆探知する技術は他にもあり、しかしながらそのための機材は、ウィリアムを戦場送りにした人物でもあるブリガム将軍が取り上げてしまったという。ウィリアムはタイムループ能力を使って将軍の警備を掻い潜り、どのような交渉をすれば将軍を説得でき、将軍の護衛からの追撃を逃れることができるかを幾度となく繰り返し見極め、将軍から奪った機材を用いて、オメガの居場所がパリのルーヴル美術館にあるガラスのピラミッドの地下であることを突き止める。しかし、それと引き替えに逃走中に大怪我を負ったウィリアムは輸血を受けたことにより、タイムループの能力を喪失してしまう。

二度と失敗はできないという状況の中、ウィリアムは繰り返してきたループの経験と、既に英雄として顔が知られているリタの協力により、それまでのループでは非協力的であったJ分隊を味方につけ、航空機と武装を盗用してパリへと乗り込む。ギタイ側の防衛も手厚く、J分隊の隊員たちは次々と戦死しリタも倒れるが、ウィリアムはループの中で繰り返してきた戦闘経験に支えられ、死力を尽くして戦い、オメガと相打ちとなる。しかしウィリアムは死の直前、再び青い体液を浴びたことからループ能力を再獲得し、ブリガム将軍と出会って地位を剥奪される直前の時間まで戻る。

ウィリアムが戻った先の時間では、元の時間同様、冒頭の英雄リタ・ヴラタスキの活躍によって反撃の糸口を掴み戦意が高揚していた。ブリガム将軍から地位を剥奪されず、すべての記憶と経験を持ったまま、少佐としてウィリアムがリタに会いに行くと、彼女は初対面のウィリアムに対して不思議そうな顔をする。しかしウィリアムは、再びリタと再会できた喜びに頬を緩ませるのだった。

オール・ユー・ニード・イズ・キル スタッフ

監督:ダグ・リーマン
脚本:ダンテ・W・ハーパー,ジョビー・ハロルド,クリストファー・マッカリー,ティム・クリング,ジェズ・バターワース
原作:桜坂洋『All You Need Is Kill』
製作:ジェイソン・ホッフス,グレゴリー・ジェイコブズ,トム・ラサリー,ジェフリー・シルヴァー,アーウィン・ストフ
製作総指揮:ジョビー・ハロルド
音楽:ラミン・ジャヴァディ
撮影:ディオン・ビーブ
編集:ジェームズ・ハーバート
製作会社:ワーナー・ブラザース,ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ,スペース・トラベル,K/Oペーパー・プロダクツ
配給:ワーナー・ブラザース

オール・ユー・ニード・イズ・キル キャスト

ウィリアム・ケイジトム・クルーズ
男性。本作の主人公。米軍のメディア担当のアメリカ人で、階級は少佐。戦場で負傷するのが嫌だったために報道官としての道を選び、そこで一定の成功を収めていたが、戦場行きを拒否する過程でブリガム将軍の不興を買い、二等兵に降格の上で歩兵として戦うことを命じられる。最初の戦闘で戦死した際、「アルファ」と呼ばれるギタイを道連れにしたことから、自分が死ぬと前日に戻るというタイムループ能力をギタイ側から偶然に奪い、同じ日を何度も繰り返すようになる。ケイジはもともと実戦経験がなく、物語序盤においては軍人らしくない臆病で利己的な、英雄的ではない人物として描かれるものの、人類存亡の危機を前にして肉体的にも精神的にも成長する必要に迫られる。原作小説の主人公、キリヤ・ケイジに当たる役回りを演じる人物だが、物語開始時の立場や国籍は変更されている。また原作小説のキリヤはキリヤが姓、ケイジが名であったのに対し、映画版のウィリアムはケイジがファミリーネームとなっている。また、原作小説のキリヤはパイルドライバー(杭打ち機)や弾数制限のないバトルアクスといった近接武器を主に用いる設定だが、映画版のウィリアムは弾数に限りのある射撃武器を持ち替えながら戦い、最終的には機動スーツも脱ぎ捨てて戦う。

