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死霊のえじき|不死者(アン・デッド)たちが人間に襲いかかるという流血ホラー。ロメロ監督のゾンビ3部作の最終編。

映画 死霊のえじき
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死霊のえじきは、1985年公開のアメリカ合衆国の映画。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から続く、ロメロが手がけたゾンビ三部作の第3作目である。7年前に制作された前作『ゾンビ』に引き続き、ダリオ・アルジェントと共同で制作する予定であったが、ヨーロッパの通貨に対して米ドルが高騰したため、アルジェント側からの協力が得られなくなった。単独で資金を調達することになったロメロは脚本を大幅に変更し、規模を縮小して本作を製作した。前作にフラン役で出演したゲイラン・ロスが本作のキャスティングスタッフ、ドライバーゾンビを演じたジョン・ハリソンが本作の音楽と第二助監督を担当し、キャスティングディレクターを務めたジョン・アンプラスが本作のテッド役を演じるなど、前作に参加したスタッフ・キャストの一部が引き続き本作にも参加している。

死霊のえじき 映画批評・評価・考察


死霊のえじき(原題:Day of the Dead)

脚本:21点
演技・演出:11点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計63点

ロメロのゾンビ三部作の中でツッコミどころ満載なのが今作。面白いのかつまらないのかというと面白い作品なのですが、各キャラクターが個性的というか非日常的な感じがすごくします。

大多数の登場人物が、よくこういう性格でこれまで生き残ってこれたよな。と思いますし、主人公の女性には全く共感できないというか、すごく遠い目で見てしまいます。自分だったらこういう感じの人にはお近づきになりたくないな。・・・とそう感じるキャラです。

後のゾンビ映画に重要なヒントとなったキャラクターは、壊れた人間(ミゲル)、博士(マッドサイエンティスト)、大尉、囚われのゾンビなど後のゾンビ映画作品にオマージュされています。

この映画は公開時に広く批判されましたが、近年ではカルト的な古典となり、シリーズの最高の映画の 1 つとしての評判を築き上げました。
特殊メイクアップのトム・サヴィーニは、今作で2度目のサターン賞最優秀メイクアップを受賞しています。今作はショッキングな演出が多数存在しており、前作のゾンビよりトラウマになりそうなシーンが多くあります。

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死霊のえじき あらすじ(ネタバレ)

死者と生者の数が逆転し、地上にゾンビが蔓延する世界と成り果てたアメリカ・フロリダ州郊外の地下基地。そこでは、女科学者のサラ、ローガン博士らゾンビを研究する科学者たち、施設の警備と科学者の支援を行う軍人グループ、両者に組せず契約だけを遂行するヘリコプターパイロットのジョンと無線技師のビリーなど、生き残った少数の人間たちが閉鎖した施設内に立て篭もり、ゾンビの研究と生存者の捜索を行っていた。

上官が死亡し、軍人グループ指揮官の任務を引き継いだローズ大尉は人員と物資を無駄に費やすだけの状況への苛立ちから、科学者たちに対して高圧的に「目に見える成果」を要求する。しかし、ローガン博士の試算による40万対1という圧倒的多数のゾンビに支配された状況では、有効な打開策があるはずもなかった。

サラとローズたちの軋轢は高まる一方であり、軍人たちとの緊張、精神を病みつつある恋人のミゲルとの問題がサラを追い詰めていく。そんな中、ジョンはサラに生きるとは何かを訴える。先の見えない行き詰まる日々の中、ローガン博士が1つの成果を見せる。それは、ゾンビのバブを飼い慣らすことであった。

納得できないローズ大尉たちもローガン博士の提唱に打開策を見たのか、協力は続ける。しかし、施設内に研究用サンプルとして隔離していたゾンビ捕獲の際に発生した事故で兵士が死亡し、ミゲルは片腕を失う。この件によってサラやジョンたちと軍人たちが一触即発となり、さらにローガン博士がゾンビのバブを飼い慣らすために兵士たちの死体を餌にしていたことが発覚する。

