スポンサーリンク

女囚さそり 第41雑居房|刑務所の外での作業終わりに移送中の車から女囚6人たちと共に脱走した逃亡劇の顛末を描く。

映画 女囚さそり 第41雑居房
この記事は約8分で読めます。

女囚さそり 第41雑居房は、1972年公開の日本映画。同年8月25日公開『女囚701号/さそり』に次ぐ、女囚さそりシリーズの第二弾。前作の続編で脱走したナミが再び刑務所に入れられ、刑務所の外での作業終わりに移送中の車から女囚6人たちと共に脱走し、街まで逃亡を試みるという内容になっており、ややロードムービー的な作品となっている。

女囚さそり 第41雑居房 映画批評・評価・考察


女囚さそり 第41雑居房

脚本:24点
演技・演出:16点
撮影・美術:14点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計68点

 眼だけの演技が99%の梶芽衣子とキレにキレ気味でまくし立てる白石佳代子の対比がすごく面白い作品です。今作品は、前作と違って梶芽衣子以外が全員ブス女囚という大胆に攻めた作品です。オープニングから梶芽衣子への水攻め、集団レイプなど警察官たちの非道が描かれています。また、舞台劇のような演出が随所にあり女囚たちの内面を描くことに特化しています。当時の邦画(東映)は女性をほぼモノ扱いしたような内容だったので画期的な作品だったように思います。今作品のバスジャックシーンが『シルミド』と似ているんですが、シルミドが影響を受けていると思います。
 ラストシーンで女囚が道路を梶芽衣子を先頭に全力疾走するんですが、かなりの距離を走ってるんです。そこでのラストショットの女囚たちの表情が印象的です。これワンテイクで終わってなかったら、壮絶な現場になってそうです。

今作品は Huluで見ました。

amazonプライム・ビデオ

女囚さそり 第41雑居房 あらすじ(ネタバレ)

法務省の巡閲官の面前で松島ナミは刑務所長郷田の隻眼めがけナイフを突き刺す。郷田は辛くも失明をまぬがれ、ナミに対する憎悪はいっそう燃えた。石切場での苦役、輪姦。さすがにナミも半死半生となる。しかし、不死鳥の如くナミは、看主を殺し、女囚のボス、大場らと共に脱走に成功。やがて、とある山小屋に閉じ籠った。女囚の一人、及川が、我子恋しさのあまり独り抜けだし、我が家に戻ったところを網を張っていた看守たちに捕われ、取り引きをさせられる。やがて及川は看守を連れ小屋に戻った、が、ナミに感ずかれ、看守は女囚たちに惨殺されてしまった。再び逃亡。女囚たちは観光バスを乗っ取り、街道を突っ走る。しかし、行手に郷田と警官たちがいるのを知った大塚らはナミを囮として突き落す。逮捕されてしまうナミ。ところが郷田はそのナミに、女囚たちが人質たちと籠る倉庫の中の様子を捜るように命令する。ナミは素直に郷田の言に従い、大場の持っているライフルに残弾はなく、人質は既に殺されていると報告する。警官たちは突撃した。だが、大場のライフルは火を吹き銃撃戦となる……。女囚側は大場一人が辛じて生き残り、人質は全て殺されてしまった。郷田のナミに対する憤りは凄じく腹心の部下に、秘かにナミ殺害を命じ、自分は本省に栄転していった。だが、瀕死の大場の助けでナミは危機をまぬがれ、二人の看守を殺して逃亡に成功。郷田は東京管区長のポストに納まり、エリート官僚ぶりを発揮していたが、真紅なパンタロンスーツに身を固めたナミは、今までの復讐と怨念を込めたドスを深々と郷田の腹に突きさした……。

女囚さそり 第41雑居房 スタッフ

監督:伊藤俊也
企画:吉峰甲子夫
原作:篠原とおる(『さそり』ビッグコミック連載)
脚本:神波史男,松田寛夫,伊藤俊也
撮影:清水政郎
録音:広上益弘
照明:桑名史郎
美術:桑名忠之
編集:田中修
助監督:馬場格昭
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:東一盛
装置:根上徳一
装飾:米沢一弘
美粧:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣装:宮下貞子
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:菊池俊輔
配給:東映

