スポンサーリンク

仁義なき戦い|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画

仁義なき戦い
この記事は約8分で読めます。

1973年公開の日本映画。やくざ同士の抗争を題材にしながら仲間を裏切り、裏切られることでしか生きられない若者たちが描かれている。本作では様式美をまったく無視して、殺伐とした暴力描写を展開させた点、ヤクザを現実的に暴力団としてとらえた点、手記→実話小説→脚本→映画という経緯、実在のヤクザの抗争を実録路線として、リアリティを追求した作品として新しい時代を築いた。本作はヤクザを主人公にしているが、優れた群集活劇でもあり、暗黒社会の一戦後史でもあり、青春映画であり、自己啓発としての側面もある。基本的に娯楽映画/エンターテイメントであるため、登場人物に感情移入させるためにもヤクザを魅力的な存在であるかのように描いており、犯罪者を美化しているとする批判もつきまとうことになる。

仁義なき戦い 映画批評・備忘録



仁義なき戦い

脚本:36点
演技・演出:19点
撮影・美術:15点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計90点

日本映画史に実録ものを生み出した画期的な作品で、深作欣二監督の代表作の一つになりました。この映画の音楽も演出も独特のものであり、創作分野で今日でも影響を与え続けています。複数の登場人物による物語の進行も任侠版ゲームオブスローンズやワンピースみたいなもので、非常によく出来た構図です。ワンピースはモロに影響を受けています。個人的にツボった演出は、広能昌三(菅原文太)が出所後に、坂井鉄也(松方弘樹)に会い来た際、昌三が自分を殺しにきたと勘違いした坂井の怯え方が、大袈裟なようでリアルなようで松方弘樹だったのが印象的でした。ラストシーンのピストル乱射後、「山守さん、弾はまだ残っとるがよう」のセリフは痺れました。演出で主人公の思いを語らせる最高のシーンでした。

amazonプライム・ビデオ



仁義なき戦い あらすじ

敗戦直後の広島県呉市。戦地から帰ってきた若者・広能昌三は、山守組組員達に代わって刀を振り回す暴漢を射殺し、刑務所に収監される。そこで呉の大物ヤクザ土居組の若衆頭の若杉寛と知り合って義兄弟となり、彼の脱獄を手伝ったことから、彼の計らいで保釈される。そして逮捕の原因と、土居組の友好組織ということから、広能は山守組の組員となる。

間もなく呉の長老・大久保の手引きにより、市議選に絡んで山守組と土居組は敵対関係となる。広能との関係から穏便に解決したい若杉に対し、山守組幹部の神原が裏切って土居につき、山守組は組織力に勝る土居組に追い詰められていく。ついに山守組は、組長の土居清暗殺を計画し、名乗りを挙げた広能に山守義雄は出所したら全財産を渡してやると感謝する。かくして広能は土居に重傷を与え、再び刑務所に収監される(土居は間もなく死去する)。一方、若杉は義侠心から裏切り者の神原を殺害して高飛びしようとするが、何者かによって警察に密告され、射殺される。

組長と若頭が亡くなったため壊滅した土居組と対称的に山守組は朝鮮特需で財をなし、呉を代表する大組織となる。しかし、組織が大きくなったがゆえに、ヒロポンなどによる稼ぎを巡って若衆頭の坂井鉄也一派と幹部の新開宇市一派の内紛劇が起き始める。坂井は山守に親として解決を迫るものの、山守はのらりくらりとかわす上に、新開派の不満の原因の1つでもあった子から奪ったヤクの横流しまでしていた。ついに業を煮やした坂井は山守から組の実権を奪い、内部抗争の果てに新開も暗殺するのだった。

講和条約の恩赦で広能が仮釈放されることとなり、ただちに山守は彼に接近して坂井の暗殺を頼み込む。山守に不快感を持つものの親子の仁義を通すか迷う広能は、偶然、坂井と出会う。広能は暗殺の話を明かした上で坂井に和解を説くが、逆上した坂井は山守を強制的に引退させ、対立する古株の矢野も殺害する。広能は坂井派の槙原に呼び出されるが、そこには山守がおり、広能は槙原の正体を理解する。山守は坂井を襲わなかった広能を非難し、再び協力を迫るが、広能は山守・坂井双方を非難して、山守との縁を切り、けじめとして坂井を殺すことを宣言する(その際、若杉の密告者が山守・槇原だと示唆される)。

単身で坂井を襲撃した広能だったが、事は成せず逆に捕まってしまう。しかし、坂井は弱気になっている胸中を明かした上で、広能を生かしたまま解放する。そして、その直後に坂井は暗殺されてしまう。

