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哭声/コクソン|のどかな地方の村でなぜ異常極まりない猟奇連続殺人事件が起きたのか。

哭声/コクソン
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哭声/コクソンは、2016年公開の韓国映画。『チェイサー』『哀しき獣』ではスピード感を重視して直接的な暴力描写を用いたナ・ホンジン監督が、一転してシャーマニズムのほかキリスト教に関する要素を取り入れ、徐々に追い詰められる心理を丹念に捉えた作品である。タイトルの『哭声/コクソン』は、実在する韓国の地名「谷城」(ナ・ホンジン監督が幼少期に住んでいた全羅南道谷城郡)と、「泣き叫ぶ」という意味の「哭声」をかけたものである。20世紀フォックスで配給され、韓国国内では観客動員数687万人を超える大ヒットとなった。謎の男を怪演した國村隼は、外国人として初めて青龍映画賞で賞を得た。

哭声/コクソン 映画批評・評価・考察


哭声/コクソン原題:곡성(哭聲)、英題:The Wailing)

脚本:33点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計82点

主人公が、昔お世話になった空手の先生そっくりでびっくり。
韓国映画の良いところは、ルッキズムで選んでおらず、日本映画のような配役間違いが無くて作品に集中できます。俳優の能力や配役の相性によるキャスティングを是非、見習ってほしい。

映画の内容なのですが、サスペンス・ホラー、ミステリー・ホラーといったジャンルになると思うのですが、細かい話をするとネタバレになるので、未視聴の場合は、この先の文章は読まない方が良いかも。

田舎で巻き起こる猟奇的事件(いろんなゾンビ映画の演出を混ぜている)の原因は、何者かによる呪いが原因じゃないかというところにスポットを当てつつ、同時にキノコを食べた副作用による幻覚が原因というTVニュースが流れ続けます。
観客は、感染症のようなものが原因なのか?謎の日本人が原因の?そういう演出と空気感が漂う中物語が進んでいきます。主人公は日本人が怪しいと決めつけ、彼の愛犬を撲殺するなど一方的な行動を行いましたが日本人がその後に特別な行動を起こす描写はありません。

主人公の娘の容態が急変し、祈祷師にお祓いを頼んだことから物語は、複雑になっていきます。

祈祷師&主人公は、謎の日本人が犯人とし、呪殺しようとしたところ、娘が苦しむ姿に耐えかねた主人公が止めてしまいます。一方謎の日本人も何かしらの祈祷を行っている描写があります。

呪殺失敗により、主人公と村民で謎の日本人を殺しに行きます。謎の日本人はぎりぎりのところで難を逃れたかと思いましたが、転落してきたところを主人公達の車に撥ねられます。すでに死んでいるように見えますが、谷底に突き落とされました。この一連の行動を謎の女が見ている描写がありますが、特別何かをする描写はありません。

その後、娘の容態は回復したかに見えましたが、一時的に過ぎず、最終的には、凶暴化し家族全員皆殺しにされてしまいました。

主人公が死ぬ前に起きたことは、祈祷師が謎の日本人は村を救おうとした祈祷師だったと告げ、謎の女が犯人だと告げます。祈祷師は、早く家に行け、逆に謎の女は行くなと告げます。結果、主人公は家に戻り娘に殺されてしまいます。

一方、謎の日本人の元へかけつけた神父のイサムは、謎の日本人の悪魔の姿を見ます。

遊び心が溢れたクライマックスですが、田舎の農村部に潜む差別や思い込み、村八分みたいなものをドラマチックに表現・演出した映画だったと思います。

猟奇事件の原因は結局何か?
キノコ説 → 猟奇事件の度に、報道はキノコの中毒による幻覚が原因と報道されている。
謎の日本人説 → 最終的に悪魔の姿を現す
謎の女説 → 謎の日本人が原因だと囁く、祈祷師に犯人だと言われる。
祈祷師説 → 事件後、謎の日本人の所持品を持っていた。

猟奇事件の原因はキノコが有力ですが、キノコを食べている描写はありません。謎の日本人殺しは、思い込みです。
謎の日本人の姿が悪魔なのは、キノコの幻覚で神父のイサムにはそう見えるのかも?祈祷師は、最初から詐欺師だったのかもしれませんが謎の女の正体は、地神か主人公の守護霊か?という感じですがはっきりしません。

個人的にはキノコの中毒による猟奇事件だと思いますが、謎の日本人への迫害は村社会を表現したのでは?

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哭声/コクソン あらすじ

何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)。その村の中で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。容疑者にいずれも動機はなく、幻覚性の植物を摂取して錯乱したための犯行と発表されたが、謎の発疹を発症するなど説明しきれない不可解な点が多く残っていたことから、いつしか、村人たちの中では山中で暮らす謎の日本人が関わっているのではないかとささやかれはじめる。

捜査にあたる警察官のジョングは、オカルトじみたその意見を当初まともに取り合わなかったが、実際にその目で数々の異常事態を目撃したことにより、徐々に疑念を抱き、一度は断念した男の家への訪問を決める。そして通訳の神父らとともに男の家を訪れたジョングは、得体の知れない祭壇や事件の現場を写した写真などとともに、娘ヒョジンの靴を見つけ、疑いを決定的にする。

ジョングが男と関わってから高熱を発していたヒョジンはすぐに回復したものの、苦手な食べ物を食らい、ジョングに対しても普段は親思いの彼女からは想像できない罵詈雑言を吐くなど奇行を繰り返し、その体には一連の容疑者と同じ発疹が現れていた。そして、家族が目を離した隙に、怖れていた事件を起こしてしまう。

事態を収拾するため家族が呼んだ祈祷師のイルグァンは、男をこの世のものではない悪霊だと断じ、抹殺のための儀式を行う。しかし、その最中に儀式の中止を訴え、苦しむヒョジンを見かねたジョングはイルグァンを追い出してしまう。一方、同じ時間に男も山中で儀式を行っていた。

その後ヒョジンの容態はさらに悪化し、発疹も全身に広がっていく。娘を案じる一心で仲間とともに山中の家に押しかけたジョングは、ついに男を追い詰めるが…

哭声/コクソン スタッフ

監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
音楽:チャン・ヨンギュ,タルパラン
撮影:ホン・ギョンピョ
編集:キム・ソンミン
配給:20世紀フォックス,クロックワークス

哭声/コクソン キャスト

ジョング:クァク・ドウォン
警察官。妻と娘らとともにつつましい生活を送る、ごく普通の男だったが、村で発生した凄惨な殺人事件を発端に、人知を超えた存在と向かい合うことになる。

イルグァン:ファン・ジョンミン
祈祷師。強い霊能力を有する。

山の中の男:國村隼
谷城にやってきた日本人。番犬とともに、山中で孤独な生活を送る。村にやってきた目的や、どんな人物かは「言っても信じない」として一切自分の口から語ろうとせず、さらに彼の来訪から事件が頻発したことによって不審がられている。

ムミョン:チョン・ウヒ
事件の目撃者。不思議な雰囲気を醸し出しており、名前以外は全て謎に包まれている。

ヒョジン:キム・ファニ
ジョングの娘。ぶっきらぼうだが心根は親思い。ジョングが謎の男と関わりを持ってから、体に異変が起こり始める。

ソンボク:ソン・カングク
ジョングの同僚。

イサム:キム・ドユン
ソンボクの甥で助祭。日本で暮らしていたこともあり日本語の通訳が出来る。

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