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丑三つの村|皆様方よ、今に見ておれで御座居ますよ。狂気の実話! 村一番の秀才による 無差別三十人殺し

丑三つの村
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三つの村(うしみつのむら)は、1983年公開の日本映画。西村望のノンフィクション小説を原作としたサスペンス映画。1938年、岡山県苫田郡西加茂村で発生した津山事件を題材にしている。欧米ではタイトルを『Village of doom』に変更して公開された。女優陣の大胆な演技が話題となったことや、撮影された村のオープンセットは、1977年版「八つ墓村」で山崎努が演じた30人殺しの場面でも使用されていた。

丑三つの村 映画批評・評価・考察


丑三つの村(うしみつのむら)

脚本:24点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計69点

 サスペンス映画というよりホラー映画よりだと思います。青春群像劇みたいな演出もありますが、『13日の金曜日』のようなスプラッター映画にも見えます。今作品の題材となった津山事件については、昭和最悪の大量殺人事件として有名ですが、実際どういう状況化で起きたのか?それを映像化したら凄まじいエログロ作品に仕上がってしまったという具合です。演じた俳優たちのプロ根性が素晴らしいです。ただ狂った映画だとも思えますので、素晴らしい映画だからみんな見てよ!なんて言えない内容です。
 見どころは後半の殺戮シーンよりも、五月みどりや池波志乃の妖艶な熟女の魅力満載のシーンや田中美佐子の大胆な演技がすごかったです。

横溝正史の小説『八つ墓村』、および西村望の小説『丑三つの村』のモチーフになった事件、津山事件とは?
津山事件(つやまじけん)または津山三十人殺し(つやまさんじゅうにんごろし)は、1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。一般には津山事件と呼ばれ、犯人の姓名を取って都井睦雄事件ともいう。犯行が行われた2時間足らずの間に28名が即死し、5名が重軽傷を負った(そのうち12時間後までに2名が死亡)。なお、犯行後に犯人が自殺したため、被疑者死亡で不起訴となった。

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丑三つの村 あらすじ(ネタバレ)

敗戦色の色濃い昭和十三年。中国山地の山並みに囲まれた世帯数二、三十の日暮谷の村で生まれ育った十八歳の犬丸継男は、村一番の秀才として村人の尊敬と期待を集めていたが、自分では、早く戦場に出て国のために戦いたいと願っていた。駐在所まで片道三十分という辺鄙なこの村は、近親婚が多く、ほとんどの者が親類関係にある。継男はたった一人の肉親、祖母のはんをおいて師範学校へ行くことはできず、独学で検定試験を受け、教師になろうと考えていた。

十八歳にもなると、継男にも村の人間関係の裏側が分るようになり、ある夜、散歩をしていると、人妻のえり子と村の有力者、赤木勇造が絡み合っているのを目撃する。赤木は夜這いの取り締りを提案した張本人で、彼のことを汚いと思うが、同時に自身の性のうずきも強く感じるのだった。数日後、継男はえり子の所を訪ね、赤木のことを話すと、彼女は簡単に彼に体を開いた。また継男は、はんに金を借りに来るミオコとも関係を持つが、そんな性の世界に溺れず、彼は幼なじみのやすよに思いを寄せていた。そんな継男は兵役検査を受けるが、なんと、結核と診断されてしまう。これまで秀才と継男をもてはやしていた村人もコロッと態度を変え、彼を避けるようになる。

そんな中で、和子が親切にしてくれたが、それは継男の結核を知らなかっただけで、病気を知ると、他の村人以上に冷たくなった。そして、心のよりどころだったやすよも嫁に行くことになった。継男は腹いせに和子に夜這いをかけるが、間違えて母の常代の布団に入ってしまい、母娘二人からなじられる。退散する継男は帰路、村の男たちが、他処者の坂本を袋叩きにして殺すのを目撃し、翌日、駐在に報せようとするが、村人の無言の威圧で口に出せない。

その頃、やすよが離縁されて家に戻ってきた。継男と付き合っていたのが原因という。二人は風呂場で抱き合った。そして、汚れきった村を戦場にしようと決意する。一度は銃や日本刀を押収された継男だが、大阪に出て再び武器を調達すると、やすよに「村を戦場にします、その日は村に近寄らないで下さい……」と手紙を書いた。その日、村の送電線を切ると、丑三つの刻も近い頃、学生服にゲートルを巻き、武装した継男は、「犬丸継男君、万歳!」と叫ぶと、三十人に及ぶ大量殺戮に出発した。

丑三つの村 スタッフ

監督:田中登
製作:奥山和由
脚本:西岡琢也
撮影:丸山恵司
SFX:トビー門口
音楽:笹路正徳
美術:猪俣邦弘
編集:後藤健二
録音:山本忠彦
スチル:赤井博且
助監督:満友敬司,藤澤龍一
照明:野田正博
製作:松竹映像,松竹富士

