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万引き家族|実際にあった、親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていたある家族の事件から着想を得て構想10年近くをかけて作った作品

映画 万引き家族
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万引き家族は、2018年公開の日本映画。実際にあった、親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていたある家族の事件から着想を得て構想10年近くをかけて作った作品である。東京の下町で、犯罪で生計を立てている貧しい一家。ある日、父・治と息子・祥太は万引きの帰り道、凍えている幼い女の子を見つけ、連れて帰る。体じゅうの傷から境遇を察した妻・信代は、家族として受け入れる。第71回カンヌ国際映画祭において、最高賞であるパルム・ドールを獲得した。日本人監督の作品としては、1997年の今村昌平監督の『うなぎ』以来21年ぶり。

万引き家族 映画批評・評価・考察


万引き家族(まんびきかぞく、英題:Shoplifters

脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計87点

想像していた内容とかなりことなっていて、万引き家族のタイトルの意味も見終わってようやく理解できるものでした。韓国映画『パラサイト 半地下の家族』と比較されることが多い作品ですが、家族とは?というテーマがはっきりしている今作と、格差・差別に富裕層に寄生する姿を描いた『パラサイト 半地下の家族』では訴えかけられるものが違うと思いました。都会の中で訳アリの人々が肩を寄せ合って暮らし、時には犯罪行為に手を染めながらも人情からかけ離れたような強欲に走るわけでもない。そこには、そうまでして生きる術しかもたない社会的弱者の姿があります。もともと原案になった事件は年金不正受給事件で、亡くなった人の年金をその家族が死を隠蔽し、不正受給し続けた犯罪でした。この映画でもその話は盛り込まれています。ただ、結局のところそのような犯罪に手を染める人は、豊な暮らしをしているわけではなく、社会の片隅でひっそりと暮らしている人々だということを今作では描いています。


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万引き家族 あらすじ(ネタバレ)

東京の下町に暮らす柴田治と、その妻信代は息子の祥太、信代の妹の亜紀、そして治の母の初枝と同居していた。家族は治と信代の給料に加え、初枝の年金と、治と祥太が親子で手がける万引きで生計を立てていた。しかし初枝は表向きは独居老人ということになっており、同居人の存在自体が秘密だった。5人は社会の底辺で暮らしながらも、いつも笑顔が絶えなかった。

ある冬の日、治は近所の団地の1階にあるバルコニー状の外廊下で、ひとりの幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて連れて帰る。夕食後、「ゆり」と名乗るその少女を家へ帰しに行った治と信代は、家の中から子どもをめぐる諍(いさか)いの声を聞く。結局「ゆり」は再度柴田家に戻された。体中の傷跡など「ゆり」に児童虐待の疑いがあることを見つけた信代は彼女と同居を続けることを決め、「誘拐ではないか」という亜紀[注 2]に対して「脅迫も身代金の要求もしていないからこれは誘拐ではなく保護だ」と主張、「ゆり」は柴田家の6人目の家族となった。その矢先、治は職場で負傷して仕事ができなくなる。あてにした労災は下りなかった。連れ帰ってから2か月経っても「ゆり」に捜索願が出た形跡はなかったが、やがてテレビで失踪事件として報じられるところとなって、柴田家の一同は彼女の本当の名前が「北条じゅり」であることを知る。一家は発覚を遅らせるべく「ゆり」の髪を切って「りん」という呼び名を与え、祥太の妹ということにした。回復した治は仕事に戻ることなく、祥太との万引きを「りん」に手伝わせる。

柴田家の面々は表向きは普通の家族として暮らしながら、治と祥太の万引き以外にも、初枝はパチンコ店で他の客のドル箱を大胆にネコババし、祥太は「りん」を連れて近所の駄菓子屋で万引きを働き、信代は勤め先のクリーニング工場で衣服のポケットから見つけたアクセサリーなどをこっそり持ち帰るなど、亜紀を除く全員がなんらかの不正や犯罪に手を染めていた。一方、「りん」と柴田家の絆は次第に深まっていった。

夏を迎える頃、祥太はいつもの駄菓子屋で「りん」に万引きをさせたところ、年老いた店主からお菓子を与えられ「妹にはさせるなよ」という言葉をかけられた。そんな折、信代は勤め先から自分と同僚のどちらかの退職を迫られ、同僚との話し合いで「行方不明になっている女児(「りん」のこと)を連れているのを見た」と脅されて退職を余儀なくされる。一方初枝は前夫(作中では故人)が後妻との間にもうけた息子夫婦が住む家を訪れ、前夫の月命日の供養ついでに金銭を受け取っており、それが年金以外の収入「慰謝料」の正体であることがうかがわれた。そして初枝が義理の娘として同居している亜紀は実はこの息子夫婦の娘であることが明らかになる。夫婦は亜紀は海外留学中ということにしており、初枝と同居していることは「知らない」こととしていた。また亜紀には妹がいて、その名前は亜紀の源氏名と同じ「さやか」であることが明らかになる。その頃、「さやか」として性風俗店で勤務していた亜紀は常連客である「4番さん」とひそかに心を通わせていた。

