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スリーピー・ホロウ|伝説の首なし騎士による連続殺人事件に挑む捜査官の姿を描くゴシック・ホラー

スリーピー・ホロウ
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スリーピー・ホロウは、1999年公開のアメリカ合衆国の映画。伝説の首なし騎士による連続殺人事件に挑む捜査官の姿を描くゴシック・ホラー。監督は「マーズ・アタック!」のティム・バートン。原作はワシントン・アーヴィングの古典『スリーピー・ホローの伝説』(新潮文庫『スケッチブック』収録)。幻想的な舞台美術が美しく、同年のアカデミー美術賞を受賞している。また18回もの首切りのシーンがある。

スリーピー・ホロウ 映画批評・評価・考察


スリーピー・ホロウ(原題:Sleepy Hollow)

脚本:31点
演技・演出:16点
撮影・美術:19点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計80点

新作が常に大きな注目を集めるティム・バートン監督が、本作では米国でポピュラーなお化け話の古典を映像化。マニアックな趣味のバートンは、ニューヨーク市長役に往年のドラキュラ役者クリストファー・リーを配し、映像的にも、モノクロ時代の怪奇映画をより重厚に再現したような美術で騎士の登場シーンを描くなど、今回も独自のバートン世界を形作りました。主演は、同監督と「シザーハンズ」「ダーク・シャドウ」などで組み続けている売れっ子俳優の盟友ジョニー・デップ。近代科学を引っ提げて亡霊の謎を解こうとする、主人公の捜査官に扮しました。

ゴシック・ホラーといってもいわゆるホラー映画というより、ファンタジー色の強いミステリー映画で老若男女問わず楽しめる作品になっています。

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スリーピー・ホロウ あらすじ(ネタバレ)

1799年。ニューヨーク北方の寒村スリーピー・ホロウで首なし連続殺人事件が発生。科学捜査に賭ける下級巡査イカボッド(ジョニー・デップ)は事件の捜査のため同地に派遣され、宿を提供した大地主バルタス(マイケル・ガンボン)ら村の長老から、南北戦争時に悪名を馳せた首なし騎士(クリストファー・ウォーケン)が殺人を続けていると聞かされる。にわかには信じがたい話だったが、首なし騎士はイカボッドの前に姿を現して村の重役連を血祭りにあげていく。

一度はおじけづく彼だったが、バルタスの娘カトリーナ(クリスティーナ・リッチ)と殺された父の復讐を誓う少年ヤング・マスバスの協力を得て首なし騎士を探すべく、森へ踏み込み、ついにその棲み家である怪木を発見。イカボッドは誰かが騎士を操り、特定の人間を殺していると推理した。

調べを進めるうちにバルタスが村の長たるヴァン・ギャレット家の遺産を狙っていたことを知るが、その彼もカトリーナの前で殺された。カトリーナは気絶するが、床には魔術の“呪いの眼”が書かれていた。イカボッドは彼女が犯人だと思い、村を立ち去ろうとする。

だが、真犯人はバルタスの後妻ヴァン・タッセル夫人(ミランダ・リチャードソン)だった。かつて村民に村を追われた魔女の娘である彼女は、首なし騎士を利用して復讐の機会をうかがっていたのだ。かくして真相を突き止めたイカボッドはカトリーナを救出し、夫人ともども首なし騎士を地獄へ送り返して事件を解決するのだった。

スリーピー・ホロウ スタッフ

監督:ティム・バートン
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
原案:ケヴィン・イエーガー,アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
原作:ワシントン・アーヴィング
製作:スコット・ルーディン,アダム・シュローダー
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ,ラリー・J・フランコ
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:エマニュエル・ルベツキ
編集:ジョエル・ネグロン,クリス・レベンゾン,スコット・レベレヒト
製作会社:マンダレイ・ピクチャーズ,アメリカン・ゾエトロープ
配給:パラマウント映画,日本ヘラルド映画