激怒したローズ大尉はローガン博士を殺害し、サラたちを人質にジョンを脅迫してヘリで基地を脱出しようとするが、エレベーターを占拠したミゲルへの対処で、ローズ大尉を残し他の軍人たちがエレベーターに向かった隙にジョンは彼を殴り倒し、武器を奪ってゾンビ檻に放り込まれたサラたちの後を追う。

一方、絶望したミゲルが施設のゲートとエレベーターを開放したため、基地施設内へゾンビの大群が雪崩れ込む。ローズ大尉は部下たちを見捨てて宿舎へ逃げ込み、彼らは次々とゾンビの餌食となる。そこに偶然鎖から解き放たれ博士の死を知ったバブが現れ、ローズ大尉を銃撃。重傷を負ったローズは、ゾンビたちに八つ裂きにされる。

サラ、ビリー、ジョンら3人はゾンビ檻の奥の地下通路から基地の脱出に成功。ヘリでどこかの島に降り立っていたのだった。

死霊のえじき スタッフ

監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョージ・A・ロメロ
製作:リチャード・P・ルービンスタイン
製作総指揮:サラ・M・ハッサネン
音楽:ジョン・ハリソン
撮影:マイケル・ゴーニック
特殊メイク:トム・サヴィーニ
編集:パスカル・ブーバ
製作会社:ローレル・プロダクション
配給:東北新社,東映クラシック