女囚さそり 第41雑居房 キャスト

松島ナミ
演 – 梶芽衣子
『さそり』の異名を持つ。脱走の常習犯。前作の口数の少ない性格に加え、攻撃的な性格で強い視線と瞬間的な怒りの感情を出すようになっている。ひでたち6人の女囚と共に脱走を図っているが、ひでたちからは良く思われておらず、その場しのぎに一緒に行動している状態。脱走中は、途中で出会った老婆からもらった包丁を武器に行動する。
ナミと共に脱走する6人の女囚
大場ひで
演 – 白石加代子
女囚たちのリーダー的存在。野心家で気性が激しく、手段を選ばない。自身の顔にコンプレックスを持っている。ナミと共に脱走しているが彼女のことを敵視している。過去に夫が浮気した腹いせに自身の2人の子供を殺害している。脱走中は、看守から奪ったライフル銃を武器にして行動を取る。
安木富子
演 – 賀川雪絵
ひでの仲間の女囚。茶髪の長い髪型。他の女囚と同じく気性が激しく、暴力的な行動を取る。過去に売春行為を重ねて刃傷沙汰を起こした。脱走後、ひでたちと共にバスを襲撃して乗客を人質にとりバスジャックを起こす。
我妻春江
演 – 八並映子
ひでの仲間の女囚。妻子ある男性に横恋慕の末、その妻を毒殺した過去がある。愛する男と再会することを熱望している。作中では、“よかちん音頭”を女囚たちの前で歌うシーンがある。レズ。
野田朝子
演 – 伊佐山ひろ子
ひでの仲間の女囚。他人の幸せを妬んで放火した罪で収監。ひでたちと共に脱走後に追いかけてきた看守を惨殺したり、食べ物を得るために野犬を殺して肉にありつくなどの手荒い行為を行う。レズ。
都ローズ
演 – 石井くに子
ひでの仲間の女囚。泣き虫で子供のようだが、心優しい性格なため女囚から親しまれている。他の女囚と違い、ナミにも親しく接しており彼女が怪我した時に手当をしたり、彼女のために涙を流すなどしている。自らに襲い掛かった父親を逆に殺してしまった過去を持つ。
及川君代
演 – 荒砂ゆき
ひでの仲間の女囚。髪型は長い髪の毛を結んで右肩から前へ垂らしている。交際していた若い情夫が自身の幼い息子を虐待していたため、絞殺した。脱走中に実家に立ち寄り最愛の息子と再会する。
刑務所の看守たち
郷田毅
演 – 渡辺文雄
前作(『女囚701号/さそり』)で自身の右目を失明させたナミに私怨を抱き、1年間にわたって彼女を拘束具をつけた状態で地下牢に閉じ込めていた。冒頭で栄転が決まったが、脱走したナミたちを刑務所に引き戻すことを栄転前の最後の任務として彼女たちを追いかける。後に法務省東京矯正菅区長に転任。
沖崎
演 – 室田日出男
看守長。メガネを掛けている。仲間の看守を殺して脱走したナミたちを連れ戻すため脱走後、君代の家族を利用して女囚たちの居場所を探ろうとする。
古谷
演 – 堀田眞三
副看守長。サングラスをかけて、口ひげを生やしている。ライフル銃を用いて脱走したナミたちを刑務所に引き戻そうとする。

