哀れなるものたちは、2023年公開のイギリス・アメリカ・アイルランド合作映画。アラスター・グレイ著の傑作ゴシック奇譚『哀れなるものたち』を原作とする物語。風変わりな天才外科医ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の手によって死から蘇った若き女性ベラ(エマ・ストーン)が、世界を知るために大陸横断の冒険の旅へ出る。時代の偏見から解き放たれたベラは、平等と解放を知り、驚くべき成長を遂げていく―。2023 年 9 月 1 日に第 80 回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、金獅子賞を受賞。日本では2024年1月26日公開予定。
哀れなるものたち 映画批評・評価・考察
哀れなるものたち（原題：Poor Things）
第80回ヴェネチア国際映画祭で惜しみない大絶賛、早くもアカデミー賞®最有力候補として話題沸騰！
天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。 鬼才ヨルゴス・ランティモス監督＆エマ・ストーンほか、超豪華キャストが未体験の驚きで世界を満たす最新作。
哀れなるものたち あらすじ（ネタバレ）
ビクトリア朝のロンドンで、医学生のマックス・マッキャンドルズは、傷ついた外科医ゴドウィン・バクスターとそのメイドのプリム夫人の助手になる。彼はゴドウィン病棟のベラという子供のような若い女性に出会い、恋に落ちます。ゴドウィンは、その女性が妊娠中だったが、橋から飛び降りて自殺したことを明らかにした。彼はベラの脳をまだ生きている赤ん坊の脳と置き換えることで彼女を復活させ、その結果彼女は幼児の心を持った。マックスはベラの子供のような態度に興味をそそられ、ゴドウィンの許可を得て彼女に結婚を申し込みます。ベラは受け入れますが、知性が急速に発達するにつれて、彼女はマックスからの自由と自主性を切望し始め、弁護士のダンカン・ウェダーバーンと一緒に逃亡します。ゴドウィンはベラを手放すことを決意し、ベラよりも成長が遅いフェリシティという若い女性を使って新たな実験を始める。
ベラとダンカンはリスボンから始まる壮大な旅に乗り出しますが、そこで二人は頻繁にセックスをしたり、他の形態の快楽主義を行ったりします。ダンカンはベラを制御することが難しくなったため、「気分転換」のためにベラをクルーズ船に密航させた。船上で、彼女は同乗者のマーサとハリーと友達になり、彼らは哲学に心を開いてくれます。当初、ベラの「愛らしい話し方」と子供のような無邪気さに惹かれたダンカンは、頻繁にベラの知的成長を妨げようとし、本を海に投げ捨て、ベラがそれ以上の教育を追求することを禁じた。ベラをコントロールすることがますます難しくなったダンカンは、飲酒とギャンブルに耽るようになります。アレクサンドリアに立ち寄った際、ベラは地元住民の悲惨な貧困を目の当たりにして取り乱し、ダンカンの賞金を寄付するが、その賞金は乗組員に盗まれてしまう。残りの旅費を稼ぐ余裕のない二人はマルセイユで船から降ろされ、その後パリへ向かいます。資金が尽きたベラは売春宿で働き始めるが、ダンカンはさらに激怒し、精神的に衰弱してしまい、ついにはベラは彼を見捨てることになる。売春宿で彼女はスウィニー夫人の指導を受け、売春婦仲間のトワネットと友達になり、トワネットから社会主義を紹介される。
末期の病気のゴドウィンはマックスにベラを連れてきてほしいと頼む。マックスは、故障して施設に入ったダンカンを追跡し、ベラを見つけ出す。ロンドンに戻ったベラはゴドウィンと和解し、マックスと結婚する計画を新たにする。二人は結婚式当日、ダンカンとアルフィー・ブレッシントン将軍によって邪魔される。アルフィーはベラをヴィクトリアと呼び、失踪前に二人は結婚していたこと、ベラを取り戻すために来たことを明かす。彼女はマックスを捨てて自分の前世を知るが、すぐにアルフィーの暴力的でサディスティックな性質に気づく。そして、彼女が虐待的な関係から逃れるために自殺したことに気づきました。アルフィーはベラを邸宅に監禁し、性器切除をするよう銃を突きつけて脅し、手術のために鎮静させるためにクロロホルム入りのカクテルを飲むよう要求する。ベラがカクテルを顔に投げつけると、アルフィーは足を撃って気を失います。
ゴドウィンはベラとマックスに見守られながら安らかに息を引き取る。ベラはマックスとトワネットの助けを借りてゴドウィンの仕事を引き継ぐことを決意する。アルフィーの脳はヤギの脳と交換され、フェリシティの知能は着実に進歩する。
哀れなるものたち スタッフ
監督：ヨルゴス・ランティモス
製作：エド・ギニー,アンドリュー・ロウ,ヨルゴス・ランティモス,エマ・ストーン
製作総指揮：オリー・マッデン,ダニエル・バトセック
原作：アラスター・グレイ
脚本：トニー・マクナマラ
撮影：ロビー・ライアン
美術：ジェームズ・プライス,ショーナ・ヒース
衣装：ホリー・ワディントン
編集：ヨルゴス・モブロプサリディス
音楽：ジェルスキン・フェンドリックス
配給：サーチライト・ピクチャーズ
哀れなるものたち キャスト
ベラ・バクスター：エマ・ストーン
ダンカン・ウェダーバーン：マーク・ラファロ
ゴドウィン・バクスター：ウィレム・デフォー
マックス・マッキャンドル：ラミー・ユセフ
ハリー・アストリー：ジェロッド・カーマイケル
アルフィー・ブレッシントン：クリストファー・アボット
トワネット：スージー・ベンバ
マダム・スウィニー：キャサリン・ハンター
プリム夫人：ビッキー・ペッパーダイン
フェリシティ：マーガレット・クアリー
マーサ・フォン・クルツロック：ハンナ・シグラ