リタ・ヴラタスキエミリー・ブラント
女性。本作のヒロイン。階級は軍曹。背中にポップアップガンのあるdog装備機動スーツ着用。同種装備でフェイスマスクを着けた兵たちと特殊分隊を組んでいる。過去にギタイとの戦いで大きな戦功を立て、報道メディアから「ヴェルダンの女神」と称され英雄視されている。原作小説と同様、兵士からは戦場の牝犬(せんじょうのビッチ)という渾名でも呼ばれるが、本人の前で後者の渾名を呼ぶと容赦なく殴られる。過去にウィリアム同様、ギタイが引き起こすタイムループに巻き込まれたことがあり、彼にその脱出方法を教えるという役回りは原作小説と同じ。映画版では物語開始時点でタイムループの能力を失っているという設定に変更されており、ウィリアムが何度死んでも復活できることを活かし、死を厭わない過酷な訓練を彼に課し、彼を鍛え上げるという役割も担う。過去のループで救えなかった上官のことが心の傷となっている設定や、コーヒー好きという設定は原作から引き継がれている。ウィリアムと親密になったループでは、ギタイの攻撃で息を引き取る直前に、本名のミドルネームが「ローズ」であることを明かしている。原作小説のリタは赤毛が特徴のツンデレ美少女という設定であったが、映画版ではブロンドのマッチョな女性軍人といった印象の人物に変更されている。原作小説と同様に機動スーツを赤く塗装し近接武器を愛用するという設定だが、原作小説におけるリタの武器が爆撃機の翼から削り出したバトルアクスであったのに対し、映画版の武器はヘリコプターの回転翼を転用した大振りの剣という設定になっている。
原作の設定では本名不詳、ギタイ襲撃により家族と郷を失い「リタ・ヴラタスキ」という人物の書類を偽造して統合防疫軍に入所したという経緯が語られているが、映画版での設定は不詳。

ファレウ曹長ビル・パクストン
男性。二等兵に降格されたウィリアムが配属された先の隊の上官で、J分隊など複数の隊の指導に当たっている。ウィリアムの抗議や、これから起こる事態への警告を無視し続ける。タイムループに巻き込まれたウィリアムは、気絶から目を覚ましてファレウに話しかけられる場面からリスタートする。原作小説にも同名の人物が登場し、隊員にフィジカルトレーニングを課すのが日課という点は共通するが、映画版では原作小説のように主人公を鍛えたり、主人公から尊敬されたりする場面は描かれていない。オメガとの最後の戦いではJ分隊の隊員たちに出し抜かれ、蚊帳の外に置かれる。

ブリガム将軍ブレンダン・グリーソン
男性。ギタイの殲滅作戦を指揮する指揮官。物語冒頭でウィリアムに戦場での取材を命じ、地位を盾にして命令を拒否しようとするウィリアムから身分を剥奪して戦場に送り出した。ギタイが引き起こしているタイムループについては信じておらず、かつてカーター博士からオメガの存在を逆探知する装置を取り上げて保有しており、物語後半で装置を奪還しに来たウィリアムとリタと対峙する。

カーター博士ノア・テイラー
男性。リタの協力者で、かつて彼女が経験したタイムループのことを信じた唯一の人物。リタによってウィリアムと引き合わされ、ギタイが引き起こしているタイムループの仕掛けと、アルファおよびオメガの存在について説明した。物語後半では、ブリガム将軍に奪われたままになっている逆探知装置の存在をウィリアムに知らせた。原作小説に登場したドジな整備兵、シャスタ・レイルの立ち位置にいる登場人物。映画版では名前や性別や設定が変更され、「オタクの科学者」といったキャラ付けがされている。

グリフキック・ガリー
男性。J分隊の隊員。歩兵装備だがヘルメットの代わりにヘッドギアを着用。饒舌でエキセントリックな性格という設定。

クンツドラゴミール・ムルジッチ
男性。J分隊の隊員。歩兵装備。鋭い観察力を持つという設定。無口でほとんど言葉を発しない。

ナンスシャーロット・ライリー
女性。J分隊の隊員。歩兵装備。J分隊の紅一点だが曲がった鼻と不潔な歯のタフな女性で、役者のイメージを大きく変えるメイクがなされている

スキナージョナス・アームストロング
男性。J分隊の隊員。重装備。抜け目のない人物という設定で、ウィリアムとは初対面から反りが合わず、喧嘩を吹っかけようとする

フォードフランツ・ドラメー
男性。J分隊の隊員。歩兵装備。自信家。J分隊のメンバーで最年少だが、傲慢で凶悪な性格という設定。

キンメルトニー・ウェイ
男性。J分隊の隊員。重装備。裸の上から機動スーツを装着している肥満体の男。ウィリアムが手を打たない場合、戦闘が始まって間もなく味方の飛行機の墜落に巻き込まれて死ぬ。

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