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椿三十郎|剛勇無双! 命知らずの三十郎が敢然と悪を斬る秘剣の早技!

椿三十郎
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椿三十郎は、1962年公開の日本映画。主演・三船敏郎、監督・黒澤明監督の傑作娯楽時代劇。三船敏郎と仲代達矢との決闘は映画史上の名場面としてあまりにも有名。ダイナミックな殺陣、ラストの決闘シーンの映像表現は、その後の多くの作品に影響を与えた。

椿三十郎 映画批評・評価・考察

椿三十郎

脚本:40点
演技・演出:20点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計100点(満点)

黒澤明監督は、本作に登場する9人の若侍たちを時代劇ではなく現代の若者そのままで演らせたがり、本読みの段階でも本番さながらにカツラを着けメイクをし、衣装を着させてこれを行わせました。撮影に際しては、抜刀の場面がほとんどないにも拘らず真剣を帯びさせたため、撮影中に刀で自分の手を切った者もいたそうです。また、本読み後はそのままの姿で撮影所内をジョギングさせ、最後に小道具係の作った藁人形に向かって抜刀して走り、これを斬り倒させ、これを連日繰り返させました。この光景を見た他の組の連中からは「9人の馬鹿侍」などとひやかされたそうです。

オープンセットで若侍の4人が敵の捕虜になる場面では、後ろ手に縛られたまま忘れられて長時間放置され、騒いでやっと縄を解いてもらいました。土屋嘉男が「こりゃあ監督のおごりでチャーシュウメンの一杯も食わせてもらわにゃなあ」とぼやくと、しばらくして本当にチャーシュウメン(チャーシューメン)の出前が来ました。空腹を抱えた他の俳優全員、中でも「チャーシュウメンが大好きで、年がら年中昼飯がチャーシュウメン」という三船敏郎が凝視する中、4人は居直ってこれをたいらげました。翌日、黒澤監督は土屋に「昨日三船に怒られちゃったよ、若侍を甘やかしすぎですって」と告げたそうです。また、一方で切られ役の20人以上が、2月の寒中で血糊をかぶったまま横たわっているのを知りながら、夜食にラーメンを食べていた加山雄三や田中邦衛ら若手侍役を、三船は次の撮影の殴打シーンのときに本気で殴ったそうです。彼らだけが暖かい思いをしていたことを叱責する意図でした。

撮影が終わると、黒澤監督はお気に入りの役者だけを集めて夕食をとりましたが、食後はいつも必ず『聖者の行進』と『かっこうワルツ』を合唱させられるので、全員これに飽きてしまいました。ある晩、監督が便所に立った隙に大方が逃げてしまい、土屋と田中邦衛と新人の3人だけが捕まって、部屋で別れの芝居の練習を命じられました。三人は部屋で練習するうち監督の物真似大会となってしまい、これを監督本人に見られて怒らせてしまった。翌日のロケでも黒澤監督は不機嫌なままで、田中は「これでもうこれっきりになっちゃった」と落ち込んでいたそうです


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椿三十郎 あらすじ(ネタバレ)

ある城下町の夜、薄暗い社殿で九人の若侍が密議をこらしていた。城代家老睦田に、次席家老黒藤と国許用人竹林の汚職粛清の意見書をさし出して入れられず、大目付菊井に諭されてこの社殿に集っていたのだ。その真中へよれよれの紋付袴の浪人者が現れて、九人をびっくりさせた。その上、その浪人者は、城代家老が本物で、大目付の菊井が黒幕だといって皆を仰天させた。その言葉の通り、社殿は大目付輩下の手の者によって取りまかれていた。あおくなった一同を制してその浪人者は、九人を床下へかくし一人でこの急場を救った。その時、敵方の用心棒室戸半兵衛はその浪人者の腕に舌をまいた。かしこまる若待をみた浪人者は、急に可哀そうになり力をかすことにした。城代家老は屋敷からはすでにどこかへ連れていかれた後であり、夫人と娘の千鳥が監禁されていた。浪人者はこの二人を救い出し、若侍の一人寺田の家にかくまった、寺田の家は黒幕の一人黒藤の隣だ。黒藤の屋敷は別名を椿屋敷と言われるくらい、椿の花が咲いていた。夫人の言葉にその浪人者は名を椿三十郎と名乗った。皆は、城代家老の居場所を探すに躍起だ。黒藤か菊井か竹林の家のどこかに監禁されているはずだ。三十郎は敵状を探るため、室戸を訪ねていった。室戸は三十郎の腕を買っているので、即座に味方につけようと、菊井、黒藤の汚職のことを話し、自分の相棒になれとすすめた。三十郎を信用しない保川、河原は、三十郎に裏切られたら大変だと、三十郎の動向をうかがうことになった。三十郎を支持する井坂、河原も、あの二人には任せておけないと三十郎の後をつけた。しかし室戸と三十郎に見つけられた四人は当見をくって捕えられた。三十郎は室戸の隙をみて、番人を斬り倒し、自分をしばらせて四人を逃がした。三十郎はこれで室戸から用心棒稼業を馘になってしまった。寺田の家に帰って来た三十郎は若侍をどなりつけた。その時、夫人が椿屋敷から流れてくる川の中から意見書の紙片を拾って来た。この川は寺田の庭の隅を通っているのだ。家老は黒藤の家に監禁されていると決った。三十郎は、黒藤の警固を解かせるため、むほん人の一味が光明寺に集っていると知らせに行くことになった。その留守になった合図に椿の花を川に流すというのだ。計略は図に当った。警固の一隊は光明寺に向った。だが、光明寺の門の上に寝ていたという三十郎の言葉に嘘がばれてしまった。光明寺には門がないのである。三十郎は捕えられた。しかし、臆病な竹林は三十郎の罠にかかって、川に椿の花を流した。若待必死の斬込みで城代家老は救われた。三十郎と半兵衛の一騎打は--。三十郎は若侍九人の見送りをうけて静かに去っていった。

椿三十郎 スタッフ

監督:黒澤明
脚本:黒澤明,菊島隆三,小国英雄
製作:田中友幸,菊島隆三
音楽:佐藤勝
撮影:小泉福造,斎藤孝雄
編集:黒澤明
配給:東宝

椿三十郎 キャスト

椿三十郎:三船敏郎
室戸半兵衛:仲代達矢
井坂伊織:加山雄三
見張りの侍 木村:小林桂樹
次席家老 黒藤:志村喬
国許用人 竹林:藤原釜足
広瀬俊平:土屋嘉男
保川邦衛:田中邦衛
千鳥:団令子
城代家老 睦田弥兵衛:伊藤雄之助
寺田文治:平田昭彦
睦田夫人:入江たか子
大目付 菊井六郎兵衛:清水将夫
守島隼人:久保明
河原晋:太刀川寛
関口信伍:江原達怡
黒藤家三太夫:小川虎之助
足軽:堺左千夫
八田覚蔵:松井鍵三
腰元 こいそ:樋口年子
守島広之進:波里達彦
菊井の配下:佐田豊
菊井の配下:清水元
騎馬の侍:大友伸
見張の侍:広瀬正一
騎馬の侍:大橋史典

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