後日、広能は大規模な坂井の葬儀の式場に平服姿で現れる。山守達によって営まれていることを確認すると、坂井の無念さを代弁するかのように、拳銃を供物に向かって発砲する。

仁義なき戦い スタッフ

監督:
企画:
原作:
脚本:
撮影:
音楽:
録音:
照明:
美術:
編集:
助監督:
スチル:
進行:

仁義なき戦い キャスト

山守組(モデル・山村組)
もともとは闇市の土建屋だったが若者たちを集めて博徒「山守組」となる。土居組壊滅後、呉の覇権を握り大組織となるが統制がとれず内部抗争がおきる。

山守義雄(モデル・山村辰雄)(演者・)…山守組組長。吝嗇、臆病、狡猾な策士。朝鮮特需で富を得て県有数の実業家になるが子分からの人望はまるでない。自分の地位を守るため子分同士を争うように仕向ける。
坂井鉄也(モデル・佐々木哲彦)(演者・)…山守組若衆頭。組を公平に運営しようとするが山守の策謀もあって、これに不快を示す幹部仲間を次々と粛清する。子供への土産を買っている最中に射殺される。
広能昌三(モデル・美能幸三)(演者・)…山守組若衆(幹部)。物語の主人公。復員して鬱屈した日々を過ごしていた時にひょんなことから山守組のために殺人を犯し服役する。すぐに出所して組員となるが土居組との抗争やその結果の長期間の服役を経験し、出所後は内部抗争に巻きこまれていく。山守と坂井を和解させようとするが、両方に裏切られる形となる。坂井の葬儀の場でピストルを乱射。
矢野修司(モデル・野間範男)(演者・)…山守組若衆(幹部)。坂井に対抗。坂井の子分たちに殺される。
神原精一(モデル・前原吾一)(演者・)…山守組若衆(幹部)。裏切って土居組につく。若杉に頭を撃たれ殺される。
槙原政吉(モデル・樋上実)(演者・)…山守組若衆(幹部)。坂井の手下のように振舞うが裏では山守と内通している。
山方新一(モデル・山平辰巳)(演者・)…山守組若衆(幹部)。広能の親友。有田たちに殺される。
新開宇市(モデル・新居勝巳)(演者・)…山守組若衆(幹部)。坂井に対抗。坂井の子分たちに駅構内で殺される。
有田俊雄(モデル・今田泰麿)(演者・)…映画では山守組若衆。新開の舎弟。ヒロポン密売グループのリーダーで禁止させようとする坂井と激しく敵対する。
岩見益夫(演者・)…山守組若衆。広能を慕う。
杉谷伸彦(演者・
川西保(演者・
山守利香(モデル・山村邦香)(演者・)…山守義雄の妻。広能に指のつめ方を教える。
新庄秋子(演者・)…山方の女。さらに坂井の女へ。

土居組(モデル・土岡組)
土居清(モデル・土岡博)(演者・)…土居組組長。広能に暗殺される。
若杉寛(モデル・大西政寛)(演者・)…土居組若衆頭で後に山守組につく。広能の兄貴分で広能から慕われていた。広能逮捕後、山守の本性に気付き神原射殺後に逃亡中の隠れ家を警察に踏み込まれ射殺される。密告者は山守か槙原と推測される。
江波亮一(演者・)…土居組若衆。
野方守(演者・)…土居組若衆。
国広鈴江(演者・)…若杉の女。
寺内八郎(演者・
貫田秀男(演者・
水谷文次(演者・
海渡組(モデル・岡組)
松永武(演者・
垣内次郎(演者・
打森昇(演者・
吉永進(演者・
柳田敏治(演者・
川南時夫(演者・

坂井組
大竹勇(演者・
高野真二(演者・
西谷英男(演者・
石堂寅雄(演者・

上田組(モデル・小原組)
屋代光春(演者・
古屋誠(演者・
倉光正義(演者・

有田組
横川信夫(演者・
下中隆次(演者・
安条啓介(演者・
広石金作(演者・

新開組
脇田登(演者・

矢野組
目崎武志(演者・
楠田丈市(演者・

その他
大久保憲一(モデル・海生逸一)(演者・)…呉の長老。山守組結成の媒酌人。
上田透(モデル・小原馨)(演者・)…愚連隊上田組組長から山守組舎弟に。大久保の親戚。縁日の夜に若杉により片腕を切り落とされる。
着流しのやくざ(演者・)…旅の人。山守組のシマで酒に酔って暴れ、刀を振り回しているところを広能に射殺される。
金丸昭一(演者・)…呉市会議員。
中原重人(演者・)…呉市会議員。
前川巡査(演者・
けい子(演者・)…娼婦
中村捜査係長(演者・
珠美(演者・)…キャバレーのホステス
山城佐和(演者・)…不良米兵に襲われた後パンパン。
国弘とめ(演者・)…鈴江の母
加谷刑事 (演者・
小室刑事 (演者・
洋品店主人 (演者・
看守(演者・
三国人(演者・
警官(演者・
初子(演者・
※ ナレーター…