丑三つの村 キャスト

主要人物
犬丸継男:古尾谷雅人
あだ名は「継やん」。住んでいるこぐれ村では、周りから秀才で真面目な好青年として評判で、はんにとって自慢の孫。作中では師範学校に入るための検定試験の受験勉強をしている。ただし、本人は勉強して教師になるよりも兵隊になってお国のために戦うことこそが男として一番大事と強く感じている。冒頭から咳をしており、後に肺結核にかかっていることが発覚。

はん:原泉
継男の祖母。周りから「おばやん」と呼ばれている。子供夫婦を亡くしており、継男と細々と二人で暮らしている。継男とはお互いに相手を一人残して暮らせない大事な存在と思っている。年もそれなりに大きくなったものの、継男のことを目に入れても痛くないほどかわいがっている。

やすよ:田中美佐子
継男の幼馴染。普段は山などで鎌とかごを持って仕事している。継男とは、いとこぐらいの血縁関係とのこと。継男のことを慕っていて、手作りのひもと共に自身の思いを告げる。しかし、その後継男とは別の男との婚姻が決まる。

こぐれ村に住む女とその家族

赤木ミオコ:五月みどり
作中では、はんに何度か金を借りに家まで行っている。自身は子供を何人も産んで年も重ねてきており、若い人の肌を羨んでいる。

赤木中次:石橋蓮司
ミオコの夫。5人ぐらいの子供がいることもあり、生活のため単身で出稼ぎに行っている。後に帰ってきて、ミオコと夜這いをした継男と殴り合いのケンカをする。

千坂えり子:池波志乃
夫が兵隊に取られているため現在は一人で過ごしている。独り寝の寂しさを紛らわせるため、継男に色仕掛けで迫る。

千坂多四郎:団巌
えり子の夫。作中では既に兵隊として戦地に行っている。えり子によると補充兵として馬の世話ばかりさせられているとのこと。

竹中和子:大場久美子
ある時、継男が道端で咳で倒れこんだ時に優しく手ぬぐいを貸してあげた。しかしその時は継男の詳しい病気のことを知らなかったためで、後に態度を一変させる。

竹中常代:中島葵
和子の母。和子が好意を寄せていると勘違いした継男が、暗闇の中夜這いをかけて和子と自身を間違えて騒動になる。

こぐれ村に住む男たち
赤木勇造:夏木勲夏八木勲
村の実力者で男達の代表者。男達に指示して、村で悪さをしている人間がいないか夜中に見回らせているが、自身はその間に人妻と夜這いするなどしたたかな性格。

小堀八一:水島涼太
ミオコの弟。村の青年として勇造の命令で他の男たちと共に村を取り締まっている。普段は威勢がよく強気な態度を見せるがいざとなると嫁や子供を盾に逃げようとする小心者。

史明:浅見小四郎
村の若い衆。元々は他所から移り住んできた。他の若者と3人で日常的に好き放題やっており、村の風紀を乱すため勇造たちから目をつけられている。洋装にソフト帽を被り、上着に着物を身に着けている。継男が常代に間違えて夜這いを仕掛けた夜に、村の男達によって撲殺される。

葉村文明:南城竜也
村の若い衆。やすよと結婚が決まりかけたがほどなくして別れた。

その他こぐれ村の住人

中山哲夫:新井康弘
継男より1つ年上で幼馴染。継男とは小学校の頃に世話をしたとのことで仲がいい。詳しい職業は不明(本人曰く「人様に言える仕事ではない」)だが列車で村と外を行き来している。作中ではスーツにハンチング帽やソフト帽などの帽子を身に着けている。

外村ことみ(隣家のおばちゃん):石井富子
継男の隣の家に住んでいる。英子(演:斉藤林子)とまもるという子供がいる。

司嘉子(世話好きのおばさん):絵沢萌子
はんの知り合いのおばさん。村の独身の若者に見合い相手を探して、縁談にこぎつける。継男ぐらいの息子・太一(演 – 堀礼文)と暮らしている。

赤木巌:ビートきよし
冒頭で軍隊に入隊する出征兵士。村の人たちに見送られて列車で故郷を後にした。

刑事・医者関係
本庄病院の医者:三夏伸
村にある小さな病院で診察している。継男からやぶ医者と言われている。来診した継男に肺の病気だが3ヶ月養生していれば治ると診断した。

徴兵検査の軍医:浜田晃
継男を検査した結果肺結核と診断すると、再検査を求められたためプライドを傷つけられ立腹する。

赤松巡査(村の駐在):山谷初男
村で自殺者が出たため、調べに来た。後に刑事たちが継男の家を調べに来た時に継男に気遣いの言葉をかける。巡査だが頭ごなしに取り調べたりせず優しい人柄。

刑事:住吉博(現・住吉正博
継男が山で猟銃を撃っていたことを村の者から聞きつけ、家に押しかけて猟銃などを押収した。

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