寄生獣 完結編(きせいじゅう かんけつへん)は、2015年公開の日本映画。2部作の後編。主人公・新一の前には最強のパラサイトである後藤が立ちはだかる。2部構成の作品であり、前編にあたる『寄生獣』は2014年11月29日に公開され、後編にあたる『寄生獣 完結編』が2015年4月25日に公開された。原作全10巻の内容を全2部作の映画に圧縮するため、物語の主軸は「生物としての人類、人類としての母」というテーマに絞られ、そこに関わらない登場人物については制作スタッフ個人の好き嫌いに関わりなく整理された。
寄生獣 完結編 映画批評・評価・考察
寄生獣 完結編
脚本:10点
演技・演出:5点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計45点
前編の『寄生獣』が酷評されたこともあり、完結編では前作の修正を感じるところはあるものの、原作の名シーンを見事な茶番にしてしまった山崎貴演出が残念でした。

前編もそうだったのですが原作の名シーンや名セリフをいれておけばファンが納得するだろうと思っているから、ところどころで映画オリジナル要素を加えては、原作の名セリフや名シーンの意味合いを無効化してしまっています。例えば、田宮良子が新一に赤ちゃんを託すシーン、後藤との対決シーン。。。セリフや演出が酷すぎて、原作を改変しちゃってるし。。。
原作10巻分を2部構成に凝縮しているのだから、実写化には無理があるという話をよく聞いたり読んだりすることがあるんですが、アニメの寄生獣セイの格率が24話(各話20分)で約8時間だとすると、3部構成にするか4部構成にすれば、原作の実写化はさほど難しくなかったはずです。(予算やキャストの都合はあると思いますが・・・)
例えば『デビルマン』の実写化でも、誕生編を忠実に実写化するだけで相当面白い映像になったはずなのに、それができない製作側の問題点が日本映画界にはあるようです。

今作もまた、俳優の使いまわし感があり、この作品を素晴らしいものにするために、オーディションなどの選考でベスト俳優を選んでいないのがすごく伝わってきます。
寄生獣 完結編 あらすじ(ネタバレ)
新一がパラサイトではないかという疑念を抱く警察は、快楽殺人者という経緯から人間とパラサイトを判別する超能力を持つ囚人・浦上を新一に引き合わせるが、確証を得られずに終わる。その頃新一はミギーと共に、復讐のために社会に潜むパラサイト狩るという戦いを続けていた。新一を討つべきという気運が高まるパラサイトネットワークの中で孤立を深めていく「田宮良子」は、フリーライターである倉森を利用して新一とミギーの観察を継続していたが、倉森は尾行に失敗し、「田宮良子」の正体がパラサイトであることを新一とミギーから暴露される。
新一の存在を危険視する広川は、刺客のパラサイトたちに命じてそれぞれ新一とミギー、倉森、および「田宮良子」の抹殺を画策する。しかし刺客たちは新一や「田宮良子」に敗れ、倉森には逃げられてしまう。警察が広川の拠点である市役所に対する鎮圧作戦を実行に移していたその頃、広川の刺客に娘を殺された倉森は、自分を戦いに巻き込んだ「田宮良子」の赤ん坊を誘拐して誘い出し、新一の制止をよそに、自らの命と引き替えに「田宮良子」の正体を警察の前で暴く。「田宮良子」は赤ん坊を新一に託し、警官隊に射殺される。同時に行われていた市役所での戦いでは広川がパラサイトと誤認されたまま射殺されるが、警察の鎮圧部隊は頭部と四肢に合計5体が融合したパラサイト「後藤」によって全滅する。一足遅く市役所に駆けつけた新一は、その場で「後藤」に勝ち目のない戦いを挑まれ、逃走しながらの戦いを余儀なくされる。