スリーピー・ホロウ キャスト

イカボッド・クレーンジョニー・デップ
本作の主人公。ニューヨーク市警に所属する若い男性捜査官。容疑者への拷問による「自白」が重視される時代遅れの裁判に嫌悪を抱き、科学技術を用いて根拠や証拠を見つける捜査を求める。教本を見ながらではあったが解剖もできる。ありえない出来事に驚愕することも多いが、基本的に立ち直りは早く、良くも悪くも感情の起伏が激しい一面があり、現実を超越したオカルトを目の当たりにしても、それでも科学捜査で事実やこの事件のきっかけとなった真犯人を見つけようと愚直に頑張る芯の強さを持つ。母親が処刑されたときに棘のついた処刑道具に両手を置いてしまい、その時にできた傷が今でも残っている。村に訪れた当初は、長老たちが口にする首なし騎士のことを全く信じず、精神異常者の仕業と考えていたが、判事が目の前で首なし騎士に殺されたことで認めざるを得なくなり、首なし騎士の正体を暴くべく捜査を再開する。首なし騎士を操る黒幕の存在や村長の遺産が関係しているとこまでは突き止めるが、黒幕をバルタスと考えたことでカトリーナを怒らせて恨まれてしまい、さらにジュニアの間違った知識の所為で今度はカトリーナが黒幕だと思い込んで深く落ち込む。だが、村を去る間際にある一つの矛盾でヴァン・タッセル夫人の死体が偽者だと見抜き、黒幕のヴァン・タッセル夫人と首なし騎士からカトリーナを守るために最後の戦いに挑む。

カトリーナ・ヴァン・タッセルクリスティーナ・リッチ
村の地主のバルタスの娘。イカボッドが村に訪れた日のパーティーで、魔女のキスゲームをしている時に偶然居合わせたイカボッドに歓迎のキスをしている。当初からイカボッドには好意的で、捜査に協力したり悪夢にうなされる彼を慰めたりしていた。まじないにも精通しており、彼の寝室に密かに「愛する者を守る」魔法陣を描いていた(しかし、ジュニアがその魔法陣を相手を呪うためのものと間違ってイカボッドに教えたため、イカボッドに不信感を抱かれる)。彼にまじないの本をあげるが、その本が終盤に彼の命を救うことになる。勤勉な父親のことを尊敬しており、イカボッドが父親を犯人と疑った時は証拠品を焼き、嫌悪感を露わにしていた。実母を亡くしているが、ヴァン・タッセル夫人に殺害されていたことが本人の口から明かされる。さらにバルタスの遺言により、遺産をすべてカトリーナに譲ることになっていたため最後の標的となり、首なし騎士に狙われる。

バルタス・ヴァン・タッセルマイケル・ガンボン
村の地主。ヴァン・ギャレット家とは親戚関係で、移住した時にヴァン・ギャレット家からわずかな土地と古い家(その家はかつてヴァン・タッセル夫人のアーチャー家が使用していたもの)を与えられ、そこから必死に勤めたことで村一番の名士となる。ハーデンブルック書記の自殺後に開く予定だった教会の会合に向かおうとした時に首なし騎士が現れ(この時、ヴァン・タッセル夫人が殺されたと誤認する)、教会に村人たちとともに逃げ込んで籠城する。牧師が追い出そうとしたためイカボッドの銃を奪って対立し、牧師がランカスター医師を撲殺したことで誤って彼を射殺してしまい、半狂乱に陥って別の銃を奪って陰謀と犯人を暴こうとしたが、首なし騎士が投げたロープで結ばれた木の杭が窓を突き破って身体を貫き、そのまま窓から教会の外に引きずり出されて首を斬られて死亡する。ヴァン・ギャレット家とは親戚関係ゆえに殺された彼らの遺産が自分のものになるため、標的となってしまった。