演 – 小松方正
看守。冒頭の石切場で郷田の命令を受けて任務の一環として、数人の看守たちとともにナミを強姦する。しかし直後にナミたちに逆襲に遭い絶命する。
田所
演 – 佐藤京一
看守。石切場で郷田の命令を受けて任務の一環として、数人の看守たちとともにナミを強姦する。その後、逃走中のナミたちの足取りを追い、隠れ家を突き止めようとするがナミたちに捕まり、抵抗するも殺害される。
鳥居
演 – 三重街恒二
看守。石切場で郷田の命令を受けて任務の一環として、数人の看守たちとともにナミを強姦する。その後、脱獄したナミたちの追跡班に参加。バスに篭城する大場の銃弾に被弾し、死亡。
尾形
演 – 阿藤海
看守。長髪。石切場で郷田の命令を受けて任務の一環として、数人の看守たちとともにナミを強姦する。その後、脱獄したナミたちの追跡班に参加。バスに篭城する大場の銃弾に被弾し、死亡。
風間
演 – 久地明
看守。護送中の車輌を運転していたがナミたちの逆襲に遭い、絶命する。
落合
演 – 林宏
稲村
演 – 宮地謙吾
看守
演 – 五野上力横山繁
その他の主な人物
法務省巡閲官
演 – 戸浦六宏
栄転することになった郷田を労うために女子刑務所を訪れ、看守たちから歓迎イベントを催される。また渋々ながらイベントに出席した女囚たちにも罪を償って早く出所できるよう、一人一人に一言ずつ励ましの言葉をかける。
老婆
演 – 田中筆子
姥捨てにより一人であばら家に身を寄せていた所を脱走したナミたちと出会う。終始包丁を持って「呪ってやる呪ってやる」などと呪文のように独り言を言っている。
及川の両親
演 – 岩井松二郎近衛秀子
逃走中の及川たちの足を封じるために看守たちに利用させられる。
和夫
演 – 小出隆之
及川の子。会いに来た及川に仲間の居場所を吐かせるために看守たちに利用される。
若い男
演 – 小林稔侍
バス旅行の乗客。大和町商店街若い正直の会。商店街慰安旅行に参加していた数十人の男女のグループの一部。道中で一時休憩した近くの川で酒を飲んだ後、偶然出会った一人の女囚に乱暴をはたらく(3番目)。
若い男
演 – 伊達弘
バス旅行の乗客。大和町商店街若い正直の会。商店街慰安旅行に参加していた数十人の男女のグループの一部。その途中、一時休憩した近くの川で酒を飲んだ後、偶然出会った一人の女囚に乱暴をはたらく(1番目)。
若い男
演 – 高月忠
バス旅行の乗客。大和町商店街若い正直の会。商店街慰安旅行に参加していた数十人の男女のグループの一部。その途中、一時休憩した近くの川で酒を飲んだ後、偶然出会った一人の女囚に乱暴をはたらく(2番目)。
年配の男
演 – 長谷川弘
バス旅行の乗客。戦時中に大陸で姑娘(クーニャン)をレイプした自慢話をする。
バスガイド
演 – 伊丹さかえ
乗客たちの下世話に赤面し、セクハラに対しても気丈に職務を全うする。
バスの運転手
演 – 山之内修
乗客
演 – 山田甲一,木村修,佐川二郎,山浦栄,笠原玲子,須永かつ代,谷本小代子,山本緑,竹村清女,名逹ますみ
その他の人物
警官
演 – 相馬剛三
東京区間員
演 – 三浦忍
囚人
演 – 園かおる,八百原寿子,小甲登枝恵,愛田ジュン,渡辺ゆき

女囚さそり 第41雑居房 予告編・無料動画


amazonプライム・ビデオ

女囚さそり 映画シリーズ

女囚701号 さそり| 梶芽衣子が復讐に燃える囚人のヒロインに扮して人気を博した女囚さそりシリーズの第1作目。
女囚701号 さそりは、1972年公開の日本映画。女囚さそりシリーズの第1作目。刑務所を舞台に女囚の松島ナミが、周りの人間から受ける暴行などに耐えて脱走を試み、過去に自身を裏切った男たちに復讐しようとする内容となっているほか、殺人のほか陵辱、リンチなどの凄惨なシーンが含まれています。
女囚さそり 第41雑居房|刑務所の外での作業終わりに移送中の車から女囚6人たちと共に脱走した逃亡劇の顛末を描く。
女囚さそり 第41雑居房は、1972年公開の日本映画。同年8月25日公開『女囚701号/さそり』に次ぐ、女囚さそりシリーズの第二弾。前作の続編で脱走したナミが再び刑務所に入れられ、刑務所の外での作業終わりに移送中の車から女囚6人たちと共に脱走し、街まで逃亡を試みるという内容になっており、ややロードムービー的な作品となっている。
女囚さそり けもの部屋|知り合った女たちの哀しい運命を垣間見てあくどい仕事をする鮫島たちに復讐し、権藤刑事から逃亡を図る様を描く。
女囚さそり けもの部屋は、1973年公開の日本映画。東映製作の女囚さそりシリーズの第3作目である。ナミが一般社会で逃亡生活を送りながら、知り合った女たちの哀しい運命を垣間見てあくどい仕事をする鮫島たちに復讐し、権藤刑事から逃亡を図る様を描く。映画批評・あらすじ(ネタバレ)・スタッフ・キャスト・映画予告編・無料動画・配信情報。
女囚さそり 701号怨み節|裏切られた怨念に燃え、刑務所を脱走して復讐を果すまでを描く。女囚さそりシリーズの第4作目。
女囚さそり 701号怨み節は、1973年公開の日本映画。東映製作の女囚さそりシリーズの第4作目である。過去に殺人を犯して逃亡中の松島ナミが警察に捕まるが逃げ出し、直後に出会った元過激派学生運動家に一度は犯罪者的意識で心を許したさそりが、その男に裏切られた怨念に燃え、刑務所を脱走して復讐を果すまでを描く。