新一とミギーは反撃を試みるものの敗れ、ミギーは新一を逃がすための犠牲となり「後藤」に取り込まれてしまう。新一は全てを失ったことに絶望するが、新一の状況を知って駆けつけた里美と結ばれ、彼女を守るために、新一を追ってきた「後藤」との再戦を決意する。清掃工場のゴミ焼却施設に逃げ込んだ新一は、終始後藤に圧倒され、パラサイトを生み出したのは人間自身であるという「後藤」の主張に衝撃を受けるが、そこに捨てられていた放射性廃棄物に助けられる形でミギーを取り戻し、逆転の勝利を掴む。新一は戦いに敗れつつも必死に生き延びようとする「後藤」の姿に心を動かされ、とどめを刺すことを躊躇するが、戦いを見守っていた里美の姿を見て戦いの目的を思い出し、「後藤」を焼却炉に投げ込んで決着を付ける。ミギーは放射線を浴びて傷ついた新一の細胞を治療するために新一の身体に散らばり、別れを告げて普通の右手となる。
戦いを終えて月日が過ぎ、「田宮良子」が遺した子供の様子を見るために施設を訪れていた新一と里美は、その帰りに市役所での戦いから逃走していた浦上と遭遇する。新一がパラサイトと共生していたことを最初から見抜いていた浦上は、里美を人質にして新一を呼び寄せ、自分のような快楽殺人者こそが人間の本質であると主張し、人間とパラサイトの中間的存在である新一の見地からの賛同を求める。新一は言い淀むが、里美は浦上の主張を一蹴する。新一は里美を助けようとして浦上に立ち向かい、一歩及ばなかったものの里美は助かる。新一と里美が、自分たちを助けてくれたのはミギーだと確信する中、映画は幕を閉じる。
寄生獣 完結編 スタッフ
原作 – 岩明均
監督・VFX – 山崎貴
脚本 – 古沢良太、山崎貴
音楽 – 佐藤直紀
主題歌 – BUMP OF CHICKEN「パレード」(前編)「コロニー」(完結編)(TOY’S FACTORY)
製作 – 市川南、中山良夫
共同製作 – 古川公平、中村理一郎、藪下維也、柏木登、加太孝明、島村達雄、阿部秀司、吉川英作、高橋誠、宮本直人
エグゼクティブプロデューサー – 奥田誠治、阿部秀司、山内章弘
プロデューサー – 川村元気(東宝)、佐藤貴博(日テレ)、守屋圭一郎(ROBOT)
プロダクション統括 – 佐藤毅
撮影 – 阿藤正一
美術 – 林田裕至
録音 – 白取貢
特殊メイクデザイン・特殊造形統括 /キャラクター立体デザイン – 藤原カクセイ
D・Iプロデューサー/カラーグレーダー – 齋藤精二(ピクチャーエレメント)
ドルビーデジタル・コンサルタント – 河東努、森幹生(コンチネンタルファーイースト株式会社)
撮影機材協力 – RED DIGITAL CINEMA SHOT ON RED(RED EPIC)
企画・製作幹事 – 日本テレビ放送網
VFXプロダクション – 白組
制作プロダクション – ROBOT
制作協力 – 東宝映画、阿部秀司事務所
配給 – 東宝
製作 – 映画「寄生獣」製作委員会(東宝、日本テレビ放送網、講談社、電通、讀賣テレビ放送、バップ、ROBOT、白組、阿部秀司事務所、日本出版販売、KDDI、GYAO、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)
寄生獣 完結編 キャスト
泉 新一(いずみ しんいち):染谷将太
田宮 良子(たみや りょうこ):深津絵里
ミギー:阿部サダヲ
村野 里美(むらの さとみ):橋本愛
浦上(うらがみ):新井浩文
草野(くさの):岩井秀人
辻(つじ):山中崇
三木(みき):ピエール瀧
山岸(やまぎし):豊原功補
倉森(くらもり):大森南朋
広川 剛志(ひろかわ たけし):北村一輝
平間(ひらま):國村隼
後藤(ごとう):浅野忠信
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