ヴァン・タッセル夫人ミランダ・リチャードソン
バルタスの現在の妻であり、カトリーナの継母。看護師として雇われ、前妻が死去した後にバルタスと結婚する。イカボッドを親身に接し、時には彼女自らが世話をしていた。その正体はヴァン・ギャレット家に奉公していたアーチャー家の双子の娘の姉。母親は魔術を使えたことが原因で父親が死去した後一家は追い出され、村はずれの西の森に追いやられた。母から魔術を教わり、一年後に母が死んだ後は妹とともにひっそりと暮らしていた。ある日、薪拾いをしている時に軍に追われているドイツ人傭兵(のちの首なし騎士)と遭遇し、わざと薪を折って音を発することで軍に傭兵の居場所を教え、彼を死に追いやった。その後、ヴァン・ギャレット家への復讐と遺産を手に入れることを目論み、埋葬された傭兵の首を掘り起こして手に入れ、魔術で首なし騎士として復活させた、一連の事件の黒幕。本性は冷酷で狡猾、目的のためなら手段を選ばず、遺産を得るために長老たちを脅迫や誘惑で手懐け、首なし騎士を操って遺産に関わる者たちを次々と殺させた。さらに、カトリーナの実母、身代わり目的で下女のサラ、「死人の木」をイカボッドに教えた実の妹までも自らの手で殺害した。殺したサラの死体を使って自分の死を偽装し、バルタス殺害後に自分が死んだと思っていたカトリーナの前に現れ、自分を見て気を失った彼女を風車小屋に連れ去り、目を覚ました彼女に自分の正体を明かし、最後の標的としてイカボッドたちを首なし騎士に襲わせた。先回りして「死人の木」に辿り着いたイカボッドを銃撃するが、カトリーナが彼にあげたまじないの本で防がれてしまい、首なし騎士の頭蓋骨を取り戻そうとするイカボッドともみ合っていたところをジュニアに殴られて気絶する。そして、目を覚ますと首を取り戻した騎士に抱えられており、そのまま「死人の木」の中に連れて行かれて最期を遂げる。

ブロム・ヴァン・ブラントキャスパー・ヴァン・ディーン
カトリーナのボーイフレンドで、村の若者たちのリーダー格。よそ者で彼女と親しくしているイカボッドのことを快く思っておらず、首なし騎士に変装して捜査していたイカボッドにジャック・オー・ランタンを投げつけるイタズラをした。キリアン一家を殺害した首なし騎士と遭遇し、イカボッドとともに立ち向かい必死に戦うも、胴体を両断されて死亡する。唯一、標的ではない犠牲者で、死因も首ではなく胴体を切られたものであったことから、首なし騎士を操っている者がいるとイカボッドが気付く切っ掛けとなる。

イカボッド・クレーンの母親リサ・マリー
イカボッドが小さい頃に魔女の疑いで鉄の処女で処刑された。

首なし騎士クリストファー・ウォーケン
首なし騎士(スタント):レイ・パーク
独立戦争でイギリス側のドイツの王子が送り込んだ誰よりも殺戮を好んだとされるドイツ人傭兵。歯を牙のように鋭く研いだ恐ろしい風貌で、あらゆる戦場に黒い馬(デアデビル)に跨って現れ、剣と斧を振るって敵の首を次々と刎ねて殺していた。20年前に戦犯として軍に追われ、村の近くの森で逃げ込んだ時に双子の少女と遭遇し、静かにするように頼むも片方の少女(のちのヴァン・タッセル夫人)が裏切って軍に居場所を知られてしまい、戦いの末致命傷を負い最期は自分の剣で首を斬られ死亡した。遺体は埋葬されて剣を墓標代わりに刺され、20年後には埋葬された場所に「死人の木」が育っていた。ヴァン・タッセル夫人によって復活した後は、「死人の木」の中からデアデビルに跨って現れ、標的の首を次々と刎ねてまわっていた(唯一、ウィンシップ未亡人の身ごもった子供のみ、未亡人の死体の腹を刺して殺害)。生前の強さに加え、すでに死んでいるため不死身であり、刃物もマスケット銃もまったく効かない。一方で、標的以外の人物は基本的に相手にせず、襲い掛かっても追い払う程度で、作中で標的以外に殺したのはしつこく襲い掛かったブロムのみ(しかも、首を斬っていない)。また、神聖な教会の敷地内に入ることが出来ず、自身の得物も敷地内に放り投げるとすぐに朽ち果ててしまうが、柵の杭を引き抜きロープにつないで、それを教会の中にいる標的(バルタス)に投げて刺し、そのまま引き寄せて首を斬り殺害するなど、恐ろしい殺人術の持ち主でもある。終盤、ヴァン・タッセル夫人の命令で、イカボッドたちを殺すために執拗に追跡し、カトリーナを殺す寸前のところでイカボッドから自分の頭蓋骨を受け取り、頭蓋骨をそのまま首にはめると生前の風貌となった。その後、イカボッドたちを殺すのを止めてデアデビルに跨り、自分を死に追いやったヴァン・タッセル夫人を抱えて「死人の木」から開かれていた地獄へと帰って行った。

