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天と地と|戦国時代を背景に、上杉謙信と武田信玄との対決を描く。製作費50億円をかけて製作したスペクタクル時代劇超大作。

映画 天と地と
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天と地とは、1990年公開の日本映画。戦国時代を背景に、上杉謙信と武田信玄との対決を描く時代劇。戦国乱世の時代、後に上杉謙信と名乗る越後領主の長尾景虎(榎木孝明)は、配下の裏切りや女子どもをも切り捨てる非情な戦いに苦悩しつつ、やがては生来の優しさを切り捨てて、宿敵でもある信濃領主・武田信玄(津川雅彦)と川中島にて雌雄を決する戦を繰り広げていく。 海音寺潮五郎の同名小説を原作に、時の角川映画総帥・角川春樹が自らメガホンを握り、製作費50億円をかけて製作したスペクタクル時代劇超大作。川中島合戦シーンはカナダ・ロケにて撮影。当初、主役は渡辺謙だったが急性白血病のために降板を余儀なくされ、榎木孝明が代わってその大任を果たした。なお、この劇場公開版は上映時間2時間以内という配給会社との確約の下で作られたものであり、のちに角川はディレクターズ・カットなる特別編156分と、海外戦略のための海外版104分を製作。

天と地と 映画批評・評価・考察


天と地と

脚本:19点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:3点
音響・音楽:3点
合計55点

大作を素人が監督したらこうなったっていう感じで、全体的にバランスが悪く、大迫力であるはずのシーンがそうではないように映ってしまうという残念さ。編集もツギハギ感が酷く、ストーリーが全く入ってこない。ただし、キャストの演技には目を見張るところも多く、それだけに角川春樹が監督したことが痛すぎる。それともうひとつ、小室哲哉の音楽と作品が全く合っていない。大迫力のシーンに、Vシネマみたいなデジタルサウンド、しかもクオリティも低く見すぼらしい。とても本気で作曲したと思えない。他に素晴らしい映画音楽を提供できる人材がいるにも関わらず、小室が時代の寵児だったにせよ、良くない人選だった。

今作品、映画史に残るような作品なることもできたはず、圧倒的な騎馬の数に甲冑の美しさ、重厚な演技ができるキャスト。それで、ここまで駄作になるなんて・・・悪い夢としか思えない。


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天と地と あらすじ(ネタバレ)

天文十七年(一五四八年)時は戦国下克上、家臣が主人を倒し、内親同士で相争う乱世の只中、遠く都を離れた北国、越後でも新たな戦いが始まろうとしていた。守護代の位にありながら政務をおざなりにした兄・長尾晴景を討つべく、弟景虎が兵を挙げたのだ。仏教、特に刀八毘沙門天を厚く信仰する景虎は、戦場では軍神の如き冷徹な攻撃ぶりをみせる一方、内心では血を分けた兄に弓をひいた事に対する後悔の念に捉われていた。幼少時より景虎に仕えてきた軍師宇佐美定行は、その迷いを見抜き「乱世の運命からは遁れられぬ」と説くのだった。

ある日、景虎は宇佐美の娘であり幼なじみの乃美と十年振りに再会する。日々合戦にあけくれる景虎にとって、乃美とすごす時は安らぎであった。乃美も景虎の身を案じて『龍』の文字の入った陣羽織を贈る。互いに思慕の情が湧くが、乃美の嫁入りという運命がふたりを引き裂いていった。同じ頃、険しい山々に囲まれた甲斐の国で上洛を果たさんと野望を胸に抱く武将がいた。守護大名武田晴信、後の信玄である。息子の太郎義信、側室で女騎馬隊を率いる八重、軍師山本勘介をはじめ屈強の家臣を持つ晴信は、着実に勢力を拡大していた。肥沃な奥信濃は、土地のやせている甲絞にとって是非とも手中に収めたい土地だった。

晴信は北上し攻撃を開始する。追われた信濃の領主達は、隣国越後に失地回復を嘆願し、景虎との対決がそう遠くない事を予感していた。景虎はかつての主であった長尾家を裏切り、武田軍の役立てで越後を侵略しようとした昭田常陸介を倒すために兵を挙げる。昭田妻子を捕慮として捉え、城を包囲し降伏を迫るが昭田は景虎の使者を斬り捨て篭城する。宇佐美は覚悟のほどを見せるために妻子を討てと進言するが、景虎は非情になり切れずにためらう。いら立つ宇佐美が首をはね、昭田を陥落させたが、景虎の心には一国の主としての己のありかたに対する疑念が湧く。

毘沙堂で真言を唱えながら苦悩する景虎。数日後、景虎は城を捨て、修行僧に姿を変え放浪の旅に出る。後を追う家臣達と雪深い信濃峠で再会するが、偶然にも晴信一行に出くわす。修行僧の姿で頭を下げる景虎たちのもとへ木の枝から落ちた雪の音に驚いた八重の馬が暴走し、杖で制しようとした景虎を成敗しようと斬りかかる太郎義信。その刃から主人をかばい馬廻りの戸倉弥八郎が殺されてしまう。武田側の無礼になすすべもなかった景虎は憤怒に震えながら、武田陣を討たんと決意するのだった。

早春の夜、琵琶島城の宇佐美を二人の男が訪ねてきた。甲斐に走った大熊朝秀と武田の名軍師山本勘介だった。こうした会談の場をもったこと自体が、すでに武田に款を通じた証拠と、強弁する勘介の気迫に宇佐美は圧倒されるのだった。そのころ武田勢が甲府を進発したという報が春日山城に届いた。こうして景虎は川中島で死守する態勢をとるのだった。決戦の場、川中島で両雄はついに陣を構えた。

景虎側と武田側とが激突し、乱戦を展開する。景虎はそこで武田の士気を挫き、戦国武将として成長してゆくのだった。無念の武田軍団が戦場を去って行く中、衝撃的な報が景虎の本陣に入った。武田の間者が宇佐美の謀叛を示す書状を持って捕まったのだ。心の隙を衝かれた宇佐美は自らの落ち度を認めて景虎と槍で果たし会い討たれるのだった。

永禄四年秋、景虎は上杉謙信と改名し、晴信も武田信玄となった。そして両者は再び川中島にて、鬼神のごとく激突するのだった。

天と地と スタッフ

監督:角川春樹
脚本:鎌田敏夫,吉原勲,角川春樹
製作:角川春樹,大橋渡
製作総指揮:角川春樹
音楽:小室哲哉
主題歌:小室哲哉「天と地と~HEAVEN AND EARTH~」
撮影:前田米造
編集:鈴木晄
製作会社:角川春樹事務所
配給:東映

天と地と キャスト

上杉謙信:榎木孝明
武田信玄:津川雅彦
乃美:浅野温子
八重:財前直見
武田太郎義信:野村宏伸
武田典厩信繁:石田太郎
柿崎和泉守景家:伊藤敏八
直江大和守実綱:浜田晃
大熊備前守朝秀:成瀬正孝
北条丹後守高広:南雲佑介
村上周防守義清:大林丈史
小島弥太郎:須藤正裕
高坂弾正:沖田浩之
飯富兵部少輔虎昌:室田日出男
山本勘介晴幸:夏八木勲
宇佐美駿河守定行:渡瀬恒彦
奈弥辰蔵:野崎海太郎
戸倉弥八郎:五島拓弥
初鹿野源五郎:山田明郷
昭田常陸介:伊武雅刀
秋山源蔵:貞永敏
橘屋又三郎:大滝秀治
昭田常陸介の正室:風祭ゆき
帝よりの勅使:風間杜夫
侍女:岸田今日子
ナレーター:西村知道

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