1976年公開の日本映画。『殺人拳シリーズ』の最終作(第4作)である。『殺人拳』と銘打っているものの、前3作と内容・登場人物が異なり、千葉真一が空手道に剣術をプラスした格闘を披露し、装いを新たにした物語。10億円の麻薬を巡り、対立する暴力団同士の抗争に遭遇した流離の主人公に千葉が扮し、行方が知れない麻薬の探索と立ちはだかる敵を叩きのめしていく。子連れの剣術使いで暴力団の用心棒に夏八木勲が扮し、主人公と剣術使いは互いを達人と認め合い、主人公と子供が温かな交流する様が描かれた。千葉真一の格闘では闘う相手のジャパンアクションクラブ (JAC ) 演者と実際に殴打技・蹴り技を打撃し合い、それをノーマルスピードからハイスピードへ切り替わりながら、ワンカットで撮影した初作品である。
子連れ殺人拳 映画批評・備忘録
子連れ殺人拳
脚本:15点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計61点
殺人拳と名がつくものの、これまでの3作とのつながりはありません。子連れ狼、座頭市、用心棒等の名作を組み合わせた作品でパクリというには出来がいいような悪いような作品です。好きな人は好きだろうし、これまでのシリーズを期待している人にはあれ?内容です。
夏八木勲や室田日出男のギラギラ感が良く、やっぱり殺陣が上手い役者さんはシーンに迫力があっていいですね。
子連れ殺人拳 あらすじ
流浪の空手家・坂田周平は立ち寄った港町で、修という子供とその父親で仕込み刀の剣術使い・水木錬作と知り合う。周平と水木はお互いの殺気から只者ではないと一瞬身構えたが、すぐに無意味と気づき、戦わなかった。修は水木におにぎりを渡し、親子は食べ始めた。腹が減っていた周平はうらやましいと思いながらも、黙って倉庫の片隅に腰を下ろし、休んでいた。すると水木を西村組に行かせないように、7,8人の東田組組員が現れ、水木に襲いかかった。水木は容赦なく組員たちを打ちのめし、斬って捨てていたが、修を人質に捕らえられてしまう。それを見た周平が助けに入り、こちらも破壊力のある殴打技・蹴り技で残りの組員たちを叩きのめし、修を無事取り返す。助けた礼として、修平はおにぎりを1個もらっていた。水木は修に「人を頼るんじゃねえぞ」と言い、修を連れてこの場を離れた。当て所もない旅をしていた周平はこの町をうろうろしていたが、街中でヤクザ同士の抗争に巻き込まれたケガ人を町医者・立花に運んだことから、東田組と西村組の抗争で町民が泣かされていることを知る。金の匂いを嗅ぎ取った坂田は、10億円の麻薬を巡るヤクザ抗争に自ら飛び込むが、そこには水木と宿命の対決が待ち構えていた。
子連れ殺人拳 スタッフ
監督 : 山口和彦
企画 : 高村賢治
脚本家 : 鴨井達比古・中島信昭
撮影 : 中島芳男
録音 : 長井修堂
照明 : 梅谷茂
美術 : 北川弘
音楽 : 小杉太一郎
編集 : 田中修
助監督 : 深町秀煕
記録 : 宮本衣子
スチール : 遠藤務
進行主任 : 松本可則
殺陣 : 久世竜
剣カラテ指導 : 金田治
装置 : 根上徳一
装飾 : 田島俊英
美粧 : 入江荘二
美容 : 石川靖江
衣裳 : 河合啓一
演技事務 : 石川通生
現像 : 東映化学
子連れ殺人拳 キャスト
千葉真一 : 坂田周平
川崎あかね : 志水銀子
渡辺やよい : 志水由美
小山明子 : 岡部京子
室田日出男 : 西村隆三
天津敏 : 平尾鬼一郎
郷鍈治 : 東田鉄次
上野山功一 : 白井
三縄智 : 水木修
原田力 : 海坊主
河合絃司 : 立花仙造
佐藤晟也: 神崎
小林稔侍 : 東田五郎
大前均 : 獄門岳
滝波錦司 : 石森
北九州男 : 鬼一郎の手下
伊達弘 : 柴田
斎藤一之 : 死神一郎
セポ・シュ・レイエ : 西村の用心棒
高月忠 : 曽根
亀山達也 : 中西
清水照夫 : 東田組員
森大河
沢田浩二 : 東田組員
宮地謙吾
畑中猛重 : 市川
山田光一 : 護送の係官
森祐介 : バーテン
舟久保信之 : サトル
高橋利道
大久保純
春田三三夫 : 死神二郎
小川レナ : ストリッパー
溜健二
吉沢高明
多田禎亜
ジャパンアクションクラブ(栗原敏・井上誠吾らはノンクレジット)
団巌 : 鮫 ※カメオ出演
志穂美悦子: 漁師 ※カメオ出演
夏八木勲 : 水木錬作
梅宮辰夫 : 護送される男
子連れ殺人拳 予告編・無料動画
