チャールズ・ロバート・レッドフォード・ジュニア(Charles Robert Redford Jr., 1936年8月18日 – 2025年9月16日)は、アメリカ合衆国の俳優、映画監督、映画プロデューサー。サンダンス・インスティテュート主宰。
カリフォルニア州サンタモニカ出身。1970年代に、ハリウッド屈指の美男俳優として数多くの映画に出演。1980年、自身が監督した映画『普通の人々』でアカデミー監督賞を受賞、作品もアカデミー作品賞を受賞し、ハリウッドで初めて「演技と製作の双方で地位を確立した映画人」といわれた。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡サンタ・モニカ出身。父親の仕事の都合で同ロサンゼルス郡バン・ナイズ(Van Nuys)に移る。バンナイズ高校に入学。クラスメイトにメジャーリーグ投手のドン・ドライスデールがいた。
高校を卒業後、野球の特待生としてコロラド大学に進学。投手として活躍するも、未成年での飲酒が発覚し特待生の資格を失ったことを機に中退。その後画家の道を志しヨーロッパに渡り放浪生活を送るも挫折しアメリカに戻る。ユタ州に移住してアメリカ演劇アカデミーで舞台美術を学ぶが途中から俳優に転向し1959年にブロードウェイでデビューした。
テレビドラマや舞台で小さな役を経験し1962年には初の映画出演を果たすも大きな役に恵まれず長年に及ぶ下積み生活を余儀なくされた。1969年、アメリカン・ニューシネマの傑作『明日に向って撃て!』に出演。ポール・ニューマンとの共演で話題を呼んだ本作は興業的に大成功を収め、レッドフォード自身も知的で信頼性があり、時に冷淡な雰囲気を醸し出す俳優として一躍スターダムに上り詰めた。
1970年代に入ると、ハリウッド屈指の美男俳優として数多くの作品に出演するようになり、1973年にはニューマンと再びタッグを組んだ映画『スティング』で主役の詐欺師を演じた。本作での軽妙な演技は高い評価を獲得し、第48回アカデミー賞では主演男優賞にノミネートされた上に作品自体は作品賞を受賞。その他にも、男女の哀しき恋愛を描いた映画『追憶』ではバーバラ・ストライサンド演じる理想主義な女性と恋に落ちる男を、ウォーターゲート事件を描いた政治サスペンス映画『大統領の陰謀』ではダスティン・ホフマン演じる若手記者と共に事件の究明を目指す後輩記者を熱演し、高い評価と人気を更に獲得していった。
1980年には監督業にも進出。初監督作品『普通の人々』で、処女作にもかかわらず、アカデミー監督賞を受賞。ハリウッドで初めて「演技と製作の双方で成功を収めた映画人」の地位を確立した。翌1981年、ユタ州のパークシティに若手映画人の育成を目的としてサンダンス・インスティテュートを設立。優秀なインディペンデント映画とその製作者を世に送り出すためにサンダンス映画祭を開催。現在は出演、監督、製作の面から映画に携わっている。
2013年、第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション外で上映された『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』(J・C・チャンダー監督)における演技が批評家と観客の双方から絶賛された。
同年、サンタバーバラ映画祭においてアメリカン・リヴィエラ賞を受賞した。
2016年、大統領自由勲章を受章。
2018年8月6日、俳優を引退すると表明したと報じられた。
2025年9月16日の朝、ユタ州プロボ郊外の自宅で死去。89歳没。