死霊のえじき キャスト

サラ・ボウマン
演: ロリー・カーディル
この世界における問題の根本的要因である「死者の蘇り阻止」を研究する科学者。地下基地内唯一の女性である事から、弱さを見せず常に気を張った状態が続いており、それがミゲルとのすれ違いや軍人達との対立の原因となる。
マシュー・ローガン博士
演:リチャード・リバティー
「ゾンビのコントロール」を研究する科学者。ゾンビと生き残った人間との比率を40万対1と計算する。口達者で激昂するローズ大尉にも臆せず逃げ場の無い状況を説明し、自説の有効性を主張しながら、研究継続の必要性を訴えた。クーパー少佐をはじめとして、死んだ兵士の遺体を密かにゾンビ研究の実験台にしたり餌としてゾンビに与えており、これを知って激怒したローズ大尉に射殺される。
テッド・フィッシャー
演:ジョン・アンプラス
サラの同僚。ローズ大尉を「前任者のクーパー少佐よりもたちが悪い」と評する。ローガン博士殺害後、施設を退去しようとするローズ大尉に人質に取られ、見せしめに射殺された。
ジョン
演:テリー・アレクサンダー
ヘリコプターのパイロット。科学者グループにも軍人グループにも属さず、積極的に関わりを持たないが、軍人達にとって「価値の低い」サラ達の危険な立場を忠告する等、単なる傍観者でいる訳はない。
ウィリアム・”ビル”・マックダーモット
演:ジャーラス・コンロイ
無線技師。ジョンと共に、区画内の宿舎ではなく区画外のトレーラーハウスで生活している。酒好きで、ブランデーの入ったスキットルを片時も手放さない。
ヘンリー・ローズ大尉
演:ジョセフ・ピラトー
前任のクーパー少佐の死亡後、新たに指揮官となった人物。軍人主義的かつ冷酷な性格で、研究は軍事作戦であるとして科学者グループを指揮下に置こうとするが、サラ達の反発を招いて事態を悪化させる。
ローガン博士殺害後、ジョンを脅迫してヘリで脱出しようとするが、一瞬の隙を突いたジョンに殴られ失神、武器を全て奪われる。その後ミゲルの暴走やゾンビ檻の開放でゾンビの大群が地下基地になだれ込んできた際には動揺し部下達を見捨てて逃亡し宿舎に立て篭もるが、ローガンの仇を討とうとするバブによって撃たれ満身創痍にされ、最期は大勢のゾンビに貪られながらゾンビ達に向かって捨て言葉を吐きつつ死亡した。
演者のジョセフ・ピラトーは前作『ゾンビ』でも巡視艇基地からボートで脱出を図る警官のリーダー役で出演している。
ウォルター・スティール
演:ゲイリー・ハワード・クラー
リックルスとコンビを組む。巨漢で粗忽な乱暴者。ローズに取入っており軍人グループではNo.2の立場。ゾンビの大群に襲われた際にローズに見捨てられる。ローズの後を追うようにドアを破壊して宿舎へ逃走、ゾンビ達を宿舎へ雪崩れ込ませる。バブを殺そうと身構えていたが、雪崩れ込んで来たゾンビに喉を齧られ拳銃で自殺する。
ロバート・リックルス
演:ラルフ・マレロ
下品なジョークを連発する小柄な兵士。サラの皮肉を理解出来ないスティールに助け舟を出す等、頭の回転は早い。
地下にゾンビの大群が襲撃してきた際にスティールと共にローズに見捨てられゾンビ檻に1人逃走、トレズに続いて生きたままゾンビの餌食となった。
フアン・トレズ
演:タソ・N・スタブラキス
兵士。物語終盤、ローズに見捨てられスティール達と共に地下空間に取り残され、地下へ雪崩れ込んで来たゾンビの大群の最初の餌食となる。
演者のタソはエレベーターから落ちるゾンビやサラに角材で殴られるゾンビ、ローズ大尉のカートに引き摺られるゾンビ等も演じた他(ローズ大尉の内臓を取り出すヘルメット姿のゾンビもタソである)、スティールに投げ飛ばされるミゲル、ローズ大尉に撃たれるローガン博士などの本作のスタントも担当した。
ミゲル・サラザール
演:アントン・ディレオ
冴えない兵士で事有る毎にサラに擁護される。その為か他の兵士達から暴力や蔑視の的となっており、極限的状況が続く中でのストレスから不安定な精神状態にある。遂にはゾンビに腕を噛まれ、その腕をサラに切断される。この事が引き金となって絶望し 己を囮に地下の基地内へ外部のゾンビの大群を誘導、基地内の人間を道連れにする事を願いながらゾンビの餌食になる。
バブ
演:ハワード・シャーマン
研究用のサンプルとして捕獲されたゾンビ。生前は軍人だったらしく、ローズに敬礼したり銃の使い方を覚えていた。ゾンビとしては知能が高く、ローガン博士が殺された事に怒りや悲しみを表す等、通常のゾンビとは一線を画す存在。最後はローズ大尉を銃撃し満身創痍にした上で致命傷を与え身動き出来なくさせる。自らはローズを喰らうことなく他のゾンビ達に止めを委ねて何処かへ立ち去った。
ジョンソン
演 :グレッグ・ニコテロ
ローズ大尉率いる兵士の一人。ゾンビ捕獲用の道具が外れ、仲間の兵士・ミラーが襲われ喉を噛みちぎられた際、手にしていたマシンガンで誤射されて死亡。その遺体はローガン博士の実験材料に使用される。
ミラー
演 :フィリップ・G・ ケラムス
ローズ大尉率いる兵士の一人。ゾンビ捕獲用の道具が外れた時に、ゾンビに襲われた際に喉を噛みちぎられてしまう。最後はスティールに介錯され死亡する。

死霊のえじき 予告編・無料動画


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ジョージ・A・ロメロ ゾンビ映画

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド|ジョージ・A・ロメロが監督した歴史的作品であり、ゾンビ映画の記念碑的作品
ナイト・オブ・ザ・リビングデッドは、ジョン・A・ルッソの原作を、CM監督出身のジョージ・A・ロメロが監督した歴史的作品であり、ゾンビ映画の記念碑的作品である1968年公開のアメリカのホラー映画。全編に横溢するカニバリズムや反モラル的ラストなど当時のタブーに挑戦した内容は、根底に流れる独自のヒューマニズムが制作当時の世相を反映しており、賛否両論あったがロングランを続けた。結果として、ニューヨーク近代美術館にも所蔵されるカルト・クラシックとなっており、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されている。リチャード・マシスン原作のSFサスペンス小説『アイ・アム・レジェンド』に感銘を受けていたロメロがその作品をヒントとして作られたのが今作。
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