スティーンウィック牧師ジェフリー・ジョーンズ
村の長老の一人。長老の中では一番の長身で体格が良い。イカボットの科学捜査には否定的で、解剖を神をも恐れぬ行為と不快感を露わにしている。村長とウィンシップ未亡人の結婚を密かに執り行ったため、ヴァン・タッセル夫人に篭絡されて言いなりになっていた。教会に籠城した時に標的のバルタスを外に出そうとして対立し、ランカスター医師が真実を喋ろうとしたため彼を十字架で撲殺するが、バルタスに撃たれて死亡する。

ジェイムズ・ハーデンブルック書記マイケル・ガフ
村の長老の一人。村の公証人。臆病な性格で、いつもビクビクと怯えている。村長がウィンシップ未亡人に遺産を相続されるための遺言状を作成したため、ヴァン・タッセル夫人に脅されて言いなりになっていた。その後、殺人事件にまで発展した罪悪感と首なし騎士の恐怖に耐え切れず、首を吊って自殺した。

トーマス・ランカスター医師イアン・マクダーミド
村の長老の一人。既婚者。医師繋がりでイカボットと関わることが多く、気を失ったり負傷したりする彼の診察をしている。だが、イカボッドの科学捜査には懐疑的で、牧師と同じく解剖を快く思っていない。診察でウィンシップ夫人が身ごもったことを知り、下女のサラと不倫していることをヴァン・タッセル夫人に脅されて言いなりになっていた。教会に籠城した時にバルタスに真実を話そうとして牧師に十字架で殴られて死亡する。

サラジェシカ・オイェロウォ
ヴァン・タッセル家の下女。捜査に来たイカボッドを歓迎していた。実はランカスター医師と不倫関係を持っていた。身代わり目的でヴァン・タッセル夫人に首を斬られ殺害される。

サミュエル・フィリップス判事リチャード・グリフィス
村の長老の一人。長老の中で一番の肥満体。酒好き。魔除けとして十字架を持ち歩いている。マスバスの死亡後、イカボッドに彼が「五人目の被害者」であることを密かに教えた。その後、身の危険を感じて夜に村から逃げようとしたが、首なし騎士が現れて首を斬られ死亡した。実はウィンシップ夫人に村長の子供を身ごもったことを相談されており、ヴァン・タッセル夫人に酒で買収されて言いなりになっていた。村から逃げようとしたため、口封じのために標的となってしまった。

マスバスマーク・ピッカーリング
村長の従者だったマスバスの息子。母親はすでに他界している。イカボットからは「マスバスくん」と呼ばれている。父親を首なし騎士に殺害され、犯人を暴くことで敵討ちをしようと決意して、イカボッドに積極的に力添えをする。イカボッドに対する信頼は非常に厚いが、誤解と間違った知識でミスリードさせてしまうこともある。

キリアンスティーヴン・ウォディントン
助産師の妻・ベスと幼い一人息子・トーマスを持つ男性。イカボットの捜査にも協力的だった。家に踏み込んできた首なし騎士からベスとトーマスを守ろうと立ち向かうも、敵わず斧で首を斬られ死亡。ベスもトーマスを床下に隠した後に首を斬られ、トーマスも首なし騎士が去る間際に感付かれて床を斧で破壊されて引きずり出されて殺された(トーマスだけ首を斬られた描写がない)。

ベスクレア・スキナー
キリアンの妻。ウィンシップ夫人が妊娠していることを知り、それをキリアンの前でヴァン・タッセル夫人に話したことで、口封じのために標的となってしまった。

ピーター・ヴァン・ギャレットマーティン・ランドー(クレジットなし)
スリーピー・ホロウの村長。村で発生した首無し事件の2番目の被害者。息子が操る馬車に乗って何処かへ移動中、何者かに襲撃され息子ともども殺害されてしまう。殺害される一週間ほど前に息子のダークと言い争っていた姿が村人に目撃されている。

ニューヨーク市長クリストファー・リー
巡査部長アラン・アームストロング

スリーピー・ホロウ 予告編・無料動画


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