夏になり、一家は海水浴に出かけ団欒を満喫する。「家族」の姿を楽しそうに眺める初枝であったが、その言動にはどこかおかしいところがあり病気からくるせん妄を思わせた。ほどなくして初枝は自宅で死去する。治と信代は自宅敷地内に初枝の遺体を埋め、「最初からいなかった」ことにした。信代は死亡した初枝の年金を不正に引き出す。家の中から初枝のへそくりを見つけだして大喜びする治と信代を、祥太は無言で見つめていた。祥太は治から「店の商品は、誰のものでもない(から取っても構わない)」と教えられていた。だが、治のパチンコ店での車上荒らしに同行した際に、「これは誰かのものではないの」と尋ね、積極的に手伝おうとしなかった。少しのち、祥太は「りん」と駄菓子屋に行ったが、「忌中」の紙が貼られ、閉店していた。その次に入った別のスーパーマーケットにおいて、「りん」が自らの意思で万引きを働こうとしたところ、それを見た祥太は「りん」から注意を逸らすためにわざと目立つようにミカンを万引きして逃走。店員の追跡をかわそうとするも高所から飛び降りた際に足を負傷、入院する。

一部始終を見届けた「りん」は治たちのもとに急ぐが、柴田家4人は祥太を捨て置き逃げようとしたところを警察に捕まり、これをきっかけにして家族は解体されてしまう。「りん」は本来の親のもとに戻され、それ以外の3人は取り調べを受けた。入院中の祥太も警察官に事情を聴取され、その際に他の家族が逃げようとしたことを伝えられる。取り調べの中で、治と信代は過去に殺人を犯していたこと、治は初枝の実際の息子ではなく前述の事情を抱えた彼を同居人として息子同然に迎え入れていたこと、祥太は治や信代に連れてこられたこと、治・信代・祥太らの名前は本名ではないことなどが明らかになる(つまり、”柴田家”は全員が血縁関係にない疑似家族であった)。信代は一家が抱えた犯罪はすべて自分の犯行として刑に服し、祥太は施設に入り、治は一人暮らしとなった。かつての自宅を訪れた亜紀は、もぬけの殻となった屋内をしばし眺めていた。

治が「りん」=「ゆり」=「じゅり」を保護してから約1年後、学校に通うようになった祥太はテストでも優秀な成績を残し、釣りの知識も身に着けるなどたくましく成長していた。治は信代の依頼で祥太を連れて刑務所に面会に行く。面会の場で信代は祥太に、治が松戸市にあるパチンコ店の駐車場で車上荒らしをしようとした際に、密閉された車内に置き去りにされてぐったりしていた幼い祥太を助けて連れてきたことをその自動車の情報を交えて伝え、情報を手掛かりに「その気になれば本当の両親に会える」と話す。その夜、祥太は治の家に泊まり、自分を置いて逃げようとしたことの真偽を治に問うと、治はそれを認めて「おじさんに戻る」と答えた。翌朝、祥太はバス停での別れ際に「自分はわざと捕まった」と治に話す。バスを追いかける治を車内から見つめる祥太は、治に向かって何かを呟いた。一方、本当の両親のもとへ戻された「じゅり」は、再び虐待の被害者になっていた。ある日、治に発見されたときと同じ外廊下で独り遊びをしていたところ、ふと何かに気付いたように塀から身を乗り出しつつ見入る「じゅり」もまた、何かを呟こうとしていた。

万引き家族 スタッフ

監督・脚本・編集:是枝裕和
製作:石原隆,依田巽,中江康人
プロデューサー:松崎薫,代情明彦,田口聖
アソシエイトプロデューサー:大澤恵,小竹里美
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:冨田和彦
美術:三ツ松けいこ
装飾:松葉明子
衣装:黒澤和子
ヘアメイク:酒井夢月
音響効果:岡瀬晶彦
音楽:細野晴臣
助監督:森本晶一
キャスティング:田端利江
制作担当:後藤一郎
ラインプロデューサー:熊谷悠
製作:フジテレビジョン,AOI Pro.,ギャガ
製作プロダクション:AOI Pro.
配給:ギャガ

万引き家族 キャスト

柴田治リリー・フランキー
本作の主人公で、信代の夫。東京の下町に暮らす日雇い労働者。
柴田信代安藤サクラ
同じく主人公で、治の年若い妻。クリーニング店工場のパート従業員。
柴田亜紀松岡茉優
信代の妹。JK見学店に勤務し「さやか」という源氏名を使用している。
柴田祥太城桧吏
治の息子。学校には通っておらず治とタッグを組んで万引きをしている。愛読書は国語の教科書に掲載されている「スイミー」。
ゆり(りん、北条じゅり)佐々木みゆ
治が柴田家に連れて帰ってきた少女。両親からはネグレクトなどの児童虐待を受けている。
柴田初枝樹木希林
治の母。年金受給者であり、夫とはすでに離婚している。
4番さん池松壮亮
亜紀が勤務する性風俗店の常連客。発話障害があり亜紀には筆談で意思を伝える。
柴田譲緒形直人
亜紀の本当の父親。初枝の元夫と後妻との間の子。
柴田葉子森口瑤子
亜紀の本当の母親。
柴田さやか蒔田彩珠
亜紀の本当の妹。高校2年生。
北条保山田裕貴
ゆりの父。希とゆりに対しDVを働いている。
北条希片山萌美
ゆりの母。保からDVを受ける一方でゆりに対しネグレクトをしている。
JK見学店 店長黒田大輔
亜紀が勤務する性風俗店の店長。
根岸三都江松岡依都美
信代が勤務するクリーニング店の同僚。
クリーニング店 店主清水一彰
信代が勤務するクリーニング店の店主。
山戸頼次柄本明
柴田家の近隣にある駄菓子屋の店主。
米山井上肇
民生委員。
日雇い派遣の管理者:毎熊克哉
治の日雇い労働の管理者。正社員。
前園巧高良健吾
警察官。
宮部希衣池脇千鶴
警察官。
ニュースキャスター笠井信輔
ニュースキャスター三上真奈

万引き家族 予告編・無料動画


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