仁義なき戦い 予告編・無料動画



amazonプライム・ビデオ

仁義なき戦いシリーズ

仁義なき戦い|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画
1973年公開の日本映画。やくざ同士の抗争を題材にしながら仲間を裏切り、裏切られることでしか生きられない若者たちが描かれている。本作では様式美をまったく無視して、殺伐とした暴力描写を展開させた点、ヤクザを現実的に暴力団としてとらえた点、手記→実話小説→脚本→映画という経緯、実在のヤクザの抗争を実録路線として、リアリティを追求した作品として新しい時代を築いた。本作はヤクザを主人公にしているが、優れた群集活劇でもあり、暗黒社会の一戦後史でもあり、青春映画であり、自己啓発としての側面もある。基本的に娯楽映画/エンターテイメントであるため、登場人物に感情移入させるためにもヤクザを魅力的な存在である...
仁義なき戦い 広島死闘篇|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画
1973年公開の日本映画。『仁義なき戦いシリーズ』の第二部。日本のヤクザ社会でも他に類を見ない壮絶をきわめた“広島ヤクザ抗争”を描くバイオレンス・アクション・ヤクザ映画。配役はもともと千葉真一が山中正治、北大路欣也が大友勝利でクランクインするはずだったが、北大路が「山中の方が自分のキャラクターに合っているのでは? それにセリフがどぎつすぎる大友はできない」、「大友は粗暴で下品すぎて、どうしても自分では演じられない。山中のほうをやらせてくれないかなどと言い出し、配役の入れ替えを要求した。そのためプロデューサーの日下部五朗と宣伝担当者らは千葉を突然訪ね、「山中と大友を交代してもらえないか」と依...
仁義なき戦い 代理戦争|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画
1973年公開の日本映画。『仁義なき戦いシリーズ』の第三弾。ヤクザ組織の抗争の中で展開する欲望と裏切り、そして凄惨な復讐のさまを描く。集団心理劇を描いた第一部から、情念の物語である第二部を経て、再び本作では集団心理劇が描かれた。その脚本の構成とダイナミックな演出は高い評価を得、1973年のキネマ旬報ベストテン第8位に選ばれた(第一部は2位に選出されている)。脚本を担当した笠原和夫は本作を「日本でも一、二位を争う群像劇になったと思う」と語っている。物語は第一部終了後の1960年(昭和35年)~1963年(昭和38年)を描いているため、厳密に言えば第一部の続編は第二部でなく本作の第三部である。...
仁義なき戦い 頂上作戦|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画
1974年公開の日本映画。『仁義なき戦いシリーズ』の第四弾。昭和38年春から翌年にかけての、敵対する2つの広域暴力団の代理戦争となった広島抗争を実録タッチで描く。本作の時代背景は1963年(昭和38年)~1964年(昭和39年)である。このときの暴力集団間の抗争に加えて、高度経済成長を続ける市民社会・マスメディアの暴力集団に対する非難の目、それに呼応した警察による暴力団壊滅運動などの非暴力団側との対立が一つの軸となっている。またやくざの歴史における第二次広島抗争がどのように終焉したかを記録している。さまざまな立場の人間が絡んでいるが、物語は他の作品と同じく終始暴力団員が中心である。 仁義...
仁義なき戦い 完結篇|映画批評|あらすじ|スタッフ|キャスト|予告編・無料動画
1974年公開の日本映画。『仁義なき戦いシリーズ』の最終作。広島抗争を描いたシリーズの完結篇であるが、実際は第四部『仁義なき戦い 頂上作戦』のラストで第二次広島抗争は終焉を迎えていたため、内容は第三次広島抗争を描いている。第四部まで続けてヒットしてきたため、東映は続編製作を構想するが、脚本を担当した笠原和夫は第四部で終了した事を主張し、執筆を拒否。そのため本作の脚本は東映で笠原とともに数々のヤクザ映画を担当してきた高田宏治が執筆している。1974年(昭和49年)の邦画配給収入ランキングの第8位となり、シリーズ最大のヒットを記録した。 仁義なき戦い 完結篇 映画批評・備忘録 仁義なき戦い...