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そして父になる|子どもを取り違えられた二組の家族を通して、家族とは何か掘り下げるヒューマン・ドラマ

そして父になる
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そして父になるは、2013年公開の日本映画。是枝裕和監督が、子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、愛や絆、家族といったテーマを感動的に描くドラマ。自らの手で人生を切り拓いてきたエリート会社員の子が取り違えられていたことが発覚、取り違えられた先の家族と交流するうちに彼の価値観が変わっていく。エリート会社員を福山雅治が、その妻を尾野真千子が、子どもを取り違えられたもう一組の夫婦をリリー・フランキーと真木よう子が演じている。第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査委員賞受賞およびエキュメニカル賞特別表彰作品。

そして父になる 映画批評・評価・考察

そして父になる

脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計89点

子供を取り違えられた2組の夫婦の葛藤と選択を通して家族の愛と絆を描き、カンヌ映画祭審査員賞を受賞した是枝裕和監督・脚本の感動のヒューマンドラマ。順風満帆な人生を歩んできたエリート会社員の野々宮良多は、ある日、6年間大切に育ててきた息子が、出生時に病院で取り違えられた他人の子供だったことを知る。良多は、別の家族に育てられた実の子に対面するが…。福山雅治が苦しみながらもやがて成長していく良多を熱演。

2013年9月28日、同作品に感動したというスティーヴン・スピルバーグと是枝がロサンゼルスで対談した結果、米映画会社のドリームワークスでリメイクされることが決定した。この日、東京・新宿の映画館で福山ら主要キャストが出席して映画の公開初日舞台挨拶が行われた際、是枝が国際電話で会場にリメイク決定を報告した。


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そして父になる あらすじ(ネタバレ)

11月。再開発プロジェクトを進めるエリート建築家の野々宮良多と妻のみどり、6歳になる一人息子・慶多の家族は幸せな日々を過ごしていた。慶多は私立小学校を受験し、面接で「キャンプに行って凧揚げをした」と学習塾で教わった通りに答えて、合格する。

そんなある日、良多とみどりは、慶多が生まれた群馬県前橋市の病院から「重要なお知らせがある」と呼び出される。斎木という夫婦の息子が小学校進学に際して受けた血液検査で両親と血液型が一致しなかったことから調査した結果、出生時に看護師によって子どもの取り違えが起きていたことがわかり、良多たちの実の息子は慶多ではなく、斎木家の琉晴だという話だった。二人は同じ7月28日に生まれていた。管理面の心配から田舎の病院で産むことを反対していた良多は、「なんで分からなかったのか」と妻を責める。

取り違えられたもう一組の家族は、群馬で小さな電気店を営み、3人の子を持つ斎木雄大・ゆかり夫妻だった。二人と対面した良多とみどりは、「子どもの将来のために結論を急いだ方がいい」という病院の提案で斎木家と交流を始める。良多は病院を相手取って裁判を起す一方、子どもを二人とも引き取る手段を探る。両家は「ミッション」と称して慶多と琉晴を相手の家庭で泊まらせる。

入学式の後、斎木家の家計が逼迫している事情を聞いた良多は、慶多と琉晴の両方を引き取りたいと提案するが、雄大は物で解決しようとする良多の考えに立腹し、「負けたことのない奴は本当に人の気持ちが分からないんだな」と激怒、みどりも夫に呆然とする。

裁判が始まる。看護師は事故ではなく、再婚したばかりで継子の子育てでイライラし「野々宮さんの家族が幸せそうだったのでわざとやった」と証言。彼女の行為は公訴時効になっていることも判明する。虫のいい看護師の行動に、斎木夫妻とみどりはいら立ちをみせる。

6年間愛してきた他人の子どもと血の繋がった実の息子を前に、子どもを交換するべきか、このまま育てていくべきかという葛藤の中で、良多はそれまで知らなかった慶多の思いに気づく。慶多は父の日のプレゼントとして、両方の父に造花を手作りする。

慶多と琉晴は本来の親が引き取ることになる。それを前に野々宮家では慶多を連れて一家で河原に出かけ、3人で写真を撮影した。

8月、良多は上司から「裁判を抱えているから」という理由で宇都宮市の研究所への異動を打診される。良多は引き取った琉晴から抵抗される中で「おじさんが本当のパパなんだ」と告げる。裁判には勝ったが、良多は弁護士の鈴本に「勝ってない」という。良多は取り違えの原因を作った看護師から送られてきた「誠意」を返しにいくと、彼女の継子が良多と看護師の間に入る。良多が「関係ないだろ」というと継子は「僕のお母さんだから関係ある」と反論され、血の繋がらない継母・継子の間に親子の絆が出来ていたことを見せつけられる。

琉晴は家出し一人で群馬の斎木家に帰ってしまう。連れ戻しに行った良多は自分も小さい頃、家出したことを琉晴に告白。徐々に絆が深まっていくが、琉晴は「パパとママのところに帰りたい」と涙ながらに訴えた。みどりも「慶多を裏切っているみたいで」と涙する。良多も慶多がこっそり撮っていた良多の写真を見つけて涙ぐんだ。

連休で群馬に行った良多は「ミッションなんか終わりだ」と慶多を抱きしめる。電気店に戻った慶多は「スパイダーマンってクモって知ってた?」と雄大に教わったことを良多に話した。

そして父になる スタッフ

監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
音楽:松本淳一,森敬,松原毅
撮影:瀧本幹也
編集:是枝裕和
配給:ギャガ

そして父になる キャスト

野々宮良多:福山雅治
野々宮みどり:尾野真千子
斎木ゆかり:真木よう子
斎木雄大(ゆかりの夫):リリー・フランキー
野々宮慶多(良多の息子):二宮慶多
斎木琉晴(雄大の息子):黄升炫
斎木美結(雄大の長女):滝沢美結
斎木大和(雄大の二男):押場大和
宮崎祥子(元看護師):中村ゆり
野々宮大輔(良多の兄):高橋和也
鈴本悟(弁護士、良多の友人):田中哲司
山辺真一(良多の異動先の研究員):井浦新
宮崎祥子の夫:ピエール瀧
秋山(病院の職員):小倉一郎
波留奈(良多が勤務する会社の社員):吉田羊
織間忠治(病院側の弁護士):大河内浩
野々宮のぶ子(良多の義母):風吹ジュン
上山一至(良多の上司):國村隼
野々宮良輔(良多の父):夏八木勲
石関里子(みどりの母):樹木希林
木野花林剛史中村倫也森崎めぐみ足立智充清水一彰遠藤璃菜 ほか

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