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パーフェクト・デイズ|公共トイレ清掃員・平山の日々の小さな揺らぎを丁寧に紡いだ物語

PERFECT DAYS
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パーフェクト・デイズは、2023年公開は、日本・ドイツ合作映画。東京の下町のアパートに1人で住む清掃員が、早朝に起きて仕事に行き、帰宅して寝るまでの日々とその中の小さな出会いを、ルー・リードやオーティス・レディングらのロックの楽曲に乗せて淡々と描く。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。役所広司が男優賞受賞。また、エキュメニカル審査員賞も同時受賞。

パーフェクト・デイズ 映画批評・評価・考察

パーフェクト・デイズ
パーフェクト・デイズ(原題:PERFECT DAYS)

 

第76回カンヌ国際映画祭の授賞式にて、映画『Perfect Days』で主演を務めた役所広司が男優賞に輝きました。日本の俳優の受賞は、2004年の『誰も知らない』の柳楽優弥以来2人目で、さらにエキュメニカル審査員賞も受賞し、作品としてはW受賞となりました。エキュメニカル審査員賞は、キリスト教徒の映画製作者、映画批評家らによって1974年に創設されたもので、日本人の監督作では過去に青山真治監督の『EUREKA(ユリイカ)』が2000年、河瀬直美監督の『光』が2014年、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が2021年に受賞しており、邦画としては4作品目となります。

 映画「原題:PERFECT DAYS」は、東京のトイレを刷新しようという「THE TOKYO TOILETプロジェクト」の一環として製作されました。同プロジェクトは、東京都渋谷区にある17の公共トイレを、世界的に著名な建築家らの設計で快適に改修しようという取り組み。「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリング取締役の柳井康治氏が東京オリンピックを前に「すべての人に分け隔てなく関わるおもてなし」として発案して進められました。

 

改修が進む中で、公共トイレを長くきれいに保つには文化的、芸術的価値を与えて社会の意識を変えなければならないと、アート作品の制作に結びつきました。ふさわしい芸術家として、建築に造詣が深く、親日家でもあるドイツのヴィム・ヴェンダース監督に話を持ちかけられました。

 

当初は役所さんが公共トイレ清掃員を演じるというアイデアだけでしたが、来日してトイレを視察したヴェンダース監督は「長編映画を作りたい」と意向を示し、劇映画の製作に決まりました。ロケ地を探し、脚本を2週間で作り、2022年10月、渋谷区や墨田区で3週間で撮影されました。

パーフェクト・デイズ あらすじ

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。彼は淡々と過ぎていく日々に満足している。毎日を同じように繰り返しているように見えるが、彼にとってはそうではなかった。毎日はつねに新鮮な小さな歓びに満ちていた。まるで風に揺れる木のような人生である。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読み耽るのが、歓びである。いつも持ち歩く小さなフィルムのカメラで木々を撮る。彼は木が好きだった。自分を重ねているのかもしれない。あるとき彼は、思いがけない再会をする。それが彼の過去にすこしづつ光をあてていく。

パーフェクト・デイズ スタッフ

監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース,高崎卓馬
製作:柳井康治
エグゼクティブプロデューサー:役所広司
プロデュース:ヴィム・ヴェンダース,高崎卓馬,國枝礼子,矢花宏太,ケイコ・オリビア・トミナガ,大桑仁,小林祐介
撮影:フランツ・ラスティグ
美術:桑島十和子
スタイリング:伊賀大介
ヘアメイク:勇見勝彦
編集:トニ・フロッシュハマー

パーフェクト・デイズ キャスト

平山:役所広司
タカシ:柄本時生
ニコ:中野ありさ
アヤ:山田葵アオイヤマダ
ケイコ:麻生祐未
ママ:石川さゆり
友山:三浦友和
ホームレス